Joni Haastrup - Wake Up Your Mind (1978)
Joni Haastrup『Wake Up Your Mind』
1978年にナイジェリアのAfrodisiaから発表された、Joni Haastrup唯一のソロ・アルバム。ヨルバ族の王族の血を引き、1966年にはオーランド・ジュリアスの名盤『Super Afro Soul』でヴォーカルを務め、のちに「ナイジェリアのソウル・ブラザー・ナンバー・ワン」と称された重要人物だ。1971年にはジンジャー・ベイカーのツアー・バンドに抜擢され、帰国後にアフロ・ロック/サイケ・ファンクの伝説的グループMonomonoを結成。本作は、そうした華々しいキャリアを経て制作されたソロ作である。
制作背景
本作ではHaastrup自身がプロデュース、作曲、アレンジを担当。リズム・トラックはナイジェリア・ラゴスのDecca Studiosで録音され、その後ロンドンのRegent Park Studiosなどでオーバーダブとミックスが行われた。参加メンバーには、リズム・ギターにJake Sollo(The Funkees)、アフリカン・パーカッションにGasper Lawal、そしてリード・ギターとエンジニアには後に名プロデューサーとして名を馳せるStephen Lipsonが名を連ねている。
時代の文脈
1970年代末のナイジェリアでは、フェラ・クティ率いるアフロビートが隆盛を極める一方で、欧米のディスコやファンクの熱気が強く流入していた。本作はその過渡期において、Monomono時代のサイケ・ファンクからさらに歩を進め、ロンドンの洗練されたスタジオ技術とディスコ/ブギーのグルーヴを大胆に融合させたアルバムである。リリース元のAfrodisiaはDecca West Africaの流れを汲む現地レーベルで、本作はDWAPS系列(カタログ番号DWAPS 2053)として世に出た。
サウンドと聴きどころ
重厚なアフロ・ファンク・グルーヴにスペーシーなシンセが交錯するオープナー「Free My People」をはじめ、躍動的なホーンとファンキーなベースが疾走する「Greetings」、タイトル曲「Wake Up Your Mind」、フロア直撃のアフロ・ディスコ「Watch Out」など、全編にわたってキラー・チューンが並ぶ。Haastrupの力強いソウルフル・ヴォーカルと、Stephen Lipsonの鋭利なギター、ラゴス産のリズム隊が融合したサウンドは、アフロビートとディスコ・ファンクの結晶と称されている。
後世の評価と再発
オリジナルLPは現存数が極めて少なく、アフロ・ファンク/コズミック・ディスコ屈指のメガレア盤としてコレクターの間で高値で取引されてきた。2011年にフランスのHot Casa Recordsから公式アナログ再発が実現したことで世界的な再評価が決定づけられ、現在では70年代西アフリカ産アフロ・レア・グルーヴの金字塔としてクラブDJや音楽愛好家から熱烈に支持されている。
トラックリスト
- A1 Free My People
- A2 Greetings
- A3 Wake Up Your Mind
- B1 Champions And Superstars
- B2 Do The "Funkro"
- B3 Watch Out