Far East Family Band - Parallel World (1976)
Far East Family Band 1976

Far East Family Band - Parallel World (1976)

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Far East Family Band『Parallel World』について

『Parallel World』は、1976年に日本でリリースされたFar East Family Bandの作品で、同バンドのディスコグラフィーの中でも特に語られることの多い一枚だ。Far East Family Bandは、1970年代日本のプログレッシブ・ロック/スペース・ロックを代表する存在のひとつで、のちにニューエイジ方面で知られることになるMasanori Takahashi(喜多郎)を含む編成でも知られている。

この時期のFar East Family Bandは、日本のロックの中でもかなり早い段階でプログレ的な発想を前面に出していたグループで、単に長尺であるだけでなく、シンセサイザーやパーカッションを軸にした構成が目立つ。『Parallel World』もその流れの中にあり、バンドの個性がもっとも強く出た作品のひとつとして扱われている。

録音と制作の背景

本作は1975年11月15日から12月5日にかけて、英国オックスフォード近郊のManor Studioで録音された。制作にはKlaus Schulzeが深く関わっており、プロデューサー兼ミキサーとして参加している点が大きい。Far East Family Bandの作品の中でも、この関与はかなり重要な要素として見られている。

当時の日本のバンドが、英国のスタジオでドイツ系クラウトロックの重要人物と組んで作品を作るという流れ自体が興味深い。ここには、日本のプログレが単独で発展したというより、欧州の実験的ロックと接続しながら独自の形を作っていった様子が見える。実際、後年の解説でも、Tangerine Dream、初期Pink Floyd、Klaus Schulze、Ash Ra Tempelといった名前が並べて語られることが多い。

内容の特徴

『Parallel World』の大きな特徴は、長尺の楽曲を中心に据えた構成にある。ヴォーカルやギターが前へ出るというより、シンセサイザー、打楽器、間の取り方が作品全体を支えている。音の流れは細かく切り替わるというより、一定のモチーフを保ちながら少しずつ展開していくタイプで、スペース・ロックらしい持続感がある。

聴き進めると、コーラス的なシンセの重なりや、手数の多いパーカッション、空間を広く使うキーボードの響きが印象に残る。ロックのバンド演奏というより、ひとつの長い音響作品に近い場面もあり、1970年代中盤のプログレが持っていた実験性がはっきり出ている。Arthur Magazineの再発紹介でも、こうした打楽器の多さやキーボードのうねり、静けさを生かした展開が強調されていた。

Far East Family Bandの中での位置づけ

Far East Family Bandは、1970年代日本のプログレを語るうえで早い段階から名前が挙がるグループだが、『Parallel World』はその中でも特に完成度の高い作品として受け止められている。喜多郎在籍期の代表作として紹介されることも多く、のちの彼の活動を知っていると、この時期の演奏や音作りとのつながりも見えてくる。

バンドの初期から続く精神性を保ちながら、英国録音とKlaus Schulzeの参加によって、より欧州的なスペース・ロックの感触が強まった作品とも言える。日本のバンドでありながら、当時のドイツ系クラウトロックと自然に並べて語られるのは、このアルバムの個性をよく示している。

同時代との関係

同時代の文脈で見ると、『Parallel World』は、Tangerine DreamやAsh Ra Tempelのようなシンセ主導の展開、初期Pink Floydの宇宙的な感覚、そして日本的な旋律感や構成意識が交差する地点にある。単純に欧米の模倣として片づけるより、異なる要素を組み合わせながら、自分たちの形式に落とし込んだ作品として捉えられている。

また、商業的な大ヒット作として語られるより、後年の再評価によって重要盤として位置づけられたタイプの作品でもある。そうした流れも含めて、1970年代日本プログレの広がりを知るうえで外せない一枚になっている。

まとめ

『Parallel World』は、Far East Family Bandの中でも、スペース・ロックとプログレッシブ・ロックの要素が最も強くまとまった作品のひとつだ。1975年末の英国録音、Klaus Schulzeの参加、長尺中心の構成という条件がそろい、当時の日本ロックの枠を越えて紹介される理由もはっきりしている。派手な歌モノというより、音の流れそのものを追うタイプのアルバムとして、1970年代プログレの一断面をよく示す内容である。

トラックリスト

  1. A1 Metempsychosis
  2. A2 Entering/Times
  3. A3 Kokoro
  4. Parallel World

動画

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