Leon Haywood - Come And Get Yourself Some (1975)
Leon Haywood 1975

Leon Haywood - Come And Get Yourself Some (1975)

Funk / Soul Soul

Leon Haywood『Come And Get Yourself Some』(1975)

レオン・ヘイウッドが1975年に20th Century Recordsから発表した『Come And Get Yourself Some』は、彼のソロ作の中でも転機をはっきり示すアルバムだ。1960年代からR&Bの現場で活動を重ねてきたヘイウッドが、70年代半ばのファンクやソウルの流れを自分の形にまとめ上げた一枚で、のちの代表曲につながる重要な時期の記録になっている。

ヘイウッドは歌手、ソングライター、プロデューサーとして長く活動した人物で、派手な革新性を前面に出すタイプではないが、実用性の高い曲作りと、滑らかなストリングスを含む編曲で存在感を残した。『Come And Get Yourself Some』でもその持ち味は明確で、演奏の輪郭は太く、リズムは前に出すぎず、ボーカルとアレンジがきちんと噛み合っている。

アルバムの位置づけ

この作品は、ヘイウッドがソロ・アーティストとして本格的に評価を広げた時期の中心にある。1960年代にはビッグ・ジェイ・マクニーリーのバンドで活動し、ソロでも小さなヒットを重ねていたが、70年代半ばになるとヒットの規模が一段上がる。『Come And Get Yourself Some』は、その流れの中で出たアルバムで、後年の「Strokin'」や「Don't Push It Don't Force It」へつながる足場のような作品でもある。

レーベルは20th Century Records。ロサンゼルスを拠点にしたこの時期の同レーベルらしく、当時のソウル/ファンク作品に求められた整った音像がある。演奏陣も強力で、ギターにデヴィッド・T・ウォーカー、ディーン・パークス、ワウワウ・ワトソン、レイ・パーカー・ジュニア、ベースにウィルトン・フェルダー、ドラムにエド・グリーン、ピアノにジョー・サンプル、コンガにボビー・ホール、ヴィブラフォンにゲイリー・コールマンと、いわゆるLAセッションの精鋭が並ぶ。ヘイウッド自身はエレクトリック・ピアノ、モーグ、オルガンも担当している。

収録曲とヒット曲

このアルバムで特に重要なのは、A3の「I Want'a Do Something Freaky to You」だ。後年、ドクター・ドレーが「Nuthin' but a 'G' Thang」でこの曲をサンプリングしたことで、ヒップホップ文脈でも広く知られるようになった。元曲は、派手に押し出すというより、リズムとベースラインの粘りで引っ張る作り。70年代半ばのソウルの中でも、のちのサンプリング文化と相性のいい骨格を持っている。

シングルとしては「Believe Half of What You See (And None of What You Hear)」「Come an' Get Yourself Some」「I Want'a Do Something Freaky to You」「Just Your Fool」が出ており、タイトル曲「Come an' Get Yourself Some」もR&Bチャートで19位、Hot 100で83位を記録している。「I Want'a Do Something Freaky to You」はさらに大きく、Hot 100で15位、R&Bで7位。ヘイウッドの名前を一般層にも押し広げた代表曲になった。

サウンドの印象

この盤を聴くと、ヘイウッドの歌がリズムの上で無理なく置かれているのがわかる。声を張り上げる場面より、フレーズの運びで聴かせる場面が多く、そこにストリングスやホーンがきれいに差し込まれる。ファンクの硬さだけに寄らず、ソウル・アルバムとしてのまとまりがある。演奏の粒立ちが細かく、各パートが主張しすぎないため、曲の骨格が見えやすい。

同時代のファンク/ソウル作品と比べると、ヘイウッドは攻撃性よりも曲の運びを優先している。ジェームス・ブラウン系の切れ味とは別の方向で、滑らかなグルーヴを積み上げるタイプだ。モータウン的な整え方を思わせる部分もありつつ、70年代半ばの西海岸らしい広がりもある。ストリングス・アレンジをジーン・ペイジが担当している点も、このアルバムの輪郭を決めている。

オリジナル盤について

1975年のUSオリジナル盤は、20th Century Recordsの内袋が付属し、シュリンク上のハイプ・ステッカーには「Contains 'I WANT'A DO SOMETHING FREAKY TO YOU' T-476」とある。ラベル表記やクレジットも当時の20th Century Recordsの仕様で、LPとしての初出時点の姿をそのまま残したリリースだ。ランアウトはエッチング。盤面の情報からも、当時の制作・流通の雰囲気が伝わってくる。

まとめ

『Come And Get Yourself Some』は、レオン・ヘイウッドが70年代半ばに到達したソウル/ファンクのまとまりを、ヒット曲とともに記録したアルバムだ。代表曲「I Want'a Do Something Freaky to You」の存在だけでなく、アルバム全体に通る柔らかさと推進力が、彼の作家性をよく示している。のちにヒップホップで参照されることになる素材を含みながら、同時に70年代R&Bの一枚としてもきちんと輪郭が立っている作品。

トラックリスト

  1. A1 Come And Get Yourself Some 3:33
  2. A2 This Feeling's Rated Extra 3:49
  3. A3 I Want'a Do Something Freaky To You 5:57
  4. A4 Who You Been Giving It Up To 2:51
  5. B1 You Need A Friend Like Mine 3:03
  6. B2 Consider The Source 4:00
  7. B3 Just Your Fool 3:28
  8. B4 I Know What Love Is 3:14
  9. B5 Believe Half Of What You See (And None Of What You Hear) 2:41

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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