Satisfaction - Satisfaction (1970)
Satisfaction 1970

Satisfaction - Satisfaction (1970)

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Satisfaction『Satisfaction』

英国のジャズ・ロック・バンド、Satisfactionが残した唯一のアルバム『Satisfaction』は、1970年に録音され、1971年にDeccaから発表された作品だ。ブラスを前面に出した編成で、60年代のR&Bやソウルの流れを引き継ぎながら、当時の英国で広がっていたジャズ・ロックやプログレッシブ・ロックの空気へ歩み寄った一枚。マイク・コットンが率いるこのバンドは、前身のMike Cotton Soundから続く長い活動の先に生まれたグループで、メンバーにはデレク・グリフィス、ジョン・ビーチャム、レム・ルビン、ニック・ニューウェル、バーニー・ヒギンソンらが名を連ねる。制作はデヴィッド・ヒッチコックが担当している。

バンドの成り立ちと作品の位置づけ

Satisfactionは、もともと60年代から活動していたマイク・コットンのバンドが新しい音楽の流れに対応しようとして形を変えたものだ。トランペット奏者のコットンは、長くセッションや伴奏の現場で経験を積んできた人物で、そこに若い時代のサイケデリックな潮流や、よりロック寄りの感覚を取り込もうとしたのがこのグループの出発点になる。結果として、単なるジャズ・バンドでもなく、ブルース色の強いロックでもない、ブラス・セクションを核にした英国産のジャズ・ロックが出来上がった。

このアルバムは、彼らにとって唯一のオリジナル・アルバムとして扱われることが多い。実際、バンドはこの作品とシングル数枚を残して短期間で活動を終えている。そうした事情もあって、作品全体には“完成された大作”というより、当時の英国シーンに向けて自分たちの方向性を明確に示そうとした記録の性格が強い。Deccaのスタジオで録音され、当時としてはかなり整った音像でまとめられている点も印象的だ。

音の内容

この盤でまず耳に入るのは、トランペットやトロンボーン、サックスが作る厚みのあるアンサンブルだ。ギター、ベース、ドラムの基本編成の上にブラスが乗るだけでなく、曲によってはロックの推進力が前に出て、別の場面ではソウル寄りのフレーズが流れる。演奏は緻密だが、過度に技巧へ寄らず、バンドとしてのまとまりを優先している印象が強い。

ヴォーカルはレム・ルビンが担当し、ジャズ・ロック作品にありがちな硬さを少し和らげている。曲によってはリズムの切り替えやブラスの入り方に70年代初頭らしい勢いがあり、英国の同時代バンドでいえばColosseumやIf、あるいはブラスを含むロック・アンサンブルの流れと近い場所に置ける内容だ。とはいえ、Satisfactionはよりソウル色が残っていて、ジャズの即興性よりも楽曲の見通しのよさが前に出る。

当時の反応とその後

作品は批評面では一定の注目を集めたものの、大きな商業的成功にはつながらなかった。英国の音楽誌からは好意的に受け止められたが、シングルの「Love It Is / Cold Summer」を含めてヒットには結びついていない。バンドはアルバム発表後まもなく活動を終えており、短命な存在として記憶されることになった。

その後、1971年から72年にかけて録音された未発表音源が2014年に発掘されていることからも、このグループには当時の時点でまだ続きがあり得たことがうかがえる。だが、オリジナルの『Satisfaction』自体は、70年前後の英国ジャズ・ロックが持っていた可能性と限界の両方を、そのまま封じ込めた記録として残っている。

2020年盤について

ここで取り上げている2020年盤は、Alternative Foxからの再発盤だ。レーベル側はレア音源や未発表音源の再発を扱うことで知られていて、この盤でもオリジナル作品を現代のフォーマットで聴ける形にしている。収録曲の最後の3曲にはボーナスが付いており、オリジナル盤とは内容が少し異なる。盤の出自はブートレグ/パイレート系のレーベルとして知られるAlternative Foxらしい仕様で、オリジナルのDecca盤を補完する位置づけの一枚になっている。

英国ジャズ・ロックの流れをたどるうえで、『Satisfaction』は派手に語られる作品ではないが、ブラス・ロック、ソウル、ジャズの境目で何が起きていたかをよく示すアルバムだ。マイク・コットンの長いキャリアの中でも、そして70年代初頭の英国シーンの中でも、ひときわ短く、しかし輪郭のはっきりした記録になっている。

トラックリスト

  1. A1 Just Lay Back And Enjoy It 7:35
  2. A2 She Follows The Band 3:52
  3. A3 Cold Summer 5:08
  4. A4 Sharing 6:15
  5. A5 Call You Liar, Liar 4:17
  6. B1 You Upset The Grace Of Living When You Lie 6:27
  7. B2 Just Like Friends 4:01
  8. B3 Go Through Changes 7:08
  9. B4 Love It Is 3:00
  10. B5 Don't Rag The Lady 3:16
  11. B6 Gregory Shan't 4:21

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Satisfaction

Satisfaction

Satisfactionは、1970年前後に活動したイギリスのジャズ・ロック/ブラス・ロック・バンドだ。中心人物は、1950年代末からジャズ・バンドやR&Bバ...

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