Gwen McCrae - On My Way (1982)
Gwen McCrae『On My Way』
フロリダ州ペンサコーラ出身のレジェンド・シンガー、グウェン・マックレー(Gwen McCrae)が1982年に名門Atlantic Recordsからリリースした傑作アルバム『On My Way』。1975年にマイアミ・ソウルの名門TK Recordsから「Rockin' Chair」を全米大ヒットさせ、1981年にはAtlantic移籍第1弾シングル「Funky Sensation」でクラブ/ヒップホップ世代を直撃した彼女が、80年代初頭の洗練されたアーバン・ブギー/モダン・ソウルの頂点を極めた作品だ。
制作背景と豪華参加ミュージシャン
本作のプロデュースを手掛けたのは、ジャズ/フュージョン界屈指のキーボーディスト/アレンジャーであるウェブスター・ルイス(Webster Lewis)。彼のもとに西海岸とニューヨークの超一流スタジオ・ミュージシャンが集結した。
スティーヴィー・ワンダーの右腕として名高いスーパー・ベーシストのネイト・ワッツ(Nate Watts)、数々の名盤を支えた名ドラマーのジェームス・ギャドソン(James Gadson)、歌うようなギター・プレイで知られるデヴィッド・T・ウォーカー(David T. Walker)が鉄壁のリズム隊を構築。さらにホーン/ストリングスのアレンジには、JBズ(The J.B.'s)のファンク職人フレッド・ウェズリー(Fred Wesley)や名匠H.B.バーナム(H.B. Barnum)が参加し、贅沢極まりないサウンドを仕立て上げた。
エンジニアリングはHollywood Sound、Capitol Records、Sigma Sound New Yorkなどで敢行され、マスタリングはAtlantic Studiosの名エンジニア、デニス・キング(Dennis King)が担当している。
時代の文脈と収録曲の魅力
1980年代初頭は、70年代後半のディスコ・ブームの終焉を経て、タイトなエレクトリック・ベースとシンセサイザーが牽引する「80sブギー/エレクトリック・ファンク」への大きな転換期であった。グウェン・マックレーの持ち味である泥臭いゴスペル/サザン・ソウル・フィーリングを一切損なうことなく、ウェブスター・ルイスの都会的でハイエンドなアレンジメントが見事に昇華されている。
本作最大のハイライトは、モータウンの名シンガー/ソングライターであるウィリー・ハッチ(Willie Hutch)が書き下ろした不朽のダンス・クラシック「Keep The Fire Burning」(A3)。ネイト・ワッツの躍動するベースラインとジェームス・ギャドソンのタイトなビート、華麗なストリングスに乗せて、グウェンのハスキーで力強いシャウトが炸裂するフロア・キラーだ。
さらにウェブスター・ルイス共作のスリークなエレクトリック・ファンク「Hang In」(A1)、同じくウィリー・ハッチ作のヘヴィ・ブギー「Doin' It」(B4)、そして情感豊かに歌い上げる珠玉のミディアム・バラード「Make Believe」(A2)や「Be For Real」(B1)など、ダンスとスロウが完璧な調和を見せている。
後世への影響と評価
「Keep The Fire Burning」は、ラリー・レヴァンやフランキー・ナックルズをはじめとする伝説的DJたちによってParadise GarageやThe Warehouseなどのクラブでアンセム化され、ガラージ、ハウス、モダン・ソウルの定番として長年にわたり愛され続けている。数多くのリミックスやリエディットが制作され、ヒップホップのサンプリング・ソースとしても名高い。80年代アーバン・ソウル/モダン・ブギーを代表するマスターピースとして、世界中のDJやレコード・コレクターから今なお熱烈な支持を集める大名盤である。
トラックリスト
- A1 Hang In 4:19
- A2 Make Believe 5:03
- A3 Keep The Fire Burning 5:37
- A4 I Need To Be With You 3:53
- B1 Be For Real 4:32
- B2 Hey World 4:25
- B3 I Didn't Take Your Man 4:42
- B4 Doin' It 4:48
動画プレイリスト
このアーティストについて
Gwen McCrae(グウェン・マクレー)は、1943年12月21日にフロリダ州ペンサコーラで生まれたアメリカのソウル・シンガーだ。本名はGwendolyn Patricia...
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