Stone The Crows - Stone The Crows (1970)
Stone The Crows『Stone the Crows』
Stone the Crowsのデビュー作『Stone the Crows』は、1970年にリリースされた作品。スコットランド出身のブルース/ソウル系ロック・バンドが、最初のアルバムでどこまで持ち味を広げられるかを示した一枚として語られている。録音はロンドンのAdvision Studiosで行われ、プロデューサーはマーク・ロンドン、エグゼクティブ・プロデューサーはピーター・グラント。レッド・ツェッペリンのマネージャーとして知られるグラントが後ろ盾になっていた点も、この作品の背景として重要だ。
制作背景と収録曲
演奏の中心には、マギー・ベルの歌、レス・ハーヴィーのギター、ジミー・デューアとコリン・アレンのリズム隊、ジョン・マクギニスの鍵盤がある。収録曲では、レノン=マッカートニー作「Fool on the Hill」の解釈がまず目を引く。原曲をそのままなぞるのではなく、ソウルフルな方向へ振った扱いとして取り上げられている。そしてもうひとつの大きな聴きどころが、17分を超える「I Saw America」。複数のパートをつないだ組曲的な構成で、バンドの野心が表れた曲として紹介されている。
AllMusicのピーター・カーツは、このアルバムを「やや型破りなデビュー盤」と評している。特に「Fool on the Hill」の意外性と、「I Saw America」がロック、ブルース、ソウルの要素を束ねようとする点に注目しつつ、全体としてはそれらを完全に溶け合わせ切れていないとも述べている。粗さと勢いが同居する、という見方が与えられている。
時代の文脈
Stone the Crowsは、1960年代末から70年代初頭の英国ロックの中で、ブルース、ソウル、ハードロック、プログレ的要素を混ぜたバンドとして位置づけられている。AllMusicでは、強い歌声を持つ2人のシンガー、実力派ギタリスト、ジョン・メイオール周辺で鍛えたリズム隊、そしてピーター・グラントの後ろ盾を備えた有望株として説明されている。デビュー作のこのアルバムは、その出発点にある作品だ。
バンドは1970年から1973年まで活動したスコットランドのロック・バンドで、スタジオ・アルバムは1970年から1972年にかけて4作残している。『Stone the Crows』はその最初の一枚であり、後に続く作品群の入口にあたる。英Official Chartsでは、Stone the Crowsのアルバムとしてチャート入りしたのは1972年の『Ontinuous Performance』のみで、同作はUK Albums Chart最高33位・3週チャートインという記録が確認されている。
レコードとしての情報
このUS盤はPolydorの24-4019番で、ゲートフォールド仕様。A3には著作権管理表記があり、クレジットには「Our deepest thanks to Fred Stumble & The Icelandic Sheep Band without whose knowledge on uncommercialism this album could not have been made.」という文も記されている。オリジナルの1970年盤として扱われるもので、Stone the Crowsの初期像を伝える資料としても興味深い。
トラックリスト
- A1 The Touch Of Your Loving Hand 6:01
- A2 Raining In Your Heart 5:10
- A3 Blind Man 5:09
- A4 The Fool On The Hill 4:13
- B1 I Saw America 17:28