Led Zeppelin - Led Zeppelin II (1969)
Led Zeppelin 1969

Led Zeppelin - Led Zeppelin II (1969)

Rock Blues Rock Hard Rock

Led Zeppelin / Led Zeppelin II(1969, UK Atlantic 588 198)

Led Zeppelinの2作目にあたるLed Zeppelin IIは、バンドがデビュー作で一気に注目を集めた直後、その勢いをそのまま押し広げた作品だ。1969年の録音は英米ツアーの合間を縫って進められ、ロンドン、ロサンゼルス、メンフィス、ニューヨーク、バンクーバーと複数のスタジオを使って完成している。制作の中心はジミー・ペイジで、エディ・クレイマーがミックスを担当した。

このUK盤はAtlanticのオリジナル・リリースで、ライトブラウンのゲートフォールド・スリーブ仕様。印刷はE.J. Day & Co, London W11。ラベルの行間やレイアウト、書体が後発盤と異なる点も記録されている。ジャケットはデヴィッド・ジュニパーによるデザインで、第一次世界大戦時のドイツ戦闘機隊「ヤスタ11」の写真をもとに、メンバーの顔を差し替えた構成になっている。視覚面でも強い印象を残す一枚だ。

作品の輪郭

収録曲は、バンドの初期像を決定づけた楽曲が並ぶ。特に「Whole Lotta Love」は、このアルバムを語るうえで外せない代表曲で、1969年末から1970年にかけてシングルとしても広く知られた。Billboard Hot 100では4位を記録し、B面の「Living Loving Maid」もチャート入りしている。アルバム本編では、曲の中間部に入る展開がよく知られていて、ペイジとクレイマーがA&Rスタジオの小さな卓で細かく音を組み替えた結果として生まれたものだと伝えられている。

「Heartbreaker」「Ramble On」「Moby Dick」なども、この時期のLed Zeppelinらしさを濃く示す楽曲だ。ブルース由来のフレーズ、歪んだギター、リズムの押し出しが前面にあり、ハードロックの骨格をはっきり作っている。一方で、単なる力押しだけでなく、曲ごとにテンポや構成を変え、アルバム全体の流れに変化を持たせている点も目立つ。

ブルースとの関係

本作にはブルースやR&Bの影響が色濃い。収録曲の一部は既存曲との関係が後から問題になった経緯があり、「Whole Lotta Love」はウィリー・ディクスンの「You Need Love」に基づくものとして扱われ、「The Lemon Song」はハウリン・ウルフの「Killing Floor」を下敷きにしている。「Bring It On Home」はサニー・ボーイ・ウィリアムソンIIが歌ったウィリー・ディクスン作品のカバーだ。Led Zeppelinがブルースを自分たちの音に取り込みながら、より大きな音像へ押し広げていった過程が、ここではかなりはっきり出ている。

同時代のハードロックやブリティッシュ・ブルース・ロックと比べても、本作の音はかなり前に出ている。CreamやJeff Beck Groupの流れを受けつつ、リフの重さと録音の圧力をさらに強めた内容で、後年のヘヴィメタルの土台として参照されることも多い。実際、後続の多くのバンドがこのアルバムの音圧や構成感を手本にしたと語られてきた。

当時の評価とその後

発売当時の反応は一様ではなかった。ローリング・ストーン誌のジョン・メンデルソーンは、アルバム全体を「重い1曲を両面に引き延ばしたようだ」と批評している。ただ、その後の評価は大きく変わった。チャート面では米Billboard 200で1位を獲得し、ビートルズのAbbey Roadを押しのけたことでも知られる。全英でも1970年2月に1位となり、商業的にも存在感を示した。

RIAAでは1999年時点で1200万枚、12×プラチナ相当の認定を受けている。数字だけ見ても、Led Zeppelinの2作目が単なる成功作ではなく、バンドの名前を決定づけたアルバムだったことが分かる。デビュー作で築いた地盤を、より大きなスケールと強い推進力で更新した一枚として、今もLed Zeppelinの初期カタログの中心にある。

聴きどころ

  • 「Whole Lotta Love」のリフと中間部の展開
  • 「Ramble On」のメロディと緩急
  • 「Heartbreaker」のギターの切り込み方
  • 「Moby Dick」のドラム主導の構成
  • ブルース曲を土台にしながら、音の圧を一段上げた全体像

Led Zeppelin IIは、Led Zeppelinが「大きい音のロック」を確立していく途中の到達点として見やすい作品だ。ブルースの引用、録音の現場感、リフ中心の曲作り、そしてアルバム全体の推進力。いずれも1969年のロックの空気を強く帯びながら、次の時代へつながる要素をすでに含んでいる。

トラックリスト

  1. A1 Whole Lotta Love
  2. A2 What Is And What Should Never Be
  3. A3 The Lemon Song
  4. A4 Thank You
  5. B1 Heartbreaker
  6. B2 Livin' Lovin' Maid (She's A Woman)
  7. B3 Ramble On
  8. B4 Moby Dick
  9. B5 Bring It On Home

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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