Gino Vannelli - Brother To Brother (1978)
Gino Vannelli 1978

Gino Vannelli - Brother To Brother (1978)

Electronic Rock Jazz Funk / Soul Fusion Classic Rock

Gino Vannelli『Brother To Brother』

カナダ・モントリオール出身のシンガー・ソングライター、ジノ・ヴァネリ(Gino Vannelli)が1978年にA&M Recordsから発表した通算6作目のスタジオ・アルバム。A&M在籍時の最終作であり、彼のキャリアにおける最大の商業的成功と芸術的頂点を記録したAOR/ジャズ・フュージョン/ブルーアイド・ソウルの金字塔である。

制作背景・エピソード

制作はジノ本人に加え、兄のジョー・ヴァネリ(Joe Vannelli)、弟のロス・ヴァネリ(Ross Vannelli)というヴァネリ3兄弟による共同プロデュース体制で進められた。ジョーはキーボードやシンセサイザーのプログラミングを手掛け、ロスは楽曲制作面で大きく貢献。特にロスが書き下ろした極上のメロウ・AORバラード「I Just Wanna Stop」は、アルバムの中核を成すキートラックとなった。

「I Just Wanna Stop」は本国カナダで1位、米ビルボードHot 100で4位を記録する特大ヒットを記録し、第21回グラミー賞の最優秀男性ポップ・ヴォーカル賞にノミネート。アルバム自体も全米13位、カナダ3位を記録してプラチナ・ディスクを獲得した。さらに1979年のジュノー賞では、ジノが最優秀男性ヴォーカリスト賞、ヴァネリ兄弟が最優秀プロデューサー賞をダブル受賞するなど、名実ともに彼の代表作となった。

本作のもうひとつのハイライトが、7分を超えるプログレッシブな表題曲「Brother To Brother」である。ここでは名手カルロス・リオス(Carlos Rios)による伝説的な超絶ギターソロをはじめ、マーク・クレイニー(Mark Craney)の力強いドラムス、レオン・ゲア(León Gaer)のベース、ジョー・ヴァネリのシンセサイザーがスリリングなインタープレイを繰り広げ、圧倒的な技巧とドライブ感を提示している。ほかにも「Appaloosa」「Wheels Of Life」「The River Must Flow」など、緻密なアンサンブルとエモーショナルな歌唱が融合した楽曲が揃う。

時代の文脈と評価

1970年代後半の音楽シーンにおいて、洗練されたポップ・センスと高度なフュージョン・テクニックの融合はひとつの潮流を形成していたが、『Brother To Brother』はその中でも群を抜く完成度を誇る。キャッチーなAOR/ブルーアイド・ソウルの魅力と、妥協のないジャズ・ロック/プログレッシブ・サウンドが高次元で共存している点が、このアルバムの決定的な個性である。

シングルヒットで幅広いリスナーを惹きつけつつ、アルバム全体を通して聴かせる構成美と卓越した演奏力を誇る本作は、1970年代クロスオーバー・ミュージックの最高峰として現在も多くのミュージシャンやリスナーに敬愛され続けている。

トラックリスト

  1. A1 Appaloosa 4:44
  2. A2 The River Must Flow 3:48
  3. A3 I Just Wanna Stop 3:37
  4. A4 Love & Emotion 3:49
  5. A5 Feel Like Flying 5:17
  6. B1 Brother To Brother 7:16
  7. B2 Wheels Of Life 4:14
  8. B3 The Evil Eye 4:14
  9. B4 People I Belong To 4:01

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Gino Vannelli

Gino Vannelli

Gino Vannelli(ジノ・ヴァネリ、1952年6月16日生まれ)は、カナダ・モントリオール出身のシンガー・ソングライター、コンポーザー。類まれな歌唱力と...

Gino Vannelli のプロフィール・作品一覧
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