A.C.T. - Eternal Winter (2025)
A.C.T.『Eternal Winter』
スウェーデン・マルメ出身の実力派プログレッシヴ・ロック・バンド、A.C.T(アクト)が2025年に発表し、2026年に自社レーベルActworldから限定100枚の手書きナンバリング入りブルー・ヴァイナルでLP化した意欲作。本作は、彼らが2019年から足かけ数年にわたり展開してきた「四季」をテーマにした連作EPプロジェクト(『Rebirth』=春、『Heatwave』=夏、『Falling』=秋)の最終章「冬」を飾る完結作である。
音楽性と楽曲構成のハイライト
A.C.Tの代名詞といえば、クイーン直系の華麗な多重ボーカル・ハーモニー、ABBAを彷彿とさせるキャッチーな北欧ポップ・センス、そしてイット・バイツやサガに通じるスリリングな変拍子と技巧派アンサンブルが同居する独自の“ポップ・プログ(Bubblegum Prog)”である。本作『Eternal Winter』では、そうした持ち前の技巧と親しみやすさを土台にしつつ、冬というテーマにふさわしい内省的で切ないメロディが際立つ。
オープニングのイントロに続く「The Family」は、バンドらしい軽妙洒脱なポップネスと緻密なリズム・アレンジが冴える代表曲。さらに、シンセサイザーのきらびやかなリフとスリリングな拍子展開が光る「Waiting For The Sun」、そして7分超にわたり重厚な感情の高まりを劇的なインストゥルメンタル・パートへと結実させる名曲「Home」など、コンパクトな収録時間の中に濃密なプログレッシヴ・ロックの醍醐味が凝縮されている。
四季プロジェクトの完結と作品の意義
1999年のデビュー作『Today's Report』以来、四半世紀以上にわたり独自のプログ・ロック道を歩んできたA.C.T。本作は、陽気なジャンル横断性から一歩深化したメロウな表現力を提示し、バンドの円熟味を見事に証明した。四季をめぐる音楽の旅路のフィナーレにふさわしい、メロディック・ロック・ファン必聴の完成度を誇る名作である。
トラックリスト
- 1 Intro
- 2 The Family
- 3 A New Beginning
- 4 When Snow Was Magic
- 5 Waiting For The Sun
- 6 This Special Day
- 7 Signs
- 8 Home
- 9 The Big Parade