Sly & The Family Stone - Small Talk (1974)
Sly & The Family Stone『Small Talk』
Sly & The Family Stoneが1974年7月にEpic Recordsから発表した7作目のスタジオ・アルバム。オリジナル・メンバーのフレディ・ストーン、ローズ・ストーン、シンシア・ロビンソン、ジェリー・マティーニがそろった最後のスタジオ作で、1974年6月5日にはマディソン・スクエア・ガーデンのステージ上で、スライ・ストーンがキャシー・シルヴァと結婚式を挙げたことでも知られている。ジャケットにはノーマン・シーフ撮影の写真が使われ、スライ、キャシー、生まれたばかりの息子シルヴェスター・ジュニアの3人が並ぶ構図になっている。
制作背景・エピソード
この作品では、シド・ペイジが率いるストリングスや、フィドル/ヴァイオリンの要素が前面に出ている。「Small Talk」や「Mother Beautiful」では、愛息の喃語も取り入れられていて、家族の誕生に結びついた親密な題材が曲作りに反映されている。「Loose Booty」や「Time For Livin'」では、軽快なヴァイオリンのオブリガートとリズム隊が絡み合う構成が取られている。「Holdin' On」は甘美なコーラスが印象に残るソウル・バラードとして挙げられている。
制作時の編成としては、ベースのラリー・グラハムとドラムのグレッグ・エリコが離れ、ラスティ・アレンとビル・ローダンが参加している。アルバム全体は、家庭的な空気と、ファンクのグルーヴを組み合わせた内容としてまとめられている。
時代の文脈
『There's a Riot Goin' On』や『Fresh』で、乾いたミニマルなファンクを極めたあとに出た作品。1974年のスライは、生活が混迷していた時期に一時的な家庭的幸福と平穏を得ており、その状況の中で制作されたとされる。『Small Talk』では、ストリートの緊張感を強く前面に出した前2作から、パーソナルな日常のスケッチへと視点が移っている。
また、ストリングスをファンクのグルーヴと有機的に編み込むアプローチが試みられており、ディスコ・ブーム前夜の1974年という時期に置かれた転換点の作品として扱われている。チャート面ではBillboard 200で15位、R&Bアルバム・チャートで9位を記録し、ゴールド・ディスクも獲得した。先行シングル「Time For Livin'」はR&Bチャートで10位。
後世への影響
収録曲は後年のオルタナティヴ・ロックやヒップホップ世代に参照された。「Time For Livin'」はBeastie Boysが『Check Your Head』でハードコア・パンク風にカバーし、若い世代に再発見されている。「Loose Booty」は、Beastie Boysの「Shadrach」でサンプリングされ、ヒップホップ・プロデューサーたちにも長く使われてきた。
このあたりの再利用が示すのは、『Small Talk』が単なる1974年の一枚にとどまらず、曲単位でも後年の制作に持ち込まれたこと。タイトル曲「Small Talk」や「Mother Beautiful」の家族的な題材、そして「Time For Livin'」「Loose Booty」の素材は、その後の世代に引き継がれていった。
トラックリスト
- A1 Small Talk 3:20
- A2 Say You Will 3:15
- A3 Mother Beautiful 1:59
- A4 Time For Livin' 3:15
- A5 Can't Strain My Brain 4:08
- B1 Loose Booty 3:44
- B2 Holdin' On 3:36
- B3 Wishful Thinkin' 4:23
- B4 Better Thee Than Me 3:34
- B5 Livin' While I'm Livin' 2:57
- B6 This Is Love 2:56
動画プレイリスト
このアーティストについて
Sly & The Family Stoneは、1966年11月にカリフォルニア州サンフランシスコで結成されたファンク/ソウル・バンドだ。中心人物はSly Stone(本名S...
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