Archie Whitewater - Archie Whitewater (1970)
Archie Whitewater『Archie Whitewater』
1970年8月に残された、ニューヨークの9人組ジャズ・ロック/サイケデリック・ソウル・アンサンブル、Archie Whitewaterの唯一のアルバム。バンド名の「Archie Whitewater」は実在の人物名ではなく、サックス奏者トラヴィス・ジェンキンスのチェロキー族でのインディアン・ネームに由来する。結成の中心はジェンキンスとキーボード奏者ボブ・バーコウィッツで、グリニッジ・ヴィレッジの老舗クラブ「カフェ・オ・ゴー・ゴー」などでの出演を重ねたのち、チェス・レコード傘下のCadet Conceptと契約した。
制作背景と録音
本作は1970年3月に録音され、ウォーレン・シャッツのプロデュースでまとめられた。参加メンバーには、ジャズ・ギタリストとして知られるポール・メツケ、トロンボーン奏者サム・バーティス、ヴィブラフォン奏者ピーター・ラバーベラらが名を連ねる。
収録曲の中では「Cross Country」が特に知られ、哀愁のあるエレピとブラスが印象的な名曲として語り継がれている。「Friends And Neighbors」のタイトなファンク・ビートや、「Northstar」で涼やかな陰影を落とすヴィブラフォン、ポール・メツケのジャズ・ギターなど、9人の名手による緻密なアンサンブルが随所で光る。
時代の文脈
1960年代末から1970年にかけては、ブラッド・スウェット&ティアーズやシカゴの成功を背景に、ブラス・ロックが広く注目を集めていた時期だった。Archie Whitewaterもその流れの中で見られることが多いが、内容は一般的なロック・バンドにホーンを足したものとは大きく異なっている。ニューヨークの第一線ジャズ・ミュージシャンによる演奏を土台に、カデットらしい泥臭いファンクのグルーヴやサイケデリックな浮遊感、ヴィブラフォンやフルートのメロウな響きが高度に融合していた。
しかしリリースの時期はレーベル側の混乱期と重なった。親会社Chess Recordsの売却が進み、Cadet Concept自体も1971年に終了を迎えたため十分なプロモーションが行われず、商業的には埋もれて幻の作品となった。
後世への影響
1990年代以降、レア・グルーヴやヒップホップのディガーによって再評価が進み、Cadet Concept期の最高峰として扱われるようになった。とりわけ「Cross Country」は、Commonの歴史的名盤『Resurrection』(1994年)収録の「Chapter 13」でサンプリングされたことで決定的な名声を得た。
現在ではオリジナル盤が高額で取引される一方、国内外で幾度もリイシューが行われ、1970年産ジャズ・ロック/サイケデリック・ソウルのカルト・クラシックとして確固たる地位を築いている。
トラックリスト
- A1 Don't Be Short 2:07
- A2 Northstar 4:19
- A3 Mist Of The Early Morning 3:53
- A4 Life Is A River 3:50
- A5 Friends And Neighbors 3:50
- A6 Country To The City 4:28
- B1 Home Again 4:07
- B2 Cross Country 3:20
- B3 Lament For The Walking Dead 4:34
- B4 Seacoast 3:58
- B5 Hulk 1:58
動画プレイリスト
このアーティストについて
Archie Whitewater(アーチー・ホワイトウォーター)は、1970年にアメリカ・ニューヨークで結成された9人組のジャズ・ロック/サイケデリック・ソウル...
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