Hozier - Unreal Unearth (2023)
Hozier 2023

Hozier - Unreal Unearth (2023)

Funk / Soul

Hozier『Unreal Unearth』

アイルランドのシンガーソングライター、ホージアによる3作目のアルバムが『Unreal Unearth』。2023年8月18日にIsland Recordsからリリースされ、本国アイルランド・チャートに加え、自身初となる全英アルバムチャート1位、米ビルボード200で3位を記録した。前作『Wasteland, Baby!』から約4年を経て発表された作品で、ホージアのキャリアでは大きな節目にあたる1枚。

制作背景・エピソード

このアルバムの骨子になったのは、2020年のロックダウン中に、母国アイルランド・ウィックローの自宅スタジオでダンテ・アリギエーリの『神曲』地獄篇(インフェルノ)を読み進めた経験だった。暗闇の中を進む地獄巡りの構造を、パンデミック下の混迷と重ね合わせ、愛、喪失、贖罪、そして過酷な時間をくぐり抜けて光へ至る流れをアルバム全体の枠組みとして組み立てている。

制作では、それまでの単独中心の作業から方針を変え、Bekon、Jennifer Decilveo、Jeff “Gitty” Gitelmanら複数のプロデューサーと協働した。ケンドリック・ラマーを手がけたBekonを含む制作陣とのセッションは、本作のサウンドにダイナミックな広がりをもたらした。さらに、ホージア自身の文化的ルーツであるゲール語を初めて本格的に導入。「De Selby (Part 1)」では、フラン・オブライエンの小説『第三の警官』に登場する架空の科学者をモチーフにしつつ、ゲール語の詩を歌っている。「Butchered Tongue」では、植民地支配によって奪われた母国語への哀悼が刻まれ、「Francesca」は『神曲』地獄篇第2圏に堕ちたフランチェスカ・ダ・リミニの物語を題材にしている。

楽曲の連なりも特徴的で、「De Selby」から「Francesca」、「Unknown / Nth」、そして「First Light」へと進む構成は、組曲のように扱われている。ブランディ・カーライルを客演に迎えた「Damage Gets Done」も収録され、参加者の顔ぶれも広がった。

時代の文脈

2014年の「Take Me to Church」、そして全米1位を記録した『Wasteland, Baby!』を経て、ホージアは2020年代初頭の分断と停滞の中でこの作品を完成させた。内省を深めた内容でありながら、制作面ではヒップホップ、R&B、ポップスの現場で動いてきたプロデューサーたちとの共同作業を取り入れている。孤高のフォーク/ブルースの作り手として知られてきたホージアにとって、ここでの協働は新境地を切り拓く大きな契機となった。

サウンド面では、ゴスペル、フォーク、ブルースを軸に、ソウル、サイケデリック・ロック、オーケストラの要素を大胆に取り入れている。英ガーディアン紙は「Unknown/Nth」や「First Light」の美しさを高く評価し、米ローリング・ストーン誌は2023年の年間ベスト・アルバムの1枚に選出した。重厚な文学的テーマと多彩なプロダクションが結実した、ホージアのディスコグラフィの中でも屈指のスケールを誇る作品である。

盤について

このヨーロッパ盤は、ゲートフォールド・スリーブ仕様で、歌詞とクレジットを載せたプリント・インナー・スリーブ、12x12インチのインサート付き。シュリンク裏のステッカーには「MADE IN GERMANY」の表記がある。さらに、Assai Recordsでは200枚限定で、手書き番号入りの日本風帯を付けたAssai Obi Editionsとして販売された。ランアウトは「JWM」だけが手書きで、それ以外はスタンプによる刻印となっている。

トラックリスト

  1. Descent
  2. A1 De Selby (Part 1) 3:39
  3. A2 De Selby (Part 2) 3:47
  4. First
  5. A3 First Time 3:53
  6. Second
  7. A4 Francesca 4:30
  8. A5 I, Carrion (Icarian) 3:16
  9. Third
  10. B1 Eat Your Young 4:03
  11. Fourth
  12. B2 Damage Gets Done 4:28
  13. Fifth
  14. B3 Who We Are 4:05
  15. Sixth
  16. C1 Son Of Nyx 3:19
  17. C2 All Things End 3:36
  18. Seventh
  19. C3 To Someone From A Warm Climate (Uiscefhuaraithe) 4:00
  20. C4 Butchered Tongue 2:29
  21. Eighth
  22. D1 Anything But 3:45
  23. D2 Abstract (Psychopomp) 4:04
  24. Ninth
  25. D3 Unknown / Nth 4:40
  26. Ascent
  27. D4 First Light 4:52

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Hozier

Hozier

Hozierは、1990年3月17日生まれのアイルランド出身シンガーソングライター、アンドリュー・ホージア=バーンの名義だ。出身地はアイルランド・ウィッ...

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