Change - Sharing Your Love (1982)
Change『Sharing Your Love』(1982)レビュー
イタリアはボローニャを拠点に、ジャック・フレッド・ペトラス、マウロ・マラヴァージ、ダヴィデ・ロマーニらソングライター/プロデューサー陣を中心に組まれたディスコ・ソウル・グループ、Change。その3作目となるのが、1982年の『Sharing Your Love』である。AtlanticからUS盤で出た本作は、グループの初期ディスコ路線が、80年代前半のブギーやアーバン・コンテンポラリー寄りの感触へ寄っていく時期の記録として見ておきたい。
作品の位置づけ
Changeは、ルーサー・ヴァンドロスを初期の看板に据えたことでも知られるが、本作ではジェームス・ロビンソンとデボラ・クーパーが中心の歌唱を担う。ロビンソンにとっては在籍中2作目であり、最後のアルバムでもある。前作までの華やかな印象を引き継ぎながらも、1982年という時代の空気を受けて、より打ち込みの輪郭が前に出る。ディスコの大きな熱量を残しつつ、音の整理が進んだ時期のChangeという位置づけになる。
録音とサウンド
録音はニューヨークのMedia Sound Studios、マスタリングはSterling Sound。クレジットの時点で、当時のUSダンス・ソウル作品らしい制作環境がそろっている。実際に耳を通すと、ベースの押し出しとリズムの切れ味がまず印象に残る。ストリングスやシンセの装飾はあるが、全面に広がるというより、ビートの隙間を埋める役割が強い。Change特有の、洗練されたダンス・ミュージックとしての整い方がこの盤にもある。
同時代の流れで見ると、Chic周辺の美意識を受けた欧州系ディスコ・ソウルの延長線上に置きやすい一枚。後のハウスやポスト・ディスコの文脈で語られることの多いChangeだが、この時点ではまだソウル・グループとしての歌の存在感がはっきりしている。クラブ寄りの推進力と、歌ものとしてのまとまり、その両方を持つ構成。
収録曲と聴きどころ
シングルは「The Very Best In You」「Keep On It」「Hard Times (It's Gonna Be Alright)」「Oh What A Night」「Sharing Your Love」の5曲が切られた。なかでもタイトル曲「Sharing Your Love」は、ジェームス・ロビンソン自身の手による楽曲で、本作の中核に置かれる1曲。歌い口は派手に押し切るタイプではなく、フレーズをきっちり運ぶタイプで、ロビンソンの持ち味が最も見えやすい。
「The Very Best In You」や「Keep On It」も、シングル向けの整理された作りが目立つ。大きく盛り上げるより、リズムを保ったまま展開していく曲が多く、アルバム全体の印象もその延長にある。「Hard Times (It's Gonna Be Alright)」は、タイトル通りの前向きさを持ちながら、サウンドの組み立てはかなり機能的だ。ダンスフロアでの即効性を意識した作りでありつつ、歌ものとしての骨格も残る。
評価と当時の反応
当時の評価は一枚岩ではなく、後年の再評価も含めて語られることが多い。AllMusicでは星3つの評価で、優れた演奏者と歌手を揃えながらも決定打に欠ける、という見方が示されている。実際、本作は強烈な一発で押すアルバムというより、各曲を並べてグループの現在地を示すタイプの作品に近い。派手な代表曲を求めると少し静かに感じるが、そのぶん制作の均整はよく取れている。
1982年という年は、ディスコの大きな看板が少し下がり、ブギーやアーバン・コンテンポラリー、クラブ・ミュージックの細かな変化が前に出てくる時期でもある。Changeはその変化にかなり敏感で、本作にもその移行の気配がそのまま刻まれている。初期のヴァンドロス参加作と比べると、歌の重心が少し変わり、グループとしての設計図が更新されている感じがある。
盤としての情報
US盤はAtlanticのSD 19342。クレジットではAllied Record Companyプレスを示す「AR」表記が確認できる。Atlanticの1982年US盤らしく、当時の同社の流通とプレス体制を反映した一枚でもある。オリジナル期の盤として見れば、80年代初頭のソウル/ディスコの空気をそのまま持った資料性もある。
まとめ
『Sharing Your Love』は、Changeがディスコの余韻を引き継ぎながら、80年代前半の都会的なソウルへ寄っていく途中の記録。ルーサー・ヴァンドロス時代の華やかさとは別の、ジェームス・ロビンソンとデボラ・クーパーを軸にした実務的な歌ものアルバムとしてまとまっている。大きく語られることは多くないが、Changeというグループの変化の過程を追ううえでは外しにくい一枚である。
トラックリスト
- A1 The Very Best In You 5:41
- A2 Hard Times (It's Gonna Be Alright) 5:23
- A3 Oh What A Night 5:23
- A4 Promise Your Love 4:27
- A5 Everything And More 4:23
- B1 Sharing Your Love 6:03
- B2 Take You To Heaven 5:26
- B3 Keep On It 5:36
- B4 You're My Number 1 4:21
- B5 You're My Girl 4:08
動画プレイリスト
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Change - Promise Your Love (LP Version)
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Change - Everything and More (LP Version)
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Change - Sharing Your Love (LP Version)
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Change - Take You to Heaven (LP Version)
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Change - You're my number (LP version)
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Change - You're My Girl (LP Version)
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Change - Hard Times (LP Version)
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Change - On What a Night (LP Version)
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Change - Keep On It (LP Version)
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Change - The Very Best in You (LP Version)