Ago - For You (1982)
Ago『For You』
フィレンツェやバーリなどのクラブで1970年代から活動していたイタリアのDJ、Agoことアゴスティーノ・プレスタ(Agostino Presta)が、1982年にイタリアのFull Time Recordsから発表したデビュー・アルバム。同じくイタリア最初期のクラブDJの一人であるピノ・プレスタ(Pino Presta)の実弟でもある。
制作背景・エピソード
DJとして活動していたアゴは1981年からシンガー/プロデューサーとしての活動を開始し、先行12インチ・シングルとして発表された「You Make Me Do (It)」がイタリア国内やヨーロッパのクラブでヒットした。その反響を受けて制作されたのが本作『For You』である。
レコーディングは南イタリア・バーリのC&M Studiosで行われ、同スタジオを主宰するトミー・カヴァリエーリ(Tommy Cavalieri)が録音エンジニアを務め、モーリス・カヴァリエーリ(Maurice Cavalieri)とともにプロデュースを手がけた。
アルバム全7曲の作曲・編曲・指揮は、Rainbow TeamやElectric Mindなどのディスコ・プロジェクトを手がけていたキーボード奏者/プロデューサーのミケーレ・ヴィオランテ(Michele Violante)が担当した。ヴィオランテはMinimoogなどのアナログ・シンセサイザーとドラム・マシンに、スラップ・ベースやファンキーなギター・カッティングを組み合わせ、アメリカの最新ブギー/ファンクを意識したアレンジを施した。ボーカル・アレンジにはL. Kynshaが参加し、全曲が英語詞で歌われている。
時代の文脈
1980年代初頭のイタリアのダンス・ミュージック界は、Kano「I'm Ready」などを送り出したFull Time Recordsをはじめとするインディペンデント・レーベルが、米国のポスト・ディスコやブギー、エレクトロ・ファンクの要素を取り入れたサウンドを展開していた時期にあたる。本作もその流れの中で制作された一枚で、後年のユーロビート調のイタロ・ディスコとは異なる、ブラック・コンテンポラリーやファンクに根ざしたプロダクションが取られている。
後世への影響
先行シングルの「You Make Me Do (It)」や表題曲「For You」は、1980年代前半のヨーロッパ産ブギーの代表例として、2000年代以降のモダン・ファンクやディスコ・リバイバルの文脈(デイム・ファンクらによる選曲など)で再評価された。Full TimeからのオリジナルLPは、コレクターの間で取引されるアイテムとなっている。
トラックリスト
- A1 For You 5:50
- A2 Trying Over 5:10
- A3 It Will Never Be 5:45
- B1 Good Time 4:30
- B2 Stop Your Life 4:40
- B3 Let's Fun 4:15
- B4 You Make Me Do (It) 4:50