Unlimited Touch - Unlimited Touch (1981)
Unlimited Touch 1981

Unlimited Touch - Unlimited Touch (1981)

Funk / Soul Boogie Funk Disco

Unlimited Touch『Unlimited Touch』(1981)について

Unlimited Touchは、ニューヨークを拠点にしたポスト・ディスコ・グループで、1981年にPrelude Recordsから発表した唯一のアルバムがこの『Unlimited Touch』。レーベルは70年代後半から80年代前半にかけてダンス・ミュージックを数多く送り出したニューヨークの独立系で、本作もその流れの中にある1枚だ。グループは女性シンガーを軸にした編成で、オードリー・ウィーラー、フィリップ・ハミルトン、トニー・シントロン、サンディ・アンダーソン、ステファニー・ジェイムス、レニー・アンダーウッドの6人で活動した。

クラブ・サウンドの中にある歌ものの輪郭

このアルバムの核にあるのは、ブギー、ディスコ、ファンクをつないだニューヨーク産のダンス・サウンドだ。Crown Heights Affairのレイモンド・リードとウィリアム・アンダーソンが女性ボーカル・グループとして立ち上げた企画が出発点にあり、彼らはメンバーではないものの、本作ではプロデュース、アレンジ、ミックスを担当している。だからこそ、リズムの組み立てやコーラスの置き方に、当時のクラブ向けプロダクションらしい整った設計が見える。

実際に聴くと、派手に押し切るタイプではなく、ベースラインとドラムの反復を土台に、ボーカルの重なりで曲を進める作りが目立つ。シンセやギターの入り方も過剰ではなく、曲の推進力を保ちながら、声の配置を前に出している。80年代初頭のポスト・ディスコ作品にしばしばある、ディスコの華やかさを残しつつ、演奏は少し引き締まった質感。ニューヨークのダンス・レーベルらしい手触りがある。

代表曲「I Hear Music in the Streets」

このグループを語るうえで外せないのが「I Hear Music in the Streets」。Unlimited Touch最大のヒットで、USダンス・チャートでは6位、R&Bチャートでは33位を記録した。レニー・アンダーウッドの共作でもあり、グループの名前を広めた曲として知られている。曲名どおり、街の気配とクラブの高揚感をつなぐような作りで、反復の強さとボーカルの抜けの良さが印象に残る。

続く「Searching to Find the One」も重要な1曲で、R&Bチャート29位、UKチャート76位を記録した。こちらもアンダーウッドの共作で、グループの作家性を示す曲として位置づけられている。のちにこの2曲がサンプリングの素材として再評価されたことも、本作の存在感を補強している。1997年のランペイジ feat. ビリー・ローレンス「Take It to the Streets」、1999年のフェイス・エヴァンス「All Night Long」では、「I Hear Music in the Streets」のベースとドラムが使われている。

短命なグループ、その後の広がり

Unlimited Touchは、レーベルやマネジメントとの対立から1981年末には解散したとされる。アルバム1枚といくつかのシングルを残して終わった短命なグループだが、その後の動きも含めて80年代初頭のR&B/ダンス・シーンの断面を示している。1983年にはオードリー・ウィーラー、サンディ・アンダーソン、ステファニー・ジェイムスの3人で再結成し、「Yes We're Ready」、さらに1984年の「Reach Out (Everlasting Love)」を発表した。

とくにオードリー・ウィーラーは、その後セッション・バック・ボーカリストとして活動の幅を広げ、マドンナ、ビリー・オーシャン、フレディ・ジャクソン、メルバ・ムーア、カシーフらの作品に参加している。1987年にはソロ・アルバム『Let It Be』でCapitolからメジャー・デビューも果たした。Unlimited Touchのアルバムは、そうした各メンバーの後年の活動に先立つ、初期の到達点としても見ておきたい。

Prelude Recordsの80年代初頭らしさ

Prelude Recordsは、1976年から1986年まで活動したニューヨークの独立系ダンス・レーベルで、本作はそのカタログの中でも80年代初頭の空気をよく映している。ディスコの終盤からブギー、ポスト・ディスコへ移る時期の作品で、クラブ仕様のリズムと歌もののバランスがはっきりしている点が特徴的だ。Crown Heights Affair周辺の制作陣が関わっていることもあり、同時代のニューヨーク・ダンス・サウンドの文脈に置くと輪郭がつかみやすい。

Unlimited Touch『Unlimited Touch』は、ヒット曲を軸にしながら、短命だったグループの記録としても、サンプリング源として後年に残った作品としても、80年代初頭のニューヨーク・ソウル/ダンスの空気を伝える1枚だ。アルバム全体を通して、派手な逸脱よりも、リズム、コーラス、ベースラインの組み合わせで聴かせる作りが印象に残る。

トラックリスト

  1. A1 Feel The Music 5:05
  2. A2 Private Party 4:55
  3. A3 I Hear Music In The Streets 6:50
  4. A4 Love To Share 4:10
  5. B1 Happy Ever After 6:20
  6. B2 Searching To Find The One 5:03
  7. B3 Carry On 4:46
  8. B4 In The Middle 5:40

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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