Metallica - Metallica (1991)
Metallica 1991

Metallica - Metallica (1991)

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Metallica『Metallica』(1991) レコード紹介

Metallicaの5作目にあたるセルフタイトル作、通称「Black Album」。1991年8月12日にElektraから発売された本作は、バンドの名前をそのまま冠しつつ、外装もほぼ黒一色でまとめた強い印象のアルバムだ。1980年代のスラッシュ・メタル路線から、より遅いテンポと重さ、そして輪郭のはっきりした楽曲へと軸足を移した作品として知られている。James Hetfield、Lars Ulrich、Kirk Hammett、Jason Newstedという編成で録音され、プロデュースにはBob Rockが参加。Metallicaの作品群の中でも、転機の位置を担う1枚である。

作品の位置づけ

前作『...And Justice for All』までのMetallicaは、複雑な展開、速いリフ、長尺曲を武器にしてきた。このアルバムでは、その要素を残しながらも、曲の構造は整理され、リフの反復やグルーヴの押し出しが前面に出る。結果として、従来のスラッシュ・メタルの枠を超えて広い層に届いた作品になった。実際、アメリカでは1600万枚超を売り上げ、バンド最大のセールスを記録している。

同時代のメタル作品と比べると、同じく巨大化したサウンドを持つが、より直接的で、曲の入口がわかりやすい。MegadethやAnthrax、Slayerと並ぶスラッシュ・メタルの文脈にありながら、本作はそこからさらに一般的なロック・アルバムのスケールへ踏み出した盤として扱われることが多い。

収録曲と聴きどころ

冒頭の「Enter Sandman」は、このアルバムを象徴する代表曲。歪んだギターリフが繰り返され、ドラムの入り方も含めて、最初の数十秒でアルバムの方向性がはっきりする。ウェブ上でも触れられている通り、歌詞は当初かなり異なる内容だったが、Bob RockとLars Ulrichの介入で、子供の不安や悪夢を軸にした現在の形へ整理された。ヘヴィな演奏と、どこか童謡めいた反復の組み合わせが、曲の印象を強くしている。

「The Unforgiven」は、静かな導入から重い展開へ移る構成が目立つ曲で、アルバム全体の中でもメロディの扱いが明確だ。「Nothing Else Matters」は、Metallicaの中でも特に広く知られたバラードで、繊細なアルペジオと大きな広がりを持つアレンジが特徴になる。もともと内省的な曲として書かれたものが、バンドの代表曲の一つにまで育った流れも、この時期のMetallicaをよく表している。

「Sad But True」や「Wherever I May Roam」では、スラッシュ期よりも遅いテンポでリフの重さを押し出す。速さよりも、音の間と反復で引っ張る作り。聴いていると、ギターとリズム隊の噛み合いが細かく整理されていて、各曲の輪郭がかなりはっきりしているのがわかる。録音はロサンゼルスのOne On One Recordingで、1990年10月から1991年6月にかけて行われた。

この盤について

今回のUS盤はElektra 61113-1。1991年オリジナルのリリースで、レーベル表記やクレジットも当時の仕様に沿っている。内袋には歌詞と著作権表記、ラベルには全曲のクレジットが入る。Runoutはエッチング主体で、SRCロゴと「STERLING」はスタンプ。米国盤らしい実務的な作りで、過度な装飾はない。

ジャケットはほぼ全面が黒で、表面の情報量を極端に絞っている。James Hetfieldが語った「前面の絵に気を取られず、音を聴かせるためのシンプルな黒いカバー」という趣旨のコメントも、この作品の性格をそのまま示している。装丁の簡素さに対して、音の密度は高い。そこがこの盤の特徴だ。

Metallicaにとっての意味

Metallicaは1980年代にスラッシュ・メタルを代表する存在として育ち、この1991年作でさらに大きな市場へ届いた。本作の成功は、ヘヴィ・メタルが一部のジャンル名に留まらず、ロック全体の中で大きな商業的存在になりうることを示した面がある。その一方で、初期からのファンの受け止め方には差も生んだ。そうした反応の幅も含めて、バンド史の中で重要な節目の作品である。

結果として『Metallica』は、代表曲の集まりであると同時に、Metallicaがスラッシュ・メタルの外側へ踏み出した瞬間を記録した1枚になっている。黒いジャケット、明快なリフ、整理された楽曲構成。そのどれもが、1991年のMetallicaをよく示している。

トラックリスト

  1. A1 Enter Sandman 5:29
  2. A2 Sad But True 5:24
  3. A3 Holier Than Thou 3:47
  4. B1 The Unforgiven 6:26
  5. B2 Wherever I May Roam 6:42
  6. B3 Don't Tread On Me 3:59
  7. C1 Through The Never 4:01
  8. C2 Nothing Else Matters 6:29
  9. C3 Of Wolf And Man 4:16
  10. D1 The God That Failed 5:05
  11. D2 My Friend Of Misery 6:47
  12. D3 The Struggle Within 3:51

動画プレイリスト

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