The Flower Kings - Flower Power (A Journey To The Hidden Corners Of Your Mind) (1999)
The Flower Kings 1999

The Flower Kings - Flower Power (A Journey To The Hidden Corners Of Your Mind) (1999)

Rock Prog Rock Symphonic Rock

The Flower Kings『Flower Power (A Journey To The Hidden Corners Of Your Mind)』

スウェーデンのシンフォニック・プログレッシヴ・ロック・バンド、The Flower Kingsが1999年に発表した通算4作目のスタジオ・アルバム。2枚組CDで約140分という大作で、中心に置かれているのはディスク1をほぼ占める組曲「Garden of Dreams」だ。2022年にはInside Out Musicから、3枚組LP+2CDとして再発されている。今回の盤ではリマスタリングに加え、一部楽曲のリミックス、拡張アートワーク、新しいライナーノーツが施され、黒盤仕様のゲートフォールドでまとめられている。

制作背景・エピソード

この作品の核は「Garden of Dreams」。約60分、18のパートで構成される長大な組曲で、ロイネ・ストルトとトマス・ボディーンの綿密な共作として生まれた。バンドの楽曲の大半をロイネ・ストルトが単独で書くことが多い中で、この曲は共同作業による例外的な大作として位置づけられている。録音はスウェーデンのスタジオ「Cosmic Lodge」で行われ、ハッセ・フレベリのボーカル、ハイメ・サラザールのドラム、マイケル・ストルトのベースに加えて、ウルフ・ヴァランデルのソプラノ・サックス、ハッセ・ブルニウソンのパーカッションが色を添えた。

曲目の中には、わずか5秒で終わる「IKEA By Night」のような小品も含まれている。長大な組曲と極端に短い断片が同居している点も、このアルバムの構成上の特徴として挙げられる。2022年盤ではロイネ・ストルト監修のもとで最新リマスタリングと一部リミックスが行われ、未公開写真や本人による新規ライナーノーツも収録された。

時代の文脈

The Flower Kingsは、1990年代初頭のスウェーデンで起きたプログレッシヴ・ロックの再活性化の流れの中で登場したバンドで、1994年のロイネ・ストルトのソロ作『The Flower King』を母体に結成された。『Flower Power』は1999年の発表で、CD2枚組・約140分という大きなスケールを持つ作品として出された。パンク、グランジ、オルタナティヴ・ロックが主流だった時期に、長尺曲と技巧的な構成を前面に押し出したアルバムを提示した点が、この作品の時代的な位置づけになっている。

ロイネ・ストルトはこの時期、ニール・モーズ、マイク・ポートノイ、ピート・トレワヴァスらとトランスアトランティックの結成へ向かっていた。そうしたキャリアの流れの中で見ると、『Flower Power』は、後の活動につながる評価が高まる直前の充実した時期に作られたアルバムとして置くことができる。ディスク1の「Garden of Dreams」が作品の中心を占め、ディスク2では「Deaf, Numb & Blind」「Calling Home」「Psychedelic Postcard」「Corruption」などが並ぶ構成だ。

サウンドの特徴と聴きどころ

音楽的には、70年代のイエスやジェネシスを思わせる壮大なシンフォニック・ロックに、メロトロン、ハモンドオルガン、アナログ・シンセサイザーなどのヴィンテージ鍵盤、そしてロイネ・ストルト特有の伸びやかで叙情的なギターが重なり合う。ディスク1の「Garden of Dreams」では、静謐な夜明け(「Dawn」)から躍動的なジャズ・フュージョン展開、崇高なコーラス、ドラマティックなギターソロへと変幻自在に展開していく。一方、ディスク2では「Deaf, Numb & Blind」や「Calling Home」などの重厚な楽曲に加え、フランク・ザッパを思わせる変拍子やサイケデリックな実験精神を反映した「Psychedelic Postcard」など、バンドの多彩なアプローチが散りばめられている。

後世への影響

「Garden of Dreams」は、90年代以降のシンフォニック・プログレッシヴ・ロックの長編組曲の中でも高く語られてきた。イエスの『危機』やジェネシスの「Supper's Ready」と並べて言及されることもあり、20世紀末の長編プログレ作品として扱われている。Prog Archivesなどのプログレ・コミュニティでも、90年代を代表する傑作の一つとして高い評価を保っている。

2022年の再発では、初のアナログ化となる3枚組LPとして復刻され、オリジナル盤とは異なる形で作品全体を再提示した。長大な組曲を中心に据えたこのアルバムは、The Flower Kingsの代表作として、再発のたびに見直されてきた一枚になっている。

トラックリスト

  1. Garden Of Dreams - Part 1
  2. Garden Of Dreams - Part 2
  3. Garden Of Dreams - Part 3
  4. C2 Captain Capstan 0:45
  5. C3 IKEA By Night 0:05
  6. C4 Astral Dog (Remix) 8:00
  7. D1 Deaf, Numb And Blind 11:09
  8. D2 End Of The Century 1:57
  9. D3 Stupid Girl 6:49
  10. E1 Corruption 5:55
  11. E2 Power Of Kindness 4:25
  12. E3 Psychedelic Postcard 9:50
  13. F1 Magic Pie 8:19
  14. F2 Painter 6:45
  15. F3 Calling Home 11:00
  16. Garden Of Dreams
  17. CD1-2 Captain Capstan 0:45
  18. CD1-3 IKEA By Night 0:05
  19. CD1-4 Astral Dog (Remix) 8:00
  20. CD2-1 Deaf, Numb And Blind 11:09
  21. CD2-2 Stupid Girl 6:49
  22. CD2-3 Corruption 5:55
  23. CD2-4 Power Of Kindness 4:25
  24. CD2-5 Psychedelic Postcard 9:50
  25. CD2-6 Hudson River Sirens Call 1998 4:20
  26. CD2-7 Magic Pie 8:19
  27. CD2-8 Painter 6:45
  28. CD2-9 Calling Home 11:00
  29. CD2-10 Afterlife 4:34

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

The Flower Kings

The Flower Kings

The Flower Kingsは、スウェーデン出身のプログレッシヴ・ロック・バンドだ。中心人物はギタリスト/ヴォーカリストのロイネ・ストルトで、1993年に彼...

The Flower Kings のプロフィール・作品一覧

The Flower Kings の他のレビュー

Share
戻る

あわせて聴きたい "Prog Rock"

toast