Alton McClain & Destiny - It Must Be Love (1979)
Alton McClain & Destiny 1979

Alton McClain & Destiny - It Must Be Love (1979)

Funk / Soul Soul Disco

Alton McClain & Destiny『It Must Be Love』について

Alton McClain & Destinyの『It Must Be Love』は、1979年にUSのPolydorから出たアルバムで、グループの代表曲「It Must Be Love」を軸に知られる作品である。Alton McClain、D’Marie Warren、Robyrda Stigerの3人による女性ソウル/ディスコ・トリオで、1978年にロサンゼルスで結成され、翌年のデビュー作としてこのアルバムが登場した。もともとはセルフタイトルで出たアルバムが、収録曲のヒットを受けて『It Must Be Love』として再パッケージされた経緯を持つ。

グループの出発点とアルバムの位置

Alton McClain & Destinyは、1970年代後半のディスコ・ブームの中で現れたグループである。デビュー作となる本作は、彼女たちの短い活動期の中でも最も重要な一枚で、後年まで名前を残したのもこのアルバムと同名曲の存在が大きい。グループは1979年から1981年にかけて3枚のアルバムを残しており、その中でも本作は最初期の記録として位置づけられる。

制作面ではFrank Wilsonがプロデュースを担当し、当時のUSソウル/ディスコ作品らしく、ストリングスやリズムセクションを前面に出した構成になっている。クレジットにはWah Wah Watson、Lee Ritenour、Webster Lewisらの参加も記されており、当時のR&B/ディスコ周辺のスタジオ人脈が見える。

代表曲「It Must Be Love」

このアルバムを語るうえで中心になるのは、やはり「It Must Be Love」である。楽曲は、うねるようなストリングスから始まり、次第に疾走感のあるディスコ・ビートへ流れ込む展開が印象に残る。ボーカルは軽やかさよりも芯の強さが前に出ていて、コーラスの重なりも含めて、当時のダンス・フロアに強く意識を向けた作りになっている。

この曲は1979年6月9日付のBillboardで自己最高32位を記録し、R&Bチャートでもヒットした。ディスコ全盛期の中で、Bee GeesやDonna Summerと並ぶ時代の空気を共有しながら、女性トリオならではのソウル寄りの感触を残している点が特徴的である。Emotionsの「The Best of My Love」を思わせるという評価もあり、甘さと推進力のバランスがこの曲の核になっている。

アルバムとしての聴きどころ

『It Must Be Love』は、単なるヒット曲入りアルバムではなく、ディスコとソウルの接点をきれいに切り取った一作としてまとまっている。華やかなダンス・トラックだけでなく、歌の輪郭がはっきりした楽曲が置かれていて、3人の声の役割分担がわかりやすい。リードのAlton McClainはボルティモア出身で、ロサンゼルスで受付の仕事をしながら音楽活動を続けていたという経歴も伝わっており、そうした背景が歌の表情ににじんでいる。

制作の最終盤に徹夜のスタジオ・セッションで「It Must Be Love」が録られたという話も残っている。完成までの流れを考えると、この曲がアルバム全体の方向を決めたことがわかりやすい。結果として、アルバムはグループ名義の初出盤から、代表曲を前面に出した形へと姿を変えた。

オリジナル盤としての情報

このUS盤はPolydorのPD-1-6163で、1979年のリリース。レーベル表記には℗ © 1978 Polydor Incorporated、Printed in U.S.A.とあり、当時のUS Polydor作品らしい仕様である。なお、同作は8-trackやカセットでも出ており、同時代の商業展開の広さも見て取れる。

同名曲のヒットを受けて再パッケージされたアルバムなので、オリジナルのセルフタイトル盤と比べると、店頭での見え方はかなり違ったはずだ。タイトルを「It Must Be Love」に変えることで、作品の中心がより明確になっている。

まとめ

『It Must Be Love』は、1979年のディスコ/ソウルの空気をそのまま封じ込めたようなアルバムであり、Alton McClain & Destinyの名を決定づけた作品である。代表曲の存在感が強い一方で、グループのコーラスワークや当時の制作陣の手つきもきちんと残っている。短い活動期間の中で生まれたデビュー作として、そしてヒット曲を抱えた再編タイトル盤として、両方の意味でこの時代の記録になっている。

トラックリスト

  1. A1 Crazy Love 6:57
  2. A2 Sweet Temptation 5:57
  3. A3 Taking My Love For Granted 3:19
  4. A4 My Empty Room 3:54
  5. B1 The Power Of Love 4:33
  6. B2 Push And Pull 5:24
  7. B3 It Must Be Love 4:42
  8. B4 God Said, "Love Ye One Another" 4:34

動画プレイリスト

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