Vis-A-Vis - Obi Agye Me Dofo (1977)
Vis-A-Vis『Obi Agye Me Dofo』
1977年にガーナのBrobisco House Of Music(BHM)から出たVis-A-Visのアルバム『Obi Agye Me Dofo』は、クマシを拠点にしたハイライフ・グループの作品として知られている。Isaac “Superstar” Yeboahを中心に、Sammy Cropperのリード・ギター、Slim Manuのベース、Gybson “Shaolin Kung-Fu” Papraのドラムを軸にした編成で語られることが多く、1975年から1982年までに13枚のアルバムを残したグループの中でも、最も入手が難しい1枚として扱われている。
制作背景・エピソード
Vis-A-Visは、ライブ・バンドとしての活動と、スタジオ・ミュージシャンとしての仕事を並行していたグループ。1970年代には歌手K. Frimpongと共演し、彼を当時のガーナで人気の高いスターへ押し上げる役割を果たしたとされる。Songlinesのレビューでは、メンバーの何人かがFrimpongのバンドCubano Fiestasでも演奏していたと紹介されている。
この『Obi Agye Me Dofo』は、Brobisco(BHM)から出た1977年作で、バンドの作品の中で最高作とされている。
時代の文脈
1970年代のガーナではレコード産業が活況を呈し、ハイライフにアフロビートやファンク、ジャズを取り込むバンドが次々に現れた。Vis-A-Visもその流れの中に置かれている。Jazz Revelationsのレビューでは、Ebo TaylorやPat Thomasと並べて語られている。
タイトル曲「Obi Agye Me Dofo」については、Frimpongが当時のヒット曲で使っていたグルーヴを思わせると評されている。
後世への影響
タイトル曲「Obi Agye Me Dofo」は、2009年にSoundway Recordsが編集した『Ghana Special: Modern Highlife, Afro-Sounds & Ghanaian Blues 1968–81』に収録された(Miles Cleret編)。
アルバム自体は1980年にアメリカで短期間LP化され、その後2011年にはContinental Recordsからも再発された。さらに2021年1月にはカナダのWe Are Busy Bodiesが再発を行い、その後も同レーベルがVis-A-Visのカタログ再発を続けている。
サウンド・聴きどころ
SonglinesのNigel Williamsonは「Obi Agye Me Dofo」を、ジャズ的なホーン、シンセ、Sammy Cropperのギター・ソロが引っ張る切迫したグルーヴとして紹介している。そこではYeboahの歌が熱に浮かされたように響く。8分に及ぶ「Kankyema」はチキン・スクラッチ・ギターと浮遊するシンセによる催眠的なファンク、「Gyae Su」はより伝統的なハイライフ、「Susan Suo」はパーカッション主体のアフロ・キューバン風の曲として評されている。Williamsonは、シンセが過剰になる場面もあるとしつつ、最初から最後まで踊れる作品とまとめた。Jazz RevelationsのRobbie McGrailは、「Kankyema」の裏打ちのギターに70年代レゲエを、「Gyae Su」の明るいギターのアルペジオに西アフリカのハイライフらしさを聴き取り、このアルバムを「ハイライフのるつぼに隠れた逸品」と呼んでいる。
トラックリスト
- A1 Obi Agye Me Dofo
- A2 Kankyema
- B1 Gyae Su
- B2 Gladys Mmbobor
- B3 Susan Suo