Maceo - Us (1974)
Maceo『Us』
1974年にPeople Recordsから出た『Us』は、Maceo名義でまとめられたメイシオ・パーカー(Maceo Parker)のリーダー作。ジェームス・ブラウンのプロデュース、フレッド・ウェズリーのアレンジと指揮のもと、当時のJBファミリーの中核メンバーが集まって制作されたアルバムで、ジャケットには「Minister Of New New Super Heavy Funk」とクレジットされている。タイトルは表記に揺れがあり、ジャケットや背表紙では『US』、レーベル面では『US!!』となっている。
制作背景・エピソード
メイシオ・パーカーは1970年に一度JBバンドを離れ、「Maceo & All The King’s Men」を結成したが、1973年にジェームス・ブラウンの陣営へ復帰した。その流れの中で生まれたのが「Maceo & The Macks」名義のシングル群で、本作はその集大成として編まれた作品。演奏面では、セント・クレア・ピンクニー、ジミー・ノーレン、ハーロン・“チーズ”・マーティン、フレッド・トーマス、ジョン・“ジャボ”・スタークスらが参加し、ザ・JBズの最強編成を軸にした録音になっている。
収録曲は、JBの1971年曲を再構築した「Soul Power 74」から始まり、「Parrty (Parts 1 & 2)」、アル・ウィルソンのカバー「Show And Tell」、ジョー・サイモンの「Drowning In The Sea Of Love」、そして「Doing It To Death」の別テイクへと続く。終盤の「The Soul Of A Black Man」は10分を超える長尺で、スピリチュアルなスポークン・ワードも交えたブラック・プライド賛歌となっている。先行シングルの「Parrty」は米ビルボードのHot Soul Singlesで最高24位、Hot 100で71位、「Soul Power '74」はR&Bチャートで最高20位を記録した。
時代の文脈
1973年から1974年にかけてのジェームス・ブラウンは、『The Payback』や『Hell』を発表し、ブラックスプロイテーション映画音楽の広がりとも重なりながら、音楽的創造性と影響力の絶頂期にあった。People Recordsは、その時期のJBがプロダクション面でも手腕を発揮した場であり、ザ・JBズ、リン・コリンズ、メイシオ・パーカーらを送り出すファンクの実験工房として機能していた。本作は、そのPeople Recordsの中でもJBファミリーの演奏密度を前面に出したヘヴィ・ファンクの象徴的一枚と位置づけられている。
後世への影響
『Us』は、後年のヒップホップやサンプリング・カルチャーにおいて重要な定番音源として愛されてきた。特に「Soul Power 74」の鋭利なホーンとドラム・ブレイクは、パブリック・エネミーの「Caught, Can We Get a Witness?」をはじめ、ヘヴィ・D&ザ・ボーイズ、EPMD、ビズ・マーキー、2ライブ・クルーらにサンプリングされた。「Parrty」もエリックB&ラキム、ギャング・スター、レッドマンらに引用され、黄金期ブームバップの血肉となっている。
本作では、メイシオ・パーカーの切れ味鋭いアルト・サックスと、フレッド・ウェズリーとのホーン・アンサンブル、ジミー・ノーレンによる16分音符チキン・スクラッチ・ギター、ジャボ・スタークスのタイトなドラミングが一体となったグルーヴが堪能できる。ワン・コード・ファンクの教科書的な演奏が凝縮された一枚である。
トラックリスト
- A1 Soul Power 74 4:07
- A2 Parrty 5:50
- A3 Show And Tell 3:08
- A4 Drowning In The Sea Of Love 3:57
- B1 I Can Play For (Just You & Me) 3:36
- B2 Doing It To Death 3:46
- B3 The Soul Of A Black Man 10:37
動画プレイリスト
このアーティストについて
メイシオ&ザ・マックス(Maceo & The Macks)は、1970年代前半に「ミスター・ダイナマイト」ジェームス・ブラウン(James Brown)が立ち上げた伝説の...
Maceo & The Macks のプロフィール・作品一覧