Commodores - Hot On The Tracks (1976)
Commodores『Hot on the Tracks』
コモドアーズが1976年にモータウンから発表した4作目のスタジオ・アルバム。前作『Movin' On』で「Sweet Love」が全米トップ5入りした流れを受けて制作され、ハリウッドのモータウン・レコーディング・スタジオで録音された。プロデュースは、長年の盟友ジェームス・アンソニー・カーマイケルとグループ自身の共同体制。エンジニアはカル・ハリスで、彼はシンセサイザー演奏でも参加している。
制作背景と楽曲の作り方
本作では、マネージャー兼エグゼクティブ・プロデューサーのベンジャミン・アシュバーンの後押しのもと、ライオネル・リッチー、トーマス・マクラリー、ミラン・ウィリアムズ、ロナルド・ラプレイド、ウィリアム・キング、ウォルター・オレンジの6人全員が楽曲制作に関わっている。各メンバーが持ち寄った曲で構成され、セルフコンテインド・バンドとしての形がはっきり出た1枚でもある。録音、ミックス、マスタリングはいずれもモータウン・レコーディング・スタジオで行われている。
収録曲の中では、「Just to Be Close to You」が大きな存在感を持つ。ライオネル・リッチーが語りかけるようなスポークン・ワードから歌に入る構成のバラードだ。「Fancy Dancer」はロナルド・ラプレイドのベースとホーン隊が前に出る曲として挙げられている。「Let's Get Started」はメンバー共作のオープニング曲で、当時のビルボード誌レビューでは「ラテン風味のクール&ザ・ギャング」と評された。
時代の文脈
1970年代半ば、ディスコ・ブームが広がる中で、コモドアーズはインスト・ファンク中心の初期作品から、歌ものとファンクを両立させる方向へ進んでいた。本作は、その流れの中で作られた作品として位置づけられている。1974年のデビュー作『Machine Gun』のような初期のファンク路線と、のちの「Easy」「Three Times a Lady」「Still」に続くメロウな路線のあいだに置かれるアルバムで、グループの変化が見える時期の作品でもある。
チャート面では、コモドアーズにとって初の全米Billboardソウル・アルバム・チャート1位を獲得し、Billboard 200でも12位まで上昇した。リード・シングル「Just to Be Close to You」はR&Bシングル・チャートで2週連続首位、Hot 100でも7位を記録。第2弾「Fancy Dancer」もR&Bチャート9位、Hot 100で39位となっている。
後世への影響
本作の収録曲は、その後のヒップホップやR&Bでサンプリングやカバーの対象になっている。「High on Sunshine」は、デ・ラ・ソウルがJ・ディラのプロデュースで発表した『Stakes Is High』収録曲「Sunshine」のメイン・ループとして使われ、ア・トライブ・コールド・クエストの楽曲でもサンプリングされた。「Girl, I Think the World About You」は、デ・ラ・ソウルの『3 Feet High and Rising』収録曲「Buddy」でサンプリングされている。また、「Just to Be Close to You」は1992年にR&Bシンガーのトレイ・ローレンツがマライア・キャリーの共同プロデュースでカバーした。
トラックリスト
- A1 Let's Get Started 3:55
- A2 Girl, I Think The World About You 4:33
- A3 High On Sunshine 4:25
- A4 Just To Be Close To You 6:23
- B1 Fancy Dancer 3:51
- B2 Come Inside 4:26
- B3 Thumpin' Music 3:26
- B4 Quick Draw 4:20
- B5 Can't Let You Tease Me 3:18
動画プレイリスト
このアーティストについて
Commodores(コモドアーズ)は、1968年にアラバマ州のタスキーギ大学(Tuskegee Institute)の学生たちによって結成されたアメリカのファンク/ソウル...
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