Grupo Sintesis - En Busca De Una Nueva Flor (1978)
Grupo Sintesis 1978

Grupo Sintesis - En Busca De Una Nueva Flor (1978)

Rock Latin Symphonic Rock

Grupo Síntesis「En Busca De Una Nueva Flor」について

Grupo Síntesisの「En Busca De Una Nueva Flor」は、1978年に発表されたキューバの初期重要作で、同国のロック/プログレ史の中でもかなり特殊な位置を占めるアルバムだ。1979年にメキシコのDiscos NCLからLPとして出たこの盤は、いわゆるラテン・ロックの文脈だけでは収まりきらない内容で、シンフォニック・ロックを軸にしながら、ロック、ジャズ、キューバの伝統音楽を混ぜ込んだ初期Síntesisの姿がはっきり残っている。

Grupo Síntesisは1976年結成。キューバで最初期のプログレッシブ・ロック/シンフォニック・ロック・バンドとして始まり、その後はより広い意味でのフュージョンへと進んでいく。この作品は、その変化の出発点に近い時期の記録で、メンバーも9人編成。Carlos Alfonso、Ele Valdés、Lucia Huergo、Miguel Porcel、Esteban Puebla、Fidel Garcìa、Frank Padilla、Equis Alfonso、Raúl Pineda、Victor Navarrete、William Martínezといった顔ぶれが並ぶ。大人数ならではの厚みがあり、鍵盤、ギター、ベース、声が重なっていく構成が目立つ。

作品の背景

このアルバムは、キューバ国内のロック史だけでなく、当時の文化環境とも結びついた作品として扱われている。タイトル曲「En busca de una nueva flor」は1978年の第11回世界青年学生祭典の公式曲として使われたことが知られており、アルバム全体にもその時代の空気が反映されている。全曲の歌詞はSilvio Rodríguezが担当し、タイトル曲には本人も参加している。キューバのシンガー・ソングライター文脈と、ロック・バンドの演奏が交差する点が、この作品の大きな特徴になっている。

演奏面では、英ロック系の“交響的”な感触をキューバ流に置き換えようとした意図が見える。シンセサイザーやピアノが前に出る場面があり、そこにエレキギター、ベース、声が加わって、単純な歌物ロックではない、組曲的な流れを作っている。キューバ音楽のリズム感を下敷きにしつつも、演奏の組み立てはプログレッシブ・ロック寄りで、当時の英米ロックをそのままなぞるのではなく、別の土地で組み替えた印象が強い。

初期Síntesisの位置づけ

この時期のSíntesisは、後年のイメージとは少し違う。のちにこのグループはロック、ジャズ、キューバ音楽を横断する方向へ進むが、「En Busca De Una Nueva Flor」では、まずシンフォニック・ロックとしての輪郭がはっきりしている。キューバでこの方向性をまとまった形で提示した点が重要で、同時代のラテン・ロックの中でもかなり異色の存在だ。

比較の軸としては、英米のプログレ勢を思わせる部分がある一方で、演奏の語法はキューバの音楽文化に根を下ろしている。大きな構成を持つロック作品として聴けるだけでなく、キューバの作曲家、歌詞作者、演奏家たちが同じ作品の中で役割を分担している点も見逃せない。Silvio Rodríguezの参加も含めて、単なるバンド作品ではなく、当時の文化的な接点が集まった記録になっている。

音としての印象

実際に聴くと、音の密度は高いが、派手に押し切るタイプではない。曲は展開重視で、メロディが前に出る場面と、アンサンブルがじわじわ積み上がる場面が交互に来る。ギターが前面に出る部分もあれば、鍵盤が曲の骨格を作る部分もある。リズム隊はロックの推進力を保ちつつ、ラテンの感触を完全には消さない。こうした組み立てが、1970年代後半のプログレ作品としての手触りを残している。

一方で、後年の視点から見ると、演奏の技巧を前面に押し出すタイプではなく、作品としての輪郭や時代性のほうが先に立つ。そこがこの盤の面白さでもある。完成度の高さだけでなく、キューバでこの音を残したこと自体が重い。初期Síntesisの記録として、そしてラテン圏のシンフォニック・ロックの資料として、かなり重要な一枚だ。

1979年メキシコ盤について

今回の盤は1979年にメキシコで出たDiscos NCL盤で、オリジナルの1978年作をLPとして広く流通させたものになる。キューバ国外のレーベルから出たことで、当時の地域的な流通の様子も見えてくる。オリジナルと再発の細かな差異は盤ごとに確認が必要だが、少なくともこの1979年盤は、作品がキューバ国内だけで完結していなかったことを示す資料でもある。

「En Busca De Una Nueva Flor」は、Síntesisの初期を知るうえで外せない一枚だ。シンフォニック・ロックの形式を取りながら、キューバの言葉とリズム、当時の文化政策、そして若い世代の表現欲求がそのまま入っている。派手なヒット曲で押すアルバムではないが、タイトル曲を中心に、作品全体が1978年の空気を強く残している。

トラックリスト

  1. A1 Nueve Ejemplares
  2. A2 Ven A Encontrarnos
  3. A3 Primera Noche
  4. B1 Somos La Flor
  5. B2 Poema
  6. B3 En Busca De Una Nueva Flor

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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