Small Faces - Small Faces (1967)
Small Faces 1967

Small Faces - Small Faces (1967)

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Small Faces『Small Faces』

スモール・フェイセズの『Small Faces』は、1967年6月にアンドリュー・ルーグ・オールダムが立ち上げたインディペンデント・レーベル「Immediate」からリリースされたセカンド・スタジオ・アルバムである。1966年のデッカ時代のデビュー作と同じセルフタイトルを冠しているため、ファンの間では区別を込めて「ファースト・イミディエイト・アルバム(The First Immediate Album)」とも呼ばれている。

制作背景・エピソード

本作の誕生の背景には、前マネージャーであるドン・アーデンおよびデッカ・レコーズとの熾烈な確執があった。シングル・ヒットを連発していたにもかかわらず、メンバーには週給20ポンド程度しか支払われず、さらにバンドの承諾なしにシングルを市場に投入されるなどの搾取に憤慨したメンバーは、1967年1月に電撃的に契約を破棄した。彼らを迎え入れたのが、ローリング・ストーンズの元マネージャーとして知られるアンドリュー・ルーグ・オールダムである。オールダムはバンドにスタジオ使用の完全な自由と無制限の時間を保障し、ロンドンのIBCスタジオとオリンピック・スタジオにおいて、名エンジニアのグリン・ジョンズとともに1966年10月から1967年4月にかけて綿密なレコーディングが行われた。

本作はスモール・フェイセズにとって初となる全曲オリジナル楽曲で構成されたアルバムとなった。全14曲中13曲をスティーヴ・マリオットとロニー・レインのコンビが手掛け、イアン・マクレガンやケニー・ジョーンズも楽曲制作に参加している。唯一マクレガン単独作となった「Up the Wooden Hills to Bedfordshire」は、英国の伝統的な就寝の言い回しを取り入れたノスタルジックな子守唄調の小品である。「(Tell Me) Have You Ever Seen Me」はレーベルメイトのP.P.アーノルドへの提供曲のセルフカバーであり、「My Way of Giving」もクリス・ファーロウに提供した曲を自ら吹き込み直したものである。「Green Circles」ではテープのフェイジング効果による先駆的なサイケデリック音響が試みられ、アルバムを締めくくる「Eddie's Dreaming」は、親交のあったジャズ・トランペッターのエディ・“タン・タン”・ソーントン(Eddie "Tan Tan" Thornton)の茫洋とした陶酔状態から着想を得て書かれ、ソーントン本人とパーカッショニストのスピーディ・アクアイがレコーディングに参加している。

なお、リリース直前の1967年5月には、バンドの離脱に怒ったドン・アーデンとデッカ側が、未発表テイクやデモ音源を勝手に集めた対抗編集盤『From the Beginning』を急遽リリース。市場でファンを混乱させる妨害工作を仕掛けるという泥沼のレーベル闘争の中で世に送り出された。

時代の文脈とサウンドの進化

1967年6月は「サマー・オブ・ラブ」の絶頂期であり、ビートルズの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』が音楽シーンを一変させた月でもある。その激動の中で発表された本作は、モッド・シーンの熱狂的なライブ・バンドだったスモール・フェイセズが、スタジオを実験の場として自在に操る先鋭的なポップ・グループへと脱皮を遂げた決定的転換点に位置づけられる。

サウンド面では、従来の獰猛なR&Bやブルー・アイド・ソウルのパッションを底流に保ちつつ、アコースティック・フォーク、サイケデリア、モータウン調のホーン・アレンジ、そして英国伝統のミュージック・ホール風のウィットが驚くほど鮮やかに編み込まれている。マリオットの圧倒的なソウル・シャウトとレインのメロディアスなベースおよび温かみあるボーカル、マクレガンのオルガンやピアノ、ジョーンズのタイトなドラミングが一体となったアンサンブルは極めて高水準である。デッカによる競合盤『From the Beginning』(全英17位)とのバッティングに見舞われながらも、全英アルバムチャートで最高12位を記録した。

後世への影響

本作で確立されたマリオット=レインによる卓越したスタジオ・ワークと英国趣味あふれるソングライティングは、翌1968年のサイケデリック・ロックの金字塔『Ogdens' Nut Gone Flake』、そして不朽のシングル「Itchycoo Park」「Tin Soldier」の誕生へと直結した。「My Way of Giving」は、後にロッド・スチュワートが1970年のソロ作『Gasoline Alley』でカバーしている。スティーヴ・マリオット脱退後、残されたレイン、マクレガン、ジョーンズのもとにロッド・スチュワートとロン・ウッドが合流してフェイセズ(Faces)が誕生する歴史を鑑みても、極めて象徴的な接続点といえる。

さらに、黒人音楽の熱量と英国的な情緒を融合させた彼らのポップ感覚は、1970年代末のモッド・リバイバルにおけるザ・ジャムのポール・ウェラーをはじめ、ブラーやオアシス、オーシャン・カラー・シーンといった1990年代のブリットポップを牽引したミュージシャンたちへと決定的な影響を与え、英国ロック史の輝かしい傑作として愛され続けている。

トラックリスト

  1. A1 (Tell Me) Have You Ever Seen Me 2:15
  2. A2 Something I Want To Tell You 2:06
  3. A3 Feeling Lonely 1:30
  4. A4 Happy Boys Happy 1:35
  5. A5 Things Are Going To Get Better 2:36
  6. A6 My Way Of Giving 1:38
  7. A7 Green Circles 2:34
  8. B1 Become Like You 1:55
  9. B2 Get Yourself Together 2:17
  10. B3 All Of Our Yesterdays 1:47
  11. B4 Talk To You 2:05
  12. B5 Show Me The Way 2:00
  13. B6 Up The Wooden Hills To Bedfordshire 2:05
  14. B7 Eddie's Dreaming 2:50

動画プレイリスト

公開: 2026年11月
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