Osamu Kitajima - Osamu (1977)
喜多嶋修『Osamu』について
喜多嶋修の『Osamu』は、1977年にIsland Recordsからリリースされた作品。1974年の『Benzaiten』の流れを受けつつ、70年代後半の段階で東洋と西洋の要素をさらに整理していった一枚として紹介されている。アーティスト本人は、若い頃に英国へ渡った経験が日本人としてのアイデンティティを強く意識させ、その後の伝統音楽の研究につながったと語っている。
制作背景
この作品は、『Benzaiten』以降の展開として、ジャズ/フュージョン色を強めた段階に位置づけられている。本人インタビューでは、英国での経験と、その後の日本の伝統音楽の研究が、独自の和洋折衷スタイルを形づくっていったとされる。制作時の具体的な録音エピソードや参加ミュージシャンの詳細については、今回参照できた範囲では確かな一次情報が見当たらない。
レーベル面では、1977年の日本盤としてToshiba EMIによるプレスが記されている。オリジナルのリリース年と同年の盤で、後年の再発ではなく、当時の形で出た一枚。
時代の文脈
1970年代半ばの日本では、細野晴臣らに代表されるような、日本語の感覚や伝統音楽をロックや電子音楽と接続する試みが広がっていた。『Osamu』はその流れの中で、喜多嶋修が英国志向のサイケデリック/プログレから出発し、日本の古典的な音素材へ向かったのち、さらにジャズ的な精密さを加えていく過程の一作として扱われている。
ジャンル表記ではElectronic、Jazz、Rock、Folk、World、& Countryが並び、スタイルにはNew Age、Fusion、Jazz-Rock、Smooth Jazz、Prog Rockが挙げられている。そうした分類も含めて、本作が70年代日本の実験的クロスオーバーの文脈に置かれていることがわかる。
後年の扱い
この作品そのものについて、明確なカバーやサンプリングの記録は今回確認できていない。ただ、喜多嶋修の70年代作品群は、後年になって“東西融合”や和風プログレ、サイケの重要作として再評価されてきた。『Osamu』も2019年にCD再発の案内が出ており、埋もれた名盤として流通が続いている。
当時のチャート順位や販売実績については数字の確認はできていないが、1977年のIsland盤として出たこと、そしてのちに再発が行われていることが、この作品の受け止められ方を示す材料になっている。
トラックリスト
- A1 Sui-In 1:03
- A2 Frost Flowers 5:24
- A3 Hear The Rain, See It Fall 6:03
- A4 Endless Steps 3:52
- A5 Yesterday And Karma 4:59
- B1 Purple Hills And Crystal Streams 6:11
- B2 Elemental Spirits 5:22
- B3 Fur, Fin And Feather 7:11
- B4 Sui-Yo 1:30
動画プレイリスト
このアーティストについて
Osamu Kitajima(喜多嶋修)は、1949年2月3日に神奈川県茅ヶ崎市で生まれた日本のミュージシャン、プロデューサー、作曲家、マルチ奏者だ。ジャンルは...
Osamu Kitajima のプロフィール・作品一覧