Funk, Inc. - Superfunk (1973)
Funk, Inc.『Superfunk』
インディアナポリス出身のソウル・ジャズ/ジャズ・ファンク・クインテット、Funk, Inc.が1973年に名門Prestigeから発表した通算4作目のスタジオ・アルバム。録音は1973年7月、カリフォルニア州バークレーのFantasy Studiosで行われた。ボビー・ワトリー(ハモンド・オルガン/ヴォーカル)、ユージン・バー(テナーサックス)、スティーヴ・ウィークリー(ギター)、ジミー・マンフォード(ドラムス/ヴォーカル)、セシル・ハント(コンガ)の5人に加え、プロデューサーに名匠デヴィッド・アクセルロッドを迎えて制作された。
制作背景・エピソード
Funk, Inc.は1969年に結成され、名プロデューサーのボブ・ポーターに見出されてPrestigeと契約、同レーベルで5枚のアルバムを残した。4作目となる本作『Superfunk』では、キャノンボール・アダレイの諸作や自身のソロ名盤『Song of Innocence』で知られるデヴィッド・アクセルロッドがプロデュースを担当。アクセルロッドの骨太で立体的な音響処理と、バンドの生々しく泥臭いオルガン・ファンクが融合し、グループのディスコグラフィ中もっとも力強く完成度の高い作品となった。
サウンドと楽曲の聴きどころ
オープニングのA1「Message From The Meters」は、ニューオーリンズ・ファンクの象徴であるThe Metersのナンバー(レオ・ノセンテリ作曲)を、疾走感あふれるハモンドB-3オルガンと鋭角なギター・カッティングで豪快に再構築したキラー・ファンク。A2「Goodbye, So Long」の泥臭いブルース・フィーリングを経て、A3「The Hill Where The Lord Hides」ではチャック・マンジョーネの楽曲を取り上げ、コンガとドラムが激しく打ち鳴らされる8分超のラテン・ジャズ・ファンク絵巻を展開する。
B面では軽快な「Honey, I Love You」やファンキーな「Just Don't Mean A Thing」に続き、ラストに配置された9分半に及ぶ大曲「I'm Going To Love You」が圧巻。バリー・ホワイトの「I'm Gonna Love You Just A Little More Baby」をインストゥルメンタルとして解釈し、ボビー・ワトリーのうねるオルガンとスティーヴ・ウィークリーのブルージーなギター、引きずるような重低音グルーヴが催眠的なトリップ感を生み出している。
時代の文脈
1970年代初頭のPrestigeは、チャールズ・アーランドやリチャード・“グルーヴ”・ホームズらが牽引するソウル・ジャズ/ジャズ・ファンクの一大拠点であった。その中でFunk, Inc.は、ジャズの即興性とストリート・ファンクの重厚なビートを併せ持つ気鋭のグループとして台頭。本作では同時代のR&B、ソウル、ラテン・ジャズの名曲を独自の大胆な解釈でカバーし、インストゥルメンタル・ファンクの可能性を大きく拡張した。
後世への影響
1980年代末から1990年代初頭のイギリスにおけるレア・グルーヴ/アシッド・ジャズ・ムーヴメントにおいて、ジャイルス・ピーターソンらトップDJたちによってFunk, Inc.のカタログはプレスティッジ諸作とともに再発見された。
またヒップホップ・シーンにおける評価も高く、A1「Message From The Meters」はEric B. & Rakimの傑作『Let the Rhythm Hit 'Em』(1990年)収録の「Keep 'Em Eager to Listen」でサンプリングされた。さらに「I'm Going To Love You」の重厚なドラム・ブレイクやベースラインも多くのプロデューサーに掘り起こされ、サンプリング・ソース/レア・グルーヴの金字塔として愛され続けている。
トラックリスト
- A1 Message From The Meters 6:09
- A2 Goodbye, So Long 4:26
- A3 The Hill Where The Lord Hides 8:00
- B1 Honey, I Love You 3:23
- B2 Just Don't Mean A Thing 5:02
- B3 I'm Going To Love You 9:34
動画プレイリスト
このアーティストについて
Funk Inc.(ファンク・インク)は、1969年にアメリカ・インディアナ州インディアナポリスで結成されたジャズ・ファンク/ソウル・ジャズ・クインテッ...
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