Bombers - Bombers (1978)
Bombers『Bombers』(1978)
Bombersのセルフタイトル作『Bombers』は、1978年にUSのWest End Recordsから出たディスコ・アルバム。カナダのプロデューサー、George LagiosとPat DeSerioを中心に組まれたスタジオ・グループで、同時代のニューヨーク・ディスコの空気を強く映した一枚だ。West End Recordsは70年代後半のディスコを語るうえで外せないレーベルで、Paradise Garage周辺とも深く結びついていた。このアルバムも、その文脈にきれいに収まる内容になっている。
グループの成り立ちと作品の位置づけ
Bombersは1978年に結成され、アルバムを2枚残したスタジオ・グループ。本作はそのデビュー作で、後年よく知られる代表曲「Don't Stop The Music」や「(Everybody) Get Dancin'」へつながる初期の姿が詰まっている。メンバーにはMarty Simon、Walter Rossi、Tamara Lorincz、Mack L. Jones、Billy Workman、Tore Bratseth、Jan Terje Pedersenらがクレジットされており、複数のプレイヤーと制作陣で組み立てられたタイプの作品であることがわかる。
アルバムのUS盤はWest End RecordsのWE 104。ジャケットやスパインには「WE 104」、センター・ラベルには「WE-104」と表記されている。ライナー情報では、Discotel LTEEの製品としてWest End Music Ind., Inc.にライセンスされた形になっている。
収録曲と聴きどころ
A面の「Don't Stop The Music」は、Bombersの名を押し上げた重要曲のひとつ。タイトルどおりの推進力を持つディスコ・トラックで、ビートの押し出しと反復の作り方がはっきりしている。ダンスフロア向けの設計が明確で、レーベルのカラーともよく合う。
もうひとつ大きいのがB面の「The Mexican」。これはBabe Ruthが1972年に発表した楽曲のカバーで、Bombers版は11分57秒の長尺で収録されている。原曲は、Alan Shacklockが映画『アラモ』の描写への違和感をきっかけに作ったとされ、Ennio Morriconeの「夕陽のガンマン」のフレーズを取り込んだことで知られる。Bombersの演奏では、その曲をディスコのフォーマットに移し替え、長く踊れる展開へまとめている。初期ディスコの現場で受け入れられた理由が、構成の長さと反復の強さにあることが伝わる。
アルバムにはそのほか「Dance, Dance, Dance」「Super Max」「Main Man」も収録。曲名の並びからもわかるように、アルバム全体はダンス志向がはっきりしていて、ディスコ・バンドというより、クラブで機能するトラックを並べた作品集に近い印象がある。
同時代の文脈
Bombersの音は、70年代後半のニューヨーク・ディスコの文脈で捉えるとわかりやすい。West End Recordsはそのシーンを支えた重要なレーベルで、Larry Levanが関わったことでも知られている。Bombersの楽曲も、派手な装飾より、グルーヴの持続とDJユースな尺の長さに重心がある。
「The Mexican」は、その後のヒップホップにも長く引用された曲で、Afrika BambaataaやJungle Brothersらの作品でサンプリングされたことでも有名だ。Bombers版は、そのカバーのディスコ化された早い例のひとつとして位置づけられる。原曲の骨格を残しながら、よりフロア向けの反復へ寄せた作りが、この時代らしい。
まとめ
『Bombers』は、Bombersのデビュー作として、バンドの方向性をそのまま示したアルバムだ。A1「Don't Stop The Music」とB面の長尺カバー「The Mexican」が軸になり、70年代末のディスコ・クラブの感覚をよく伝えている。West End Recordsの看板にふさわしい、ニューヨーク系ディスコの実用性とカナダ発の制作感覚が交わった一枚として整理できる。
トラックリスト
- A1 Don't Stop The Music 6:35
- A2 Dance, Dance, Dance 5:57
- A3 Super Max 6:39
- B1 The Mexican 11:57
- B2 Main Man 3:46