Rihanna - Anti (2016)
Rihanna 2016

Rihanna - Anti (2016)

Electronic Pop Hip Hop Funk / Soul Soul Contemporary R&B

Rihanna『Anti』

Rihannaの8作目のスタジオ・アルバム『Anti』は、2016年1月に発売された。前作『Unapologetic』から3年余りを経てのリリースになる。制作は2013年から2015年にかけて進み、ニューヨークのJungle City、ロサンゼルスのWestlake、トロント、パリなど複数のスタジオで録音されたが、大半はWestlakeで行われた。全曲のヴォーカル・プロデュースをKuk Harrellが担当している。

制作の経緯と曲ごとのエピソード

本作は、2014年3月にRihannaがDef Jamを離れ、Jay-ZのRoc Nationと契約した後に進められた。原盤権も取り戻し、自身のレーベルWestbury RoadとRoc Nationの共同名義で発表された。2014年夏には「#R8」のハッシュタグで予告が始まり、発売はたびたび延びた。2015年11月には、アルバムを仕上げるためにヴィクトリアズ・シークレットのファッション・ショー出演を取りやめたことも伝えられている。同じ時期にSamsungが2,500万ドルの契約でアルバムとツアーのスポンサーについた。2016年1月27日にはTidalでの手違いの公開から流出が起こり、Samsungの負担で100万枚分がTidal経由の無料ダウンロードとして配られたうえで、その翌日に正式発売となった。

収録曲にも制作過程の話題が多い。「Work」は2015年夏、ロサンゼルスのDrakeの家で生まれた曲で、Rupert ThomasのビートにBoi-1daが古いダンスホールのリズムを使うことを提案し、歌詞はPartyNextDoorが書いた。「Higher」はBibi Bourellyとの共作で、朝方に酒を飲んだ状態で録音され、Rihanna自身が「酔っぱらいの留守電」と呼んだという。「James Joint」はShea Taylorとの共作で、30分足らずで書かれたとされ、2015年4月に420にちなんだ曲として先行公開された。「Same Ol' Mistakes」はTame Impalaの「New Person, Same Old Mistakes」のカバーで、Kevin Parkerの了承を得て録音されている。Parkerは「みんな仕上がりにとても満足している、大好きだ」と反応した。「Love on the Brain」はFred Ballのプロデュースによる50年代風のドゥーワップ・バラード、「Kiss It Better」はJeff Bhaskerらのプロデュース、「Never Ending」はDidoの「Thank You」とメロディが似ているためDidoが作者としてクレジットされている。

ジャケットはイスラエル出身の美術家Roy Nachumの作品で、2015年10月にロサンゼルスのMAMA Galleryで公開された。点字で刻まれた詩「If They Let Us」は、詩人Chloe Mitchellとの共作で、Mitchellは、目立つがゆえに誤解されることについての詩だと説明している。

時代の文脈

批評面では反応が分かれ、PitchforkのAmanda Petrusichは「小さく風変わりなところで最も面白くなる、楽しく葛藤したポップ・レコード」と書き、Rolling StoneのBrittany Spanosは「自分のサウンドの主導権を握り、自分の条件でポップを作り直している」と評した。一方で、The GuardianのAlexis PetridisやThe New York TimesのJon Caramanicaは、はっきりした方向性が見えずもどかしいと記している。

チャート面では「Work」(Drake参加)が全米1位を獲得し、Rihannaにとって14曲目の全米1位となった。「Needed Me」は彼女の曲で最も長くHot 100に入った曲になり、「Love on the Brain」も5位まで上昇した。アルバム本体はBillboard 200で27位に初登場したあと、2016年4月に1位を記録している。第59回グラミー賞では最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバムなどにノミネートされ、米国で6×プラチナ認定も受けている。

後世への影響

Lordeが2017年のZane Loweとのインタビューで、『Melodrama』の「Liability」は主に「Higher」から着想を得たと語っている。『Anti』が出た頃、ひとりでタクシーに乗って「Higher」を聴き、少し泣いたとも話していた。Marilyn Mansonも『Heaven Upside Down』への影響として本作を挙げている。さらに2025年12月には、Billboard 200に通算500週ランクインした黒人女性アーティスト初のアルバムになった。Rolling Stoneの「史上最高のアルバム500」(2020年版)では230位に入っている。

トラックリスト

  1. A1 Consideration 2:41
  2. A2 James Joint 1:12
  3. A3 Kiss It Better 4:13
  4. A4 Work 3:39
  5. B5 Desperado 3:06
  6. B6 Woo 3:56
  7. B7 Needed Me 3:12
  8. B8 Yeah, I Said It 2:13
  9. C9 Same Ol' Mistakes 6:37
  10. C10 Never Ending 3:23
  11. C11 Love On The Brain 3:44
  12. D12 Higher 2:01
  13. D13 Close To You 3:58
  14. D14 Goodnight Gotham 1:28
  15. D15 Pose 2:24
  16. D16 Sex With Me 3:26

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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