Novela - Exciting Mini (Unreleased Takes and Limited Edition) (1984)
Novela『Exciting Mini (Unreleased Takes and Limited Edition)』について
1984年に日本でリリースされたNOVELAの12インチ・ミニアルバムが、この『Exciting Mini (Unreleased Takes and Limited Edition)』である。大阪で結成されたプログレッシブ・ロック・バンド、NOVELAは1979年の始動以降、ハードロックの骨格にプログレッシブ・ロックの構成感を重ねた作品で知られてきた。この盤もその流れの中にあり、メジャーな代表作というより、同時期のバンド活動を補う形で置かれた限定的なリリースとして見ていくのが自然だ。
レーベルはNexus。日本のプログレッシブ・ロックやハードロックを支えてきたキングレコード系のレーベルで、80年代の国産プログレ/ハードロックの文脈では重要な存在だ。NOVELAのようなバンドがこのレーベルから作品を出していたこと自体、当時の日本でプログレとハードロックが近い場所にあったことを示している。
作品の内容と性格
本作は未発表テイクを収めたミニアルバムで、付属物としてインサートとポスターが付く。クリア・ビニール仕様という点も含めて、通常のアルバムとは少し違う、コレクター向けの作りになっている。流通量の多い定番盤というより、当時のファンに向けた限定的なアイテムとして扱われてきた。
実際に聴くと、NOVELAらしい演奏の緊張感が先に立つ。ギターは細かいフレーズを積み重ね、キーボードは音の厚みを保ちながら曲の輪郭を押し出す。リズム隊も含めて、単に速く派手に進むだけではなく、展開の切り替えで曲を引っ張る作りが目立つ。80年代前半の日本のプログレ/ハードロックに多い、技巧を前面に出しながらも歌の流れを壊さないバランス感がある。派手な長尺構成に寄り切らず、ミニアルバムという形に合わせて要点をまとめた印象だ。
NOVELAの中での位置づけ
1984年のNOVELAは、活動の節目にあたる時期だった。バンド本体の作品だけでなく、周辺ではメンバー個々の動きや派生的な制作も進んでいたことが知られている。本作はその流れの中に置くと理解しやすい。つまり、完成された代表作群の合間にある、実験や整理の記録に近い位置づけだ。
後年の評価でも、この時期のNOVELAは転換点の手前にある存在として語られることが多い。本作のような限定盤は、バンドの主流ディスコグラフィーを補う資料として見られやすい。アルバム単位で大きく語られる作品ではないが、1984年のNOVELAがどんな空気の中にいたのかを示す断片としては重要だ。
同時代の文脈
NOVELAの音を同時代の文脈で見ると、英国プログレの影響を引きずりつつ、80年代のハードロック的な推進力を強めた日本のバンド群と重なる。演奏の精度、構成の細かさ、キーボードの使い方、そして歌メロの扱いなど、当時の日本のプログレ/ハードロックに共通する要素がある。そうした中でもNOVELAは、華やかな展開の中に叙情を残すタイプで、単なる技巧派に収まらない性格を持っていた。
メンバーには、Toshio Egawa、Terutsugu Hirayama、Hisakatsu Igarashi、Mototsugu Yamane、Eijiro Akitaらが名を連ねる。編成の厚みがそのまま音の密度につながり、短い尺の中でも曲ごとの役割分担がはっきりしている。バンドとしてのまとまりと個々のプレイヤーの存在感、その両方が見える盤だ。
まとめ
『Exciting Mini (Unreleased Takes and Limited Edition)』は、NOVELAのディスコグラフィーの中で目立つ主役級の作品ではない。ただ、1984年という時期のバンドの動き、Nexusレーベルが支えた国産プログレ/ハードロックの現場、そして限定ミニ盤という形態まで含めると、当時の空気をよく伝える一枚になっている。未発表テイクを中心にした構成、クリア・ビニール、ポスター付きの仕様。作品そのものよりも、作品が置かれた状況に意味がある盤として見えてくる。
NOVELAの80年代日本ロック史における立ち位置を確認するうえで、こうした限定盤は外せない存在だ。アルバムの陰に隠れた一枚だが、バンドの変化を追うときには、むしろこういう盤のほうが輪郭をはっきりさせる。
トラックリスト
- A1 Metal Fantasy
- A2 Limited Express
- B1 Lunatic (Live Version)
- B2 Harukana-Toki No Hate Ni (Live Version)