Twink - Think Pink (1970)
Twink『Think Pink』
TwinkことJohn Alderが録音した『Think Pink』は、1969年に制作され、1970年に発表された実質的なソロ作だ。のちにPink Fairiesへつながる人脈の前段にあたる作品としても知られている。2020年のカナダ盤は『Think Pink』50周年を記した再発で、オリジナルの録音を新たにリマスターしたもの。スリーブとレーベルで品番表記が異なり、B面ラベルは無番号という仕様になっている。
制作背景・エピソード
制作の中心にいたのは、元DeviantsのMick Farrenだった。Farrenがプロデュースを担い、Twinkの周辺にいたミュージシャンが流動的に参加している。参加者にはPaul Rudolphや、元T. RexのSteve Peregrin Tookらが含まれる。Twinkは、The Pretty Things在籍時の流れや、Steve Peregrin Tookとの接点の中でこの作品が生まれたと語っている。録音時期は1969年夏で、Twinkは後年、この時期の録音について、スタジオそのものも楽器の一部として扱っていたと振り返っている。自由な編集感覚や即興性が制作の軸にあったことがうかがえる。収録曲の一部は、その後の録音で再演や再構成もされている。
時代の文脈
『Think Pink』は、1960年代末の英国サイケデリック/アンダーグラウンド・シーンと、のちのラウドなロックへ向かう流れのあいだに置かれる作品として語られている。Twink、Farren、Took、Paul Rudolphらは、固定メンバーのバンドというより、ライヴやセッションをまたいで人脈が交差するコミュニティで活動していた。『Think Pink』は、その流動的な関係性が反映された1枚でもある。Twinkのキャリアで見ると、The Pretty Things、Tomorrow、そしてPink Fairiesへつながる転換点に位置し、Pink Fairies結成より先にこのアルバムが世に出た点も重要だ。1970年に米国で先行的に出て、英国では1971年初頭のリリースとなった。
後世への影響
明確なヒットカバーやサンプリングの例は挙がっていないが、再評価は続いている。2020年代にも再発盤や解説記事で「埋もれたサイケの名盤」として扱われ、Twink本人も今なお代表作としてこのアルバムに触れている。影響は特定のヒット曲よりも、英国アンダーグラウンドの記録として、また自由な録音態度の参照点として残っている形だ。
聴きどころとして語られている点
レビューでは、ラウドなギター、反復的なリズム、過剰なファズ感、録音中のパーティー感が特徴として挙げられている。『The Rising Storm』は、DeviantsやPink Fairies周辺の美学がよく出ていると評し、『Head Heritage』はPaul Rudolphの逆回転的なノイズやギターのうねり、女性ボーカルやヴォーカル・インタールードを含む音像に触れている。Twink自身の言葉としては、聴き手の意識をキャンバスのように扱う発想が語られている。
商業的には大きなヒット作ではなく、主要チャートで目立つ記録も見当たらない。ただ、英国サイケデリックとアンダーグラウンドの交差点に置かれる作品として、長く語られてきた1枚だ。
トラックリスト
- A1 The Coming Of The One 5:30
- A2 Ten Thousand Words In A Cardboard Box 4:30
- A3 Dawn Of Magic 1:44
- A4 Tiptoe On The Highest Hill 5:19
- A5 Fluid 4:08
- B1 Mexican Grass War 5:30
- B2 Rock And Roll The Joint 2:32
- B3 Suicide 4:26
- B4 Three Little Piggies 3:15
- B5 The Sparrow Is A Sign 2:24