Alphataurus - 2084: Viaggio Nel Nulla (2024)
Alphataurus 2024

Alphataurus - 2084: Viaggio Nel Nulla (2024)

Rock Prog Rock Symphonic Rock

Alphataurus『2084: Viaggio Nel Nulla』について

ミラノ出身のプログレッシブ・ロック・バンド、Alphataurusによる『2084: Viaggio Nel Nulla』は、2024年にリリースされたスタジオ作品だ。1970年代初頭のイタリアン・プログレ、いわゆるRPIの流れを強く引き継いできたバンドが、長い時間を経て現在形の作品としてまとめ上げた一枚でもある。重厚なキーボード、ハードなギター、静かなパートとの切り替え、長めの構成を持つ展開など、Alphataurusらしい要素が前面に出た内容として位置づけられている。

Alphataurusは1970年にミラノで結成され、1973年のデビュー作で高い評価を得たバンドとして知られている。Museo RosenbachやIl Balletto Di Bronzoと並べて語られることのある存在で、派手な知名度よりも、イタリアのプログレ愛好家の間で長く語られてきたタイプのグループだ。70年代のRPIに特有の、劇的な構成と鍵盤主体の厚みを持つ音作りは、この作品でも軸になっている。

作品の位置づけ

『2084: Viaggio Nel Nulla』は、2012年の『AttoSecondO』以来となる新作として受け止められている。バンドの歴史の中では、オリジナル期の遺産を再確認するだけでなく、再結成以降の活動を現在の作品へつなげる役割も持つアルバムだ。公式案内でも、Guido Wassermannにとって最後の仕事になったことが示されており、作品としての意味合いは大きい。完成後に彼が亡くなり、さらに初期ボーカルのMichele Bavaroも2024年に逝去しているため、オリジナル世代の記憶を背負った節目の記録という側面も見えてくる。

内容と聴きどころ

アルバム全体は、ディストピアやSF的な主題を持つコンセプト作として語られている。タイトルの「2084」や「Viaggio Nel Nulla」という語感からも、未来世界や空虚さ、移動、隔絶といったイメージが前提になっていることが分かる。実際、各レビューでは、単なる懐古ではなく、組曲的な流れの中で場面転換を重ねていく作りが指摘されている。

曲単位では「Wormhole」が特に注目されている。レビューでは、この曲が構成面でよく練られているとされ、アルバムの中でも印象が強い楽曲として扱われている。一方で、前半の「Pista 6」にはやや重量感が強く出ているという見方もある。こうした受け止めからは、単純に聴きやすさだけを狙った作品ではなく、演奏や展開そのものを追うタイプのアルバムであることがうかがえる。

実際に耳を通すと、鍵盤の存在感がかなり大きい。Alphataurusの持ち味である厚いオルガンやシンセの層が、ギターの硬さとぶつかる場面が多い。そこに、抑えた歌唱と劇的な盛り上がりが挟まることで、70年代イタリアン・プログレの文法が今の録音感で再構成されている印象になる。Museo RosenbachやIl Balletto Di Bronzoを連想するという評価も、このあたりの作りに由来しているように思える。

2024年盤としての特徴

今回のリリースはイタリア盤で、AMS Recordsから出ている。AMSはイタリアのプログレ再発や関連作に強いレーベルとして知られ、過去の遺産を丁寧に扱う姿勢で評価されている。盤としては、トリフォールド仕様のジャケットに4ページのカラー印刷インサートが付属し、リシーラブルのポリプロピレン・スリーブに入った形で流通している。ジャケット表記とラベル表記でカタログ番号の表記が異なる点も案内されている。

オリジナル盤との比較という意味では、1973年のデビュー作がバンドの核を示した作品だとすれば、『2084: Viaggio Nel Nulla』はその語法を保ちながら、2020年代の録音として再提示した位置づけになる。70年代RPIの空気をそのまま保存するのではなく、再結成以降の経験や長年の演奏感覚を通した現在形のアルバム、という見方がしっくりくる。

まとめ

『2084: Viaggio Nel Nulla』は、Alphataurusがミラノの70年代プログレの系譜を背負いながら、コンセプト性のある楽曲構成と鍵盤主体の厚みでまとめた2024年作だ。長いキャリアの中で見ると、初期の名作、未完の2作目の発掘、再結成後の活動を経て、その延長線上に置かれる一枚といえる。レビューでもおおむね好意的に受け止められており、特に構成の練度や「Wormhole」の存在感が話題になっている。RPIの文脈を今に引き寄せた作品として、静かに存在感を持つアルバムだ。

トラックリスト

  1. 1 Pista 6 8:56
  2. 2 Viaggio Nel Nulla 4:59
  3. 3 Flashback (Apocalisse) 5:50
  4. 4 Wormhole 10:15
  5. 5 Meta E Metà 6:36
  6. 6 E=mc² 5:05

動画

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