T.S. Monk - House Of Music (1980)
T.S. Monk『House Of Music』
1980年に発表されたT.S. Monkのファースト・アルバム。ジャズの巨人セロニアス・モンクの息子であるドラマーのセロニアス・モンク・ジュニア(T.S.モンク)が率いるR&B/ファンク/ディスコ・グループとしての出発点で、実妹のバーバラ・“ブー・ブー”・モンクとイヴォンヌ・フレッチャーの女性ボーカル2人を迎えたトリオ編成で制作された。ジャズの伝統主義から離れ、洗練されたアーバン・ファンクやブギーを鳴らした快作である。
制作背景・エピソード
T.S.モンクは1970年代にドラマーとして父のクインテットなどで活動したのち、自身の音楽的ビジョンを追求すべく実妹のバーバラ・“ブー・ブー”・モンク、イヴォンヌ・フレッチャーとともにバンドを結成。アトランティック傘下に設立された新興レーベルMirage(グリーンバーグ兄弟創設)と契約を結んだ。プロデュースは、Odyssey「Native New Yorker」やフォー・シーズンズのヒットで知られる名匠サンディ・リンザーが担当した。
録音はニューヨークのThe Hit Factoryで行われ、ミックスとマスタリングはAtlantic Studiosで実施された。Side 2ラベル内側の押し跡にある「Raised E A S T」の表記はSpecialty Recordsによるプレスを示している。アルバムの看板曲となった「Bon Bon Vie (Gimme The Good Life)」は、サンディ・リンザーとL.ラッセル・ブラウンが共作し、T.S.モンク自身がアレンジを手がけた。
サウンドと楽曲の聴きどころ
アルバムの冒頭を飾るA1「Bon Bon Vie」は、高揚感あふれるホーン・セクションとT.S.モンクの弾力あるタイトなドラミング、キャッチーなフックが一体となったポスト・ディスコ/ブギーの金字塔。シングルは全米ビルボードR&Bチャートで11位、総合Hot 100で63位、ダンス・チャートで13位のスマッシュ・ヒットを記録した。
続くA2「Candidate For Love」は、ブー・ブー・モンクとイヴォンヌ・フレッチャーによる伸びやかなツイン・ボーカルと、エレガントなストリングス&ブラスが多幸感をもたらす極上のダンサー。ニューヨークの伝説的ナイトクラブ「パラダイス・ガラージ(Paradise Garage)」において、レジデントDJのラリー・レヴァンがヘヴィ・プレイしたガラージ・クラシックとしても名高い。さらにモダン・ソウル・フィーリング漂う「Can't Keep My Hands To Myself」やドラマティックなタイトル曲「House Of Music」など、全編にわたって引き締まったニューヨーク流のファンクネスが貫かれている。
時代の文脈
1970年代末のディスコ・ブーム終息を経て、1980年代初頭のブラック・ミュージック・シーンは、より洗練されたファンク、エレクトリックな質感、ソウルフルな歌心を取り入れた「ポスト・ディスコ/ブギー(Boogie)」の時代へと移行していた。偉大なジャズ・ジャイアントの息子が、当時のニューヨークのストリートやクラブの最先端の空気を鮮やかに体現した点でも象徴的な作品である。
後世への影響
「Bon Bon Vie (Gimme The Good Life)」のイントロに鳴り響く強烈なホーン・リフとドラム・ブレイクは、Public Enemyの「Welcome to the Terrordome」(1989年)でサンプリングされたほか、Jaz-O feat. Jay-Z「Pumpin'」など数多くのヒップホップ作品で引用された。また、日本でもDJ MUROの伝説的ミックステープ『Super Disco Breaks』に収録されるなど、世界中のレアグルーヴ/ファンクDJにとっての至宝として愛され続けている。
トラックリスト
- A1 Bon Bon Vie 5:04
- A2 Candidate For Love 4:48
- A3 Hot Night In The City 4:05
- B1 The Last Of The Wicked Romancers 4:35
- B2 Can't Keep My Hands To Myself 4:00
- B3 Stay Free Of His Love 4:10
- B4 House Of Music 5:31
動画プレイリスト
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T.S. Monk - House Of Music (1980) - A1 - Bon Bon Vie
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T.S. Monk - House Of Music (1980) - A2 - Candidate For Love
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T.S. Monk - House Of Music (1980) - A3 - Hot Night In The City
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T.S. Monk - House Of Music (1980) - B1 - The Last Of The Wicked Romancers
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T.S. Monk - House Of Music (1980) - B2 - Can't Keep My Hands To Myself
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T.S. Monk - House Of Music (1980) - B3 - Stay Free Of His Love
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T.S. Monk - House Of Music (1980) - B4 - House Of Music