Black Sugar - Black Sugar (1971)
Black Sugar『Black Sugar』
1971年にペルーのSono Radioから出た、リマの9人組ラテン・ファンク/ロック・バンド、Black Sugarのデビュー作。バンドは1969年にVíctor “Coco” SalazarとMiguel “Chino” Figueroaが組んだLos Far-Fenを母体にしており、Sono Radioの芸術監督だったJaime Delgado Aparicioの判断でBlack Sugarへ改名し、本作の録音に入った。見開きゲートフォールド仕様でのリリースという点も含め、当時のレーベル側の力の入れ方がうかがえる1枚だ。
制作背景・エピソード
録音はリマのIndustrial Sono Radio S.A.、Studio Iで行われ、録音とミックスはP.M.I.名義でクレジットされている。参加メンバーとしては、ギターのVíctor “Coco” Salazar、キーボードのMiguel “Chino” Figueroa、ベースのRoberto Valdez、ドラムのJosé Luis “Arrocito” Cruz、トランペットのAntonio Ginocchio、アルトサックスのJorge Chávez、パーカッションのCoco LagosとMiguel Salazar、ボーカルのCarlos “Pacho” Mejíaが並ぶ。Coco Lagosがパーカッションで全面参加している点も、この作品の編成を語るうえで重要な要素になっている。
リリースノートには「Thanks to “Bolo” the Funky-Man.」の記載があり、B1にはD.R.表記もある。収録曲のひとつ「Too Late」は、ペルー国内でヒットしただけでなく、米国マイアミのラジオ局でもオンエアされ、チャートインしたとされる。
時代の文脈
この作品は、1960年代末から1970年代初頭のペルーで、サイケデリック・ロック、クンビア、ガレージ・ロックが交わっていた時期の流れの中に置かれている。Black Sugarは、サンタナやタワー・オブ・パワー、Blood, Sweat & Tearsといった米国のラテン・ロック/ブラス・ロックの動きに触れながらも、全編英語詞のファンク/ソウル路線を打ち出したグループとして紹介されている。Black Sugar名義のデビュー作は、その最初のまとまった記録として位置づけられる。
バンドはその後、1974年に『Black Sugar II』を発表し、1978年には「Muevete, Muevete / La Camita 78」が最後のシングルとして出ている。2011年には、デビュー40周年を記念したコンサート企画も発表された。
後世への影響
オリジナルLPは、長くレアグルーヴ/ラテン・ファンクのコレクターの間で高く扱われてきた。2000年代以降は、スペインのVampisoulや米Lazarus Audio Productsによる正規復刻が進み、ペルー産ラテン・ファンクの初期作として改めて広く流通するようになった。こうした再発の動きによって、Black Sugarのデビュー作は、ペルーのラテン・ファンク史を語るうえで名前の挙がる作品として定着している。
曲単位では、「Too Late」がこのアルバムを代表する1曲として語られることが多い。ほかに「Viajecito」や「Funky Man」も、紹介文では聴きどころとして挙げられている。
トラックリスト
- A1 Too Late 3:00
- A2 Viajecito 5:42
- A3 The Looser 4:10
- A4 This Time 4:21
- A5 Funky Man 2:03
- B1 Understanding 5:06
- B2 When You're Walking 4:53
- B3 When I Needed Someone 2:42
- B4 Pussy Cat 4:54