Roy Ayers - Let's Do It (1978)
Roy Ayers『Let's Do It』
1978年にPolydorから出たロイ・エアーズのソロ・アルバム『Let's Do It』。ジャズ・ヴィブラフォン奏者として出発し、70年代半ばにRoy Ayers Ubiquityで『Everybody Loves the Sunshine』や「Running Away」を大ヒットさせた時期の作品で、洗練されたディスコと骨太なジャズ・ファンクを融合させた充実の1枚である。USオリジナル盤はPolydorのPD-1-6126で、録音にはSigma Sound Studios、Electric Lady Studios、Record Plantなど東西の名門スタジオが名を連ねる。
制作背景・エピソード
本作には、盟友エドウィン・バードソング(Edwin Birdsong)との共作によるキラー・ファンク「Freaky Deaky」が収録されている。粘り強いベースラインとキャッチーなフックを持つディスコ・チューンで、シングルとしても全米R&Bチャート29位のヒットを記録した。また「Sweet Tears」は、エアーズ自身の1972年作『He's Coming』に収録されていた名曲を、よりタイトでグルーヴィーなダンス・トラックへと見事に再構築したものである。
アルバムの中盤には、8分に及ぶコズミック・ファンクの大曲「When Is Real Real?」を配置。スペイシーなシンセサイザーと流麗なヴィブラフォン・ソロが重なり合い、エアーズのジャズ・ミュージシャンとしての高い即興性と構築美が存分に発揮されている。
時代の文脈
1978年は、ディスコ・ブームが世界的なピークを迎える一方で、ジャズやソウルの名手たちがダンス・ミュージックの洗練を極めていた時代だ。本作はその最前線に位置し、オープニングのタイトル曲「Let's Do It」の祝祭感、「Melody Maker」の甘美なソウル・フィーリング、そして「Freaky Deaky」のファンクネスまで、フロア向けの躍動感と極上のリスニング体験を同居させている。
全米アルバム・チャート(Billboard 200)で33位、R&Bアルバム・チャートで15位を記録し、ジャズとディスコの架け橋となったロイ・エアーズの人気を決定づけた。
後世への影響
本作のハイライトである「Sweet Tears」は、ニューヨークの伝説的クラブ「Paradise Garage」のラリー・レヴァンや「The Loft」のデヴィッド・マンキューソ、そしてシカゴ・ハウスの父フランキー・ナックルズらにヘヴィ・プレイされ、不滅のガラージ/ロフト・クラシックとしてダンス・ミュージック史に刻まれた。
さらに1997年、ハウス界の巨頭マスターズ・アット・ワークによるプロジェクト「Nuyorican Soul」が「Sweet Tears」をカヴァー(ロイ・エアーズ本人もヴィブラフォンで参加)。原曲の持つスピリチュアルな高揚感は90年代ハウス/クラブ・カルチャーへとダイレクトに受け継がれた。時代を超えてフロアを魅了し続ける名盤である。
トラックリスト
- A1 Let's Do It 5:33
- A2 Melody Maker 4:59
- A3 When Is Real Real? 8:04
- B1 Sweet Tears 6:27
- B2 You Came Into My Life 4:06
- B3 Freaky Deaky 5:30
- B4 Kiss 4:22
動画プレイリスト
このアーティストについて
Roy Ayersは、1940年9月10日にロサンゼルスで生まれたヴィブラフォン奏者、作曲家、プロデューサーだ。2025年3月4日にニューヨークで84歳で亡くなった...
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