Airlord - Clockwork Revenge (1977)
Airlord 1977

Airlord - Clockwork Revenge (1977)

Rock Prog Rock Symphonic Rock

Airlord『Clockwork Revenge』について

Airlordの『Clockwork Revenge』は、1977年に発表されたニュージーランド発のプログレッシブ・ロック作品で、バンド唯一のアルバムとして知られている。Wellingtonで1976年に結成されたAirlordは、翌年にオーストラリアへ活動の場を移し、この作品を残して1978年に解散した。録音当時の時代背景を踏まえると、70年代後半のシンフォニック・ロックがまだ各地で息づいていた時期の作品であり、南半球のロック史の中でもひとつの記録になっている。

この盤は1983年に日本でNexusからリリースされたもの。製造・販売はKing Recordsで、型番はK25P-411。オリジナルの1977年盤とは時代も市場も異なり、日本盤として紹介されることで、当時の国内プログレ/ハードロック系リスナーの手元に届いた形になる。Nexusは日本のプログレ、ハードロック系の再発や紹介で知られるレーベルで、この盤もその流れの中にある。

作品の輪郭

『Clockwork Revenge』は、全7曲で構成されたアルバム。曲数は少なめだが、各曲は比較的長めで、楽曲同士をつなぐナレーションも含めて、ひとつの物語として進んでいく作りになっている。こうした構成は、単なる楽曲集というより、アルバム全体を通して流れを聴かせるタイプの70年代プログレに近い。演奏面では、ツイン・ギターと鍵盤の絡みが軸になっていて、メロディの運びはかなり整っている。

ヴォーカルはPeter Gabrielを思わせると語られることがあり、歌の表情が前面に出る。派手な技巧を積み上げるというより、曲の推進力とメロディの流れを保ちながら展開していく印象が強い。ギターとキーボードの応酬も、過剰に長く引っ張るのではなく、場面ごとに役割を分けて組み立てられている。

当時の位置づけ

Airlordは、ニュージーランドでオリジナル曲を中心に活動したことで、当時の大きな観客層をつかみにくかったとされる。Wellingtonで活動を始め、生活の場を求めてオーストラリアへ渡った流れも含めて、商業的な成功より先に動いたバンドだった。『Clockwork Revenge』はその活動の集大成であり、バンドにとって唯一のアルバムという点でも重みがある。

リリース当時は広く注目された作品ではなかったが、後年になって南半球のプログレ作品として再評価が進んだ。特にGenesis系の流れを感じさせるシンフォニックな組み立てや、歌を軸にしたドラマ性のある進行が、プログレ・ファンの間で語られてきた。ニュージーランドやオーストラリアのロック史をたどるときに、Airlordは大きな名前ではないが、70年代の地域シーンを知るうえで外せない存在になっている。

収録曲と聴きどころ

アルバムは長尺曲を中心に進むため、1曲ごとの存在感がはっきりしている。展開の切り替え、ナレーションを挟んだ構成、鍵盤の厚み、ギターのフレーズの運びなど、各要素が順番に現れては次の場面へつながっていく。代表曲として単独で広く知られる曲名が前に出るタイプではなく、アルバム全体を通して聴くことで輪郭が見える作り。曲単位のインパクトより、通しでの流れに重心がある。

聴感上は、70年代中期の英国プログレからの影響を感じる場面がある一方で、南半球のバンドらしい素朴さも残る。音の密度は高いが、録音やアレンジは過度に磨き込まれていない。そのため、完成度の高いスタジオ・プログレというより、現場で鳴っていたバンドの手触りが残る作品として受け取れる。

1983年日本盤としての意味

1983年の日本盤は、1977年のオリジナルから6年後の再登場になる。70年代当時の空気をそのまま閉じ込めたオリジナル盤に対し、日本盤は後年の再評価の入口として機能した形だ。Nexusからのリリースという点でも、日本のプログレ愛好家に向けて整理された文脈の中で扱われている。盤としてはオリジナル時点の作品を、別の時代の耳で受け止めるための再提示という意味合いが強い。

『Clockwork Revenge』は、大ヒット作ではないし、バンドの活動期間も長くない。それでも、70年代後半のニュージーランド/オーストラリア圏で、英プログレの文法を自分たちなりに組み立てた記録として残っている。派手な伝説より、作品そのものの流れと演奏の組み立てが印象に残るアルバム。Airlordの名前を追うとき、まずここに行き着くのは自然なことだ。

トラックリスト

  1. A1 Clockwork Revenge 6:36
  2. A2 Pictures In A Puddle 4:01
  3. A3 Ladies Of The Night 9:43
  4. B1 Earthborn Pilgrim 4:54
  5. B2 Out Of The Woods 6:58
  6. B3 Is It Such A Dream 5:08
  7. B4 You Might Even Be 4:23

動画プレイリスト

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