Lonnie Liston Smith - Loveland (1978)
Lonnie Liston Smith『Loveland』
ファラオ・サンダースやマイルス・デイヴィスとの共演を経て、自身のグループ「コズミック・エコーズ(The Cosmic Echoes)」を率いてスピリチュアル・ジャズ/コズミック・ファンクの金字塔を打ち立てた鍵盤奏者、Lonnie Liston Smith(ロニー・リストン・スミス)。フライング・ダッチマン(Flying Dutchman)やRCA時代を経て、名門コロムビア(Columbia)へ移籍して1978年に発表した記念碑的第1弾アルバムが本作『Loveland』である。名アレンジャー/プロデューサーのバート・デコトー(Bert DeCoteaux)とロニー自身による共同プロデュースのもと、ニューヨークの名門メディアサウンド・スタジオ(Mediasound Studios)で録音された。
制作背景・参加ミュージシャン
本作の大きな聴きどころのひとつが、当時まだ十代(18〜19歳)だった若き天才ベーシスト、マーカス・ミラー(Marcus Miller)の参加だ。「Sunburst」「Floating Through Space」「Bright Moments」の3曲でベースを弾いており、のちにジャズ/フュージョン界のトッププロデューサー・名手として世界を席巻する彼の最初期の貴重なスタジオ記録となっている。
さらに、ロニーの実弟であるドナルド・スミス(Donald Smith)が温もりあふれるソウルフルな歌声とフルートで全面参加。デイヴィッド・ハバードのサックスやフルート、ロナルド・D・ミラーのギター、ローレンス・キリアンのパーカッションら手練れのミュージシャンたちが脇を固め、洗練されたアーバン・アンサンブルを構築している。
時代の文脈
1978年はジャズ・フュージョンが空前の円熟期を迎え、ディスコやクロスオーバー・ポップと融合して洗練を極めていた時代。初期の重厚で神秘的なコズミック・スピリチュアル路線から一歩前進し、メジャーのコロムビアらしい極上のハイファイ録音とリゾート感覚あふれるブリージーなメロウ・グルーヴを前面に押し出した本作は、同時代の洗練されたブラック・コンテンポラリーやAORの空気感を鮮やかに反映している。
サウンドと聴きどころ
ロニー・リストン・スミス最大の代名詞である、星屑のように煌めくフェンダー・ローズ(エレクトリック・ピアノ)の美音が全編で満開となっている。若きマーカス・ミラーの躍動的なベースラインとタイトな16ビートが心地よいオープニング曲「Sunburst」、ドナルド・スミスの包容力あるヴォーカルが胸を打つメロウ・ソウル「Journey Into Love」、宇宙的な浮遊感を醸し出すインスト「Floating Through Space」、6分超にわたり華麗なソロの応酬が展開する「Bright Moments」、そして清涼感あふれるタイトル曲「Loveland」まで、都会的な洗練とオーガニックな温もりが美しく調和した極上のジャズ・ファンクを堪能できる。
後世への影響と評価
発売当時、米ビルボードのジャズ・アルバム・チャートでトップ40入りを記録。ジャズ・ファンのみならずソウル/R&Bリスナーをも巻き込むクロスオーバー・ヒットとなった。
1990年代以降のアシッド・ジャズやレア・グルーヴ・ムーヴメント、さらにクラブ・ジャズやバレアリック・シーンにおいて絶大な再評価を獲得。爽快なフュージョン・ダンサーから夕暮れ時のメロウ・グルーヴまで、DJやヒップホップのビートメイカーたちのウォント・リストに常に挙げられる、ロニー・リストン・スミス屈指のメロウ・ジャズ・ファンク/フュージョン名盤として愛され続けている。
トラックリスト
- A1 Sunburst 4:08
- A2 Journey Into Love 5:10
- A3 Floating Through Space 4:35
- A4 Bright Moments 6:43
- B1 We Can Dream 5:00
- B2 Springtime Magic 4:18
- B3 Loveland 3:30
- B4 Explorations 6:27
動画プレイリスト
このアーティストについて
Lonnie Liston Smith(ロニー・リストン・スミス)は、1940年12月28日生まれ、アメリカ・バージニア州リッチモンド出身のジャズ・ピアニスト、キーボ...
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