Cruisin' Gang - Chinatown (1984)
Cruisin' Gang 1984

Cruisin' Gang - Chinatown (1984)

Electronic Italo-Disco

Cruisin' Gang『Chinatown』について

Cruisin' Gangの『Chinatown』は、1984年にイタリアで登場したアルバムで、同じく1984年のCruisin' Records初のLPでもある。グループはLaura Fadinger、Sabrina Morroya、Ombretta Marsigliの3人の女性ボーカルを中心とするイタロ・ディスコ・プロジェクトで、制作の軸にいたのはレーベル主宰のEnnio TricomiことEnnio Manuelだ。モデナで立ち上がったCruisin' Recordsの看板名義として動いていたユニットで、この作品も同地のスタジオで録音されている。

作品の位置づけ

『Chinatown』は、Cruisin' Gangにとって最初のアルバムであり、Cruisin' RecordsにとってもLP第1弾という意味を持つ。シングル中心で動いていたイタロ・ディスコの現場に、アルバムというまとまった形で入ってきた一枚で、プロデュース、アレンジ、ミックスまでEnnio Tricomiが担当している。曲作りもレーベル内部の結びつきが強く、Melotti、Tricomi、Vallicelli、Trevisaniといった名前がクレジットに並ぶ。

収録曲の中でも中心に置かれるのがタイトル曲「China Town」だ。Laura Fadingerがリードを取るこの曲は、後年のダンス・ミュージック文脈でも参照されることになるフレーズを持ち、シングルとしても12インチと7インチで出ている。派手に広がるというより、反復するリズムとメロディーの押し出しで進むタイプの楽曲で、イタロ・ディスコらしい直線的な推進力がはっきりしている。

収録曲と聴きどころ

A2の「My Man」は、もともと1983年のデビューシングルB面にスローバージョンとして入っていた曲の新録版で、このアルバムでは「New Edition」として収録されている。曲名は同じでも、アルバム内では別の表情を持たせた扱いになっていて、単なるシングル曲の再掲では終わっていない。初期録音にはEnza KucicやIvana Spagnaも参加していたとされ、この周辺の制作体制の広さも見えてくる。

全体を通してみると、Cruisin' Gangの作品は、女性ボーカル3人の掛け合いと、いかにも80年代前半のイタリア産ダンス・サウンドらしい打ち込みの組み合わせが軸になる。曲ごとの役割分担がはっきりしていて、メロディーの輪郭も見失いにくい。派手な演奏よりも、ボーカルの配置と機械的なビートの整理で聴かせる作り。イタロ・ディスコの中でも、スタジオ主導の制作感が前に出る一枚だ。

同時代の文脈

1984年のイタロ・ディスコは、クラブ向けの12インチ文化と、アルバム志向の制作が並走していた時期でもある。Cruisin' Gangはその中で、プロデューサー主導のレーベル・プロジェクトとして動いていた点が特徴的だ。似た文脈では、同時代のイタリア産ダンス・プロジェクトに見られる、実演バンドというより制作チームとしての性格が強い。Cruisin' Records自体も、Cruisin' GangやMax-Himを主力に据えたレーベルとして機能していた。

なお、『Chinatown』の「China Town」は、のちにThree Drives (on a Vinyl)のトランス曲「Greece 2000」にサンプリングされ、別の時代のダンス・フロアでも知られることになる。原曲のメロディーが別ジャンルの定番曲に引き継がれた例として、このアルバムの存在感は後年まで残っている。

盤の仕様について

このイタリア盤は、同系統の別版と比べてスリーブに「distribuzione durium s.p.a. - milano」の表記がない仕様になっている。レーベルクレジットはCruisin' RecordsのCRNLP 801。収録曲の表記としては、A面B面の区分を持つ通常のLPで、Ala Bianca Publ.管理の曲が中心、ただし「My Man」だけはUniverso出版となっている。

まとめ

『Chinatown』は、Cruisin' Gangの出発点を示すアルバムであり、Cruisin' Recordsの初期カタログを象徴する作品でもある。3人の女性ボーカルを前面に出したイタロ・ディスコの設計、Ennio Tricomi主導の制作、そして「China Town」に残る後年へのつながり。1984年のイタリア産ダンス・ミュージックの現場を、かなり具体的に切り取った一枚として見えてくる。

トラックリスト

  1. A1 China Town
  2. A2 My Man (New Edition)
  3. A3 Be A Stranger
  4. A4 Making Love • Marking Time
  5. B1 One-Hit Parade
  6. B2 On The Beach Tonight
  7. B3 Glass House
  8. B4 Woman In Black

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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