Moby Grape - Great Grape (1971)
Moby Grape『Great Grape』
Moby Grapeの『Great Grape』は、1971年にColumbiaから出た編集盤で、初期3作『Moby Grape』『Wow』『Moby Grape ’69』からの選曲を中心にまとめた1枚だ。タイトルの初出年にあたるこのリリースでは、バンドの初期カタログをあらためて並べ直す形になっている。US盤のColumbia、カタログ番号はC 31098。裏面には “Manufactured by Columbia Records/CBS, Inc. New York.” とあり、 “Printed in U.S.A.” の表記もある。ラベルには円形の紙が貼られている。
制作背景・エピソード
この作品そのものに新録はなく、内容は初期アルバムからの編集が中心。したがって、個別の制作エピソードというより、Moby Grapeの最初期の録音を再提示する役割が前面に出ている。初期作品では、プロデューサーのDavid Rubinsonがバンドの演奏力とソングライティングを、過度な装飾を避けた録音で捉えたとされる。メンバー5人全員が作曲と歌唱に関わり、デビュー作ではギターの絡みとハーモニーが核になっていた。
その意味で『Great Grape』は、そうしたバンドの基盤を、3作分の楽曲から改めて示す編集盤として置かれている。新しい楽曲や追加録音ではなく、既発曲の並びによって初期像を確認させる構成だ。
時代の文脈
Moby Grapeはサンフランシスコのサイケデリック・シーンに属しながら、長尺ジャムよりもソング志向で、フォーク、ブルース、カントリー、ロックンロールを混ぜた点が特徴とされている。『Great Grape』は、その初期の楽曲群を1971年時点であらためてまとめた編集盤で、バンドの初期カタログを再確認する役割を持つ。
AllMusicでは、Moby Grapeは同時代の代表格であるGrateful DeadやJefferson Airplaneよりも「見落とされがちだが卓越したバンド」と位置づけられている。こうした評価の文脈の中で見ると、『Great Grape』は、初期3作に散らばっていた楽曲をひとまとめにした記録として扱いやすい形にした盤でもある。1971年という時点で、バンドの初期像を整理して提示する動きだった。
後世への影響
この盤に直接結びつくカバーやサンプリングの具体例は確認されていないが、Moby Grape全体の再評価ははっきりしている。AllMusicはデビュー作をサンフランシスコ産ロックの中でも最上級のものとして扱い、時間がその評価を強めたとしている。『Great Grape』は、その初期の楽曲価値をまとめて見せる編集盤として機能した。
チャート実績については、この作品個別の主要な数字は見当たらない。とはいえ、初期3作からの選曲を通して、Moby Grapeの最初期の録音を一望できる編集盤として残っている。
トラックリスト
- A1 Omaha 2:22
- A2 Murder In My Heart For The Judge 2:57
- A3 Bitter Wind 3:04
- A4 It's A Beautiful Day Today 3:06
- A5 Changes 3:21
- B1 Motorcycle Irene 2:23
- B2 Trucking Man 2:00
- B3 Someday 2:39
- B4 8:05 2:19
- B5 Ooh Mama Ooh 2:25
- B6 Naked, If I Want To 0:55