Hatfield And The North = ハットフィールド・アンド・ザ・ノース - The Rotters' Club = ロッタース・クラブ (1975)
Hatfield And The North 1975

Hatfield And The North = ハットフィールド・アンド・ザ・ノース - The Rotters' Club = ロッタース・クラブ (1975)

Rock Jazz Prog Rock Art Rock Jazz-Rock

Hatfield And The North『The Rotters' Club』

Hatfield And The Northの2作目にあたる『The Rotters' Club』は、1975年3月に英国で発表されたアルバムで、ここに挙がっている日本盤は1978年リリース。カンタベリー・シーンを代表するバンドの一枚として知られ、Richard Sinclair、Phil Miller、Dave Stewart、Pip Pyleを中核に、バック・ヴォーカルの“Northettes”が加わった編成で作られている。

制作背景・エピソード

本作はSaturn Studio in Worthingで、1975年1月から2月にかけて録音・ミックスされた。マスターノートにもある通り、アルバムの制作はこの時期にまとまり、英国盤の初出は1975年3月7日。制作期の『Sounds』のインタビューでは、曲作りについて「車でギグに向かう途中に書き直すことが多い」と語られており、移動の合間に構成を詰めていく様子が伝えられている。また、当時は映画や別プロジェクト向けの仕事も並行して進んでいたと報じられている。

参加メンバーの役割も明確で、前作同様にRichard Sinclairのベース/ヴォーカル、Phil Millerのギター、Dave Stewartのキーボード、Pip Pyleのドラムスが軸となり、そこに“Northettes”のコーラスが重なる形。日本盤の付属物としては、シングルジャケット、帯、解説・歌詞等のインサートが付く仕様になっている。盤面には<K> Victor Musical Industries, Inc. ℗ '78 の表記があり、ライナーノーツの日付は77.12.29。

時代の文脈

Hatfield and the Northは、ソフト・マシーンやキャラヴァンと並ぶカンタベリー・シーンの代表格として語られるバンドで、ジャズ・ロックやプログレッシブ・ロックの文脈でしばしば取り上げられる。本作はその短い活動期の中でも代表作とされ、バンドの2作目として位置づけられている。前身にはDeliveryがあり、メンバーはすでにカンタベリー周辺の人脈で活動していた。

作品については、複雑な構成とユーモア、そして軽さが同居する点が繰り返し評価されている。Head HeritageのJulian Copeは、本作を「時代を代表する名作」とし、「気分を明るくするレコード」と述べ、Pip Pyleのメロディ感覚や“Northettes”の透明なコーラスを高く評価している。All About JazzのJohn Kelmanも、短い小品と長めの曲を通じて、ユーモアと高度な演奏が両立していると指摘している。

商業面では英国アルバム・チャート最高43位を記録しているが、一般的な大ヒット作というより、批評的に残ったアルバムとして扱われている。バンド自体は本作後まもなく解散しており、活動期間の短さも含めて、この2作目がグループの中心作として見られている。

後世への影響

後年の再評価は強く、再発盤や復刻のライナーノーツを通じて、カンタベリー・シーンの重要作としての位置づけが固まっていった。All About Jazzでは、本作が「カンタベリー・アルバムの典型」と評され、フランスのForgas Band Phenomena、イタリアのPicchio dal Pozzo、D.F.A.のような後続バンドへのモデルのひとつとしても挙げられている。直接的な大ヒットや有名なカバー曲よりも、後続のプログレ/ジャズ・ロックに与えた影響のほうが大きい作品として記録されている。

1978年の日本盤は、オリジナルの1975年盤から3年後のリリース。盤としては再発期のものだが、作品そのものは1975年録音・1975年初出のアルバムで、当時のカンタベリー・サウンドを代表する一枚として扱われている。

トラックリスト

  1. A1 Share It = シェアー・イット 3:02
  2. A2 Lounging There Trying = ラウンジング・ゼア・トライング 3:10
  3. A3 (Big) John Wayne Socks Psychology On The Jaw = ビッグ・ジョン・ウェイン・ソックス・サイコロジー・オン・ザ・ジョウ 0:46
  4. A4 Chaos At The Greasy Spoon = カオス・アット・ザ・グリージィ・スプーン 0:30
  5. A5 The Yes No Interlude = ザ・イエス・ノー・インタールード 7:02
  6. A6 Fitter Stoke Has A Bath = フィッター・ストーク・ハズ・ア・バス 7:38
  7. A7 Didn't Matter Anyway = ディドゥント・マター・エニウェイ 3:03
  8. B1 Underdub = アンダーダブ 3:55
  9. Mumps = マンプス

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
Share
戻る

あわせて聴きたい "Jazz-Rock"

toast