Diana Ross - Touch Me In The Morning (1973)
Diana Ross『Touch Me In The Morning』
1973年6月22日にモータウンからリリースされた、ダイアナ・ロスの通算4作目となるソロ・スタジオ・アルバム。前年の主演映画『ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実(Lady Sings the Blues)』での大成功を経て制作され、全米1位を記録したタイトル曲「Touch Me In The Morning」を軸に、ソロ歌手としての地位を不動のものにした代表作である。オリジナル盤はマット仕上げのジャケットで発売された。
制作背景と未発表アルバム『To the Baby』
本作の母体は、元々ダイアナが長女の誕生を祝して母性と子どもたちをテーマに進めていた未発表アルバム『To the Baby』だった。モータウン社長ベリー・ゴーディがより強力なポップ・ヒットを求めたことで方針を転換し、マイケル・マッサーとロン・ミラーが書き下ろした表題曲「Touch Me In The Morning」を軸に再構成された。この曲の大ヒットによってマイケル・マッサーはソングライターとしてブレイクを果たし、後にホイットニー・ヒューストンらの名バラードを手がける名匠へと飛翔することになる。
収録曲の中では、ジョン・レノンの「Imagine」のカバーや、オスカー・ブラウン・ジュニア作「Brown Baby」とマーヴィン・ゲイの『What's Going On』収録曲をつないだ大作「Medley: Brown Baby / Save The Children」が重要な位置を占める。特にこのメドレーでは、ダイアナ・ロスが自身のキャリアで初めてレコード・プロデューサーとして正式にクレジットされた。
時代の文脈
1970年代初頭は、モータウンがデトロイトからロサンゼルスへ本拠地を移転した激動期にあたる。シュープリームス脱退後にソロへ転じたダイアナ・ロスが、映画界での大成功を経て、従来のモータウン・ポップの枠組みを超えた洗練されたアダルト・コンテンポラリー/ポップ・シンガーとしての揺るぎない女王の座を確立した転換点となった。
チャート面では、シングル「Touch Me In The Morning」が米Billboard Hot 100で1位(ソロとして「Ain't No Mountain High Enough」に続く2作目の首位)、Adult Contemporaryチャートでも1位、全英シングルチャートで9位を記録。アルバムもBillboard 200で5位、Top Soul Albumsで1位、全英アルバムチャートで7位を記録する世界的大ヒットとなった。
サウンドと後世への影響
サウンド面では、流麗でドラマティックなストリングスとピアノの調べに乗せて、ダイアナ・ロスが情感豊かで繊細、かつ凛としたボーカルを聴かせる表題曲が出色の完成度を誇る。ポール・ウィリアムズ作の「I Won't Last A Day Without You」やジャズ・スタンダード「Little Girl Blue」、社会へのメッセージを込めたメドレーまで、映画出演を経て培われたシアトリカルな深みと包容力に満ちた歌声が高く評価されている。
表題曲が1970年代を代表するポップ・ソウル・バラードとして定着しただけでなく、母となったダイアナの視点が注がれた「Brown Baby / Save The Children」メドレーは、彼女の音楽的自立とプロデューサーとしての歩みを象徴する記念碑的テイクとして今なお語り継がれている。
トラックリスト
- A1 Touch Me In The Morning 3:15
- A2 All Of My Life 3:38
- A3 We Need You 3:43
- A4 Leave A Little Room 3:32
- A5 I Won't Last A Day Without You 3:48
- B1 Little Girl Blue 3:58
- B2 My Baby (My Baby My Own) 2:45
- B3 Imagine 3:02
- Medley: Brown Baby / Save The Children 8:16
動画プレイリスト
このアーティストについて
Diana Rossは、アメリカ・ミシガン州デトロイト生まれの歌手、女優、プロデューサーだ。1944年3月26日生まれで、音楽活動ではまずグループで頭角を現...
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