Aretha Franklin - Get It Right (1983)
Aretha Franklin『Get It Right』
『Get It Right』は、アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)が1983年にアリスタ・レコードから発表した通算29作目のスタジオ・アルバム。前年の『Jump to It』で劇的な復活を果たした流れの中で制作された一枚で、ここでも制作の中心を担ったのは新世代R&Bスターのルーサー・ヴァンドロス(Luther Vandross)だった。ルーサーが全面プロデュースを務め、盟友マーカス・ミラー(Marcus Miller)が楽曲制作とアレンジで重要な役割を果たしている。タイトル曲「Get It Right」をはじめ主要曲の多くはルーサーとマーカスの共作であり、80年代初頭のアリスタ期における洗練されたアーバン・ファンク・サウンドを結実させた作品である。
制作背景・エピソード
本作では、マーカス・ミラーのスラップ・ベースとシンセサイザー、ナット・アダレイ・ジュニアのキーボード、ドック・パウエルのギター、シシー・ヒューストンやフォンジ・ソーントンらのバッキング・ボーカルが参加。制作の軸は、ルーサー・ヴァンドロスの細部まで突き詰めるボーカル・ディレクションと、自らのスタイルに絶対の誇りを持つアレサのこだわりが激しく衝突する緊張感に満ちた現場にあった。二人がアルバム丸ごとタッグを組んだ作品としては本作が最後となっている。
収録曲では、テンプテーションズのモータウン・クラシック「I Wish It Would Rain」のカバーも重要な聴きどころ。オリジナル曲のシャープなダンス・ビートと並び、この曲で見せるアレサの深みあるサザン・ソウル直系の情感がアルバムに豊かな奥行きを与えている。
時代の文脈とチャート
1980年代初頭のポスト・ディスコ/アーバン・コンテンポラリー全盛期において、『Get It Right』は80年代型のシンセ・ファンク/ブギーと、アレサの不滅のゴスペル歌唱を融合させた作品として位置づけられる。前年の『Jump to It』の路線を継承し、後の1985年の世界的メガヒット『Who's Zoomin' Who?』へと至る80年代アリスタ期の重要な足跡となった。
シングル面では、タイトル曲「Get It Right」が米ビルボードのHot Black Singles(R&B)チャートで見事1位を獲得。「Every Girl (Wants My Guy)」も同R&Bチャートで7位のトップ10ヒットを記録した。アルバム自体もビルボードのR&Bアルバム・チャートで4位、Billboard 200で36位を記録している。
後世への影響
後年の評価において、マーカス・ミラーのスラップ・ベースが唸るタイトな80sシンセ・ブギー/ファンクの音作りは、現代のブギー/ディスコ再評価の文脈でもDJやソウル愛好家の間で繰り返し取り上げられている。洗練された都会的プロダクションと、アレサの圧倒的な声量と表現力が真正面からぶつかり合った80年代ソウルの好作である。
トラックリスト
- A1 Get It Right 6:22
- A2 Pretender 4:17
- A3 Every Girl (Wants My Guy) 6:29
- A4 When You Love Me Like That 4:47
- B1 I Wish It Would Rain 4:40
- B2 Better Friends Than Lovers 4:10
- B3 I Got Your Love 5:30
- B4 Giving In 4:38
動画プレイリスト
このアーティストについて
Aretha Franklin(アレサ・フランクリン)は、「ソウル界の女王(The Queen of Soul)」と称されるアメリカのシンガー、ピアニスト、ソングライターで...
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