The Whole Darn Family - Has Arrived (1976)
The Whole Darn Family 1976

The Whole Darn Family - Has Arrived (1976)

Funk / Soul Funk Soul

The Whole Darn Family『Has Arrived』

1976年にSoul International Recordsから出たThe Whole Darn Familyの『Has Arrived』は、バージニア州リッチモンドの7人組ファンク・バンドによるアルバム。黒人4人と白人3人の混成で、Tyrone “Little Tommy” Thomasを中心に、Woudy Hughes、Tommy Bryant、Clifton Smith、Odis Hamlin、Joel Smither、Girard “Giz” Boweが関わったグループだ。マネジメントとプロデュースを担ったのは、リッチモンドのサウスサイド地区でSoul Internationalを運営していたAugust Moon(Alexander Randolph、Mr. Wiggles)だった。Hughesによれば、Moonはメンバーに給料を払い、良いホテルに泊めていたという。一方でMoonはThomasとバンドに、後に後悔することになる契約を結ばせてもいた。

制作背景・エピソード

このアルバムはアトランタのSound Pitで、数日間の深夜セッションのあいだに録音された。地元ミュージシャンも加わり、エンジニアのMilan Bogdanはメンバーから辛抱強い仕事ぶりを評価されている。収録は全8曲、約33分。発売はSoul Internationalから、配給はニューヨーク州バッファローのAmherst Recordsが担った。全曲の作者としてMoonとThomasの名前がクレジットされているが、メンバーはそこに不満を抱いていたという。

中でも「Seven Minutes of Funk」は、もともと「Funk Jam in C」という題で、Thomasがオハイオ・プレイヤーズの「Skin Tight」のような曲を求めたことから始まった。最初のリハーサルは、リッチモンドの23番通りとW通りの角にあった家のリビングで行われたとされる。Smitherは「誰もこの曲を書いていない」と回想している。曲が6分50秒あったため、Moonがスタジオで現在の題を付けた。核になっているのはHughesのベースラインで、改造したMu-Tronペダルによるワウの効いた音が特徴とされる。一方でThomasは、このリフは自分が作り、Clifton Smithに教えたと主張している。

バンドの最初の仕事は、Swamp Dogg(Jerry Williams)の手配で歌手Charlie Whiteheadのバックを務めることだった。Smitherは当時のライブを『アニマル・ハウス』のようだったと振り返っている。さらにHughesは、James Brownの前座を務めた際に「後ろからジェームス・ブラウンが出てくるんだから、タイトにやらなきゃ」と語っている。

時代の文脈

先行シングル「Ain't Nothing But Something to Do」はすぐに埋もれたが、その後ニューヨークのDJたちが「Seven Minutes of Funk」をかけ始め、12インチのディスコ・ミックスが作られる流れにつながった。1978年には「Tyrone Thomas and the Whole Darn Family」名義の再発盤も出ており、こちらはジャケットに新しいメンバー写真が使われ、「Seven Minutes of Funk」にはコンガが重ねられていた。MoonはAmherstの同意を得ず、ロサンゼルスのマーヴィン・ゲイのスタジオでリミックスを行ったとされる。

後世への影響

「Seven Minutes of Funk」のベースラインは、ヒップホップで繰り返し使われた。Grandmaster Flash and the Furious Fiveの「Superappin'」(1979年)、EPMDの「It's My Thing」(1987年)をはじめ、Jay-Z、Public Enemy、Wu-Tang Clan、Coolio、Redman、Gravediggaz、Tha Alkaholiks、Faith Evans、Jodeciらの曲に使われ、Richmond誌の時点で34曲にのぼるとされる。Hughesは、最初に自分のベースがサンプリングされているのを聴いたのはラジオで流れたEPMDの曲だったと話し、これで金が入ると思ったという。

ただしサンプリングの収益の多くはAmherstとMoonに流れた。MoonがEPMDに無断で使用を許諾したとして、AmherstとHarlem MusicはMoonを訴え、Jay-Zの「Ain't No Nigga」をめぐってJay-ZとRoc-A-Fellaも訴えた。Moonも逆にJay-Zらを訴え、現在MoonとThomasはJay-Zの最初のヒット曲の共作者として名を連ねている。Thomasは2002年まで印税を一度も受け取らなかったと述べている。Hughesはその後30年間、フィリップ・モリスの工場で夜勤として働き、Odis Hamlinは1993年に亡くなった。

トラックリスト

  1. A1 You Know That You Lied 3:07
  2. A2 Fly Away Love Bird 3:07
  3. A3 Leave Me Alone 3:13
  4. A4 Seven Minutes Of Funk 7:00
  5. B1 Ain't Nothing But Something To Do 5:41
  6. B2 New Yorkin 3:41
  7. B3 I'm Hurt 3:47
  8. B4 Stuck On Yourself 3:30

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

The Whole Darn Family

The Whole Darn Family

The Whole Darn Familyは、アメリカ・バージニア州リッチモンドで結成されたファンク/ソウル・バンドだ。1970年代後半に活動を広げ、黒人4人と白人3...

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