The Style Council - Our Favourite Shop (1985)
The Style Council『Our Favourite Shop』
ザ・ジャム解散後にポール・ウェラーがミック・タルボットと組んだザ・スタイル・カウンシルの2作目で、1985年5月にポリドールから出たアルバム。米国盤では『Internationalists』に改題されたが、ドイツ盤は『Our Favourite Shop』のタイトルで登場している。制作はロンドンのウェラー所有スタジオ、Solid Bond Studiosを中心に進められ、ウェラーとピーター・ウィルソンの共同プロデュース。ドラマーのスティーヴ・ホワイト、バック・ボーカルのD.C. リーも全面参加し、バンドとしての体制が固まった時期の記録になっている。
制作背景と収録曲のエピソード
ジャケットはピーター・アンダーソンの撮影で、モッズ・スーツやレコード、書籍、バッジが並ぶ店先にメンバーが立つ構図。アルバム・タイトルの「お気に入りの店」をそのまま視覚化したような作りで、作品全体のイメージを強く印象づける。収録曲では「A Man Of Great Promise」が、ウェラーの幼馴染であり、ザ・ジャム初期のメンバーでもあった詩人デイヴ・ウォーラーへの追悼として書かれた曲。「The Stand Up Comic's Instructions」にはコメディアンのレニー・ヘンリーが参加している。
音楽面では、「Walls Come Tumbling Down!」が全英シングル・チャートで6位を記録。「A Stones Throw Away」では弦楽アンサンブルが使われ、「Down In The Seine」にはフレンチ・ポップやシャンソンの気配があり、「The Boy Who Cried Wolf」は哀愁あるフォーキーな楽曲として親しまれている。スティーヴ・ホワイトのジャズ寄りのしなやかなドラミング、ミック・タルボットのハモンド・オルガン、D.C. リーのソウルフルなコーラスワークも高く評価されている。
時代の文脈
1980年代半ばのイギリスでは、サッチャー政権下での炭鉱ストライキ、失業率の急増、格差の拡大が進んでいた。このアルバムでも、ウェラーは新自由主義や拝金主義、失業問題への批判を明確にしている。「The Lodgers (Or She Was Only A Shopkeeper's Daughter)」のサブタイトルはサッチャーへの当てこすりとして説明され、「Come To Milton Keynes」では人工都市ミルトン・キーンズを舞台に消費社会を風刺している。
同じ1985年末には、ビリー・ブラッグらとともに労働党を支援する音楽運動「レッド・ウェッジ」が結成されるが、その流れの前段にある作品としても位置づけられている。ポール・ウェラーが、ザ・ジャム時代とは異なる洗練されたポップ・ミュージックを通じて左派的なプロテストを鳴らした時期の代表作である。
後世への影響
洗練されたソウル、ジャズ、ポップスをブレンドした洒脱なスタイルとビジュアルの融合は、ソフィスティ・ポップの金字塔となっただけでなく、1990年代の日本の「渋谷系」(フリッパーズ・ギターやピチカート・ファイヴなど)やネオアコースティック・シーンに決定的な影響を与えた。お洒落な佇まいの裏で鋭い社会批評や反骨精神を鳴らすスタンスは、後進のポップ・アクトにとっての大きな規範として語り継がれている。
評価と位置づけ
リリース時に全英アルバム・チャートで初登場1位を獲得し、ゴールド・ディスクにも認定された。ザ・スタイル・カウンシルのキャリアを通じて、唯一の全英1位アルバムでもある。サウンド面では、前作『Café Bleu』の実験性よりも、アルバム全体のまとまりとポップスとしての完成度が高いと評されている。
制作、歌詞、ジャケット、参加ミュージシャンまで含めて、1985年のザ・スタイル・カウンシルをそのまま封じ込めたような一枚。ドイツ盤はMade in West Germany表記、印刷済みインナー・スリーヴ付きで、ゲートフォールド内部にレコードを収める仕様になっている。
トラックリスト
- A1 Homebreakers 5:04
- A2 All Gone Away 2:13
- A3 Come To Milton Keynes 3:02
- A4 Internationalists 3:04
- A5 A Stones Throw Away 2:15
- A6 The Stand Up Comic's Instructions 1:28
- A7 Boy Who Cried Wolf 5:04
- B1 A Man Of Great Promise 2:30
- B2 Down In The Seine 2:41
- B3 The Lodgers (Or She Was Only A Shopkeeper's Daughter) 3:54
- B4 Luck 2:32
- B5 With Everything To Lose 3:45
- B6 Our Favourite Shop 2:52
- B7 Walls Come Tumbling Down! 3:11
動画プレイリスト
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Homebreakers
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All Gone Away
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Come To Milton Keynes
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Internationalists
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A Stones Throw Away
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The Stand Up Comic's Instructions
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Boy Who Cried Wolf (Album Version)
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A Man Of Great Promise
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Down In The Seine
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The Lodgers (Or She Was Only A Shopkeeper's Daughter) (Album Version)
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Luck
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With Everything To Lose
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Our Favourite Shop
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Walls Come Tumbling Down
このアーティストについて
The Style Councilは、1983年にイングランドのウォキングで結成されたバンド。ザ・ジャムを解散したポール・ウェラーが、キーボードのミック・タルボ...
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