Johnny Guitar Watson - A Real Mother For Ya (1977)
Johnny Guitar Watson『A Real Mother For Ya』
ジョニー・“ギター”・ワトソンが1977年にDJM Recordsから発表した『A Real Mother For Ya』は、前年の『Ain’t That a Bitch』に続くファンク期の代表作として知られるアルバム。ハリウッドのParamount Recording Studiosで録音され、作詞作曲、編曲、プロデュースまでワトソン自身が手がけた。ドラムとホーン・セクションを除く多くの楽器を本人が演奏しており、ギター、ベース、シンセサイザー、エレピなどを一人で積み重ねた制作だった。
制作背景・エピソード
この作品では、ワトソンがマルチ・インストゥルメンタル奏者として前面に出ている。ギターを中心に、ベースやシンセサイザーまで自分で担い、編曲とプロデュースもまとめている点が大きい。アルバム・タイトル曲「A Real Mother For Ya」はシングルとしても発表され、米ビルボードのR&Bシングル・チャートで最高5位を記録した。ジャケット写真では、金のロールスロイスを模したベビーカーに乗り、実母に押してもらうユーモラスなビジュアルが使われている。
収録曲では「Your Love Is My Love」でトークボックス/ボコーダーが導入され、「Tarzan」では遊びのある展開が取り入れられている。制作面では、ワトソンが自分の演奏と歌を軸に、当時の機材も使いながら作品を組み上げていったことがうかがえる。
時代の文脈
1970年代後半、ファンクが大きな存在感を持っていた時期の1枚でもある。ワトソンは1950年代からブルース/R&Bギタリストとして活動してきた人物で、このアルバムではテキサス・ブルース由来のギターとシンセサイザーを組み合わせたファンク路線をさらに押し進めた。前年作『Ain’t That a Bitch』の流れを受けつつ、よりタイトでソリッドな構成に寄せた作品として語られている。
同時代のブラック・ミュージックの中で、ワトソンは一人多重録音を駆使した制作で独自の立ち位置を作っていた。Pファンクやアース・ウィンド&ファイアーが大きな勢力を築くなかで、ワトソンは別の形のファンクを提示した存在として扱われている。アルバムはビルボードのソウル・アルバム・チャートでトップ5入りし、ゴールド・ディスクも獲得した。
後世への影響
1990年代以降、この作品は西海岸ヒップホップやGファンクの文脈で繰り返し参照された。ドクター・ドレー、スヌープ・ドッグ、レッドマン、アイス・キューブらに影響を与えたとされ、「A Real Mother For Ya」や「Nothing Left To Be Desired」は多くのビートメイカーにサンプリングや引用で使われている。
また、フランク・ザッパが長年ワトソンのギターを敬愛していたことも知られている。ワトソン本人の1956年の「Three Hours Past Midnight」が、後にカルロス・サンタナのギタリスト志望のきっかけになったというエピソードも残っている。『A Real Mother For Ya』は、ワトソンのファンク期を代表する作品として、後年のヒップホップやファンク周辺の制作にまでつながっていったアルバムだ。
トラックリスト
- A1 A Real Mother For Ya 5:00
- A2 Nothing Left To Be Desired 5:42
- A3 Your Love Is My Love 4:38
- A4 The Real Deal 5:53
- B1 Tarzan 4:58
- B2 I Wanna Thank You 6:05
- B3 Lover Jones 5:23
動画プレイリスト
このアーティストについて
Johnny Guitar Watson(ジョニー・ギター・ワトソン)は、1935年2月3日にテキサス州ヒューストンで生まれたギタリスト/シンガーだ。ブルースとファン...
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