Johnny Hammond - Gears (1975)
Johnny Hammond『Gears』
Johnny Hammondが1975年にMilestoneから発表した『Gears』は、前作『Gambler's Life』に続いてラリー&フォンス・マイゼル兄弟、いわゆるSky High Productionsを迎えた作品。録音は1975年7月にバークレーのFantasy Studiosで行われ、9月にHollywoodのSound Factoryでリミックスされた。クレジットには、プロデュースがSky High Productions, Inc.、ハーヴィー・メイソンはArista Records、ロジャー・グレンはPrestige Recordsの提供で参加したことも記されている。
制作背景とサウンド
本作では、ハモンドが長年のトレードマークであるオルガンに加え、フェンダー・ローズやARPシンセサイザーを大胆に導入。最強のリズム隊であるハーヴィー・メイソンのタイトなドラミングとチャック・レイニーのうねるベースが盤石のグルーヴを築き、ロジャー・グレンのフルート/ヴィブラフォン、ジェリー・ピータースのピアノ、クレイグ・マクマレンのギターが彩りを添えている。そこにマイゼル兄弟特有の浮遊感あるシンセサイザーと重層的なスキャット・コーラスが重なり、西海岸の爽快な風を感じさせる極上のサウンドスケープを生み出した。
時代の文脈
1950年代半ばからソウル・ジャズ界の名手Johnny “Hammond” Smithとして活躍し、1971年のKudu移籍時にSmithを外してJohnny Hammondと改名した彼が、1975年にMilestoneへ移籍して放った金字塔。1970年代半ばのジャズ・ファンク/フュージョン隆盛期において、マイゼル兄弟による洗練されたストリート感覚とダンス・ビートを取り入れた本作は、ジャズ・ミュージシャンによるクロスオーバーの最高到達点のひとつとなった。米ビルボードのトップ・ジャズ・アルバム・チャートでは31位を記録している。
後世への影響とダンス・フロアでの評価
1980年代後半以降のアシッド・ジャズ/レア・グルーヴ・ムーブメントにおいて絶対的なマスターピースとして神格化された。「Shifting Gears」はヒップホップ黎明期の伝説的ブレイクビーツ集『Ultimate Breaks and Beats』Vol.5に収録され、StetsasonicやDMXをはじめ無数のアーティストにサンプリングされている。また、躍動的なラテン・ファンク「Los Conquistadores Chocolatés」はデヴィッド・マンキューソ主宰の「The Loft」でクラシックとなり、ジャミロクワイのデビュー曲「When You Gonna Learn?」のインスピレーション源となるなど、クラブ・ミュージック史に決定的な足跡を残した。
補足
Milestone盤の一部には、裏ジャケットに「Promotional Record For Broadcast & Review Not For Sale」のステッカーが付いたものがある。スパインには「© Milestone Records 1975 Printed in U.S.A」とある。
トラックリスト
- A1 Tell Me What To Do 5:16
- A2 Los Conquistadores Chocolatés 5:56
- A3 Lost On 23rd Street 6:36
- B1 Fantasy 6:06
- B2 Shifting Gears 5:19
- B3 Can't We Smile 4:35
動画プレイリスト
このアーティストについて
ジョニー・ハモンド(Johnny Hammond、本名:John Robert Smith)は、ソウル・ジャズからジャズ・ファンク、フュージョンの領域を切り拓いたアメリカ...
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