Michael Kiwanuka - Home Again (2012)
Michael Kiwanuka 2012

Michael Kiwanuka - Home Again (2012)

Folk, World, & Country Blues Funk / Soul Folk Soul Modern Electric Blues

Michael Kiwanuka『Home Again』(2012)

ロンドン北部マスウェル・ヒル出身、ウガンダ系イギリス人のシンガーソングライター、マイケル・キワヌカ(Michael Kiwanuka)が2012年3月に発表した記念碑的デビュー・アルバム『Home Again』(ホーム・アゲイン)。発売に先駆けて英BBCが選出する有望新人リスト「Sound of 2012」で第1位を獲得し、全英チャート初登場4位を記録。エレクトロニックやダンス・ポップが主流を占めていた2010年代初頭の音楽シーンにおいて、温もりあるオーガニックなルーツ・ミュージックの美しさを鮮やかに蘇らせた傑作である。

ワイト島でのアナログ録音とポール・バトラーの手腕

本作のプロデュースを手掛けたのは、英ワイト島出身のサイケ・ロック/フォーク・バンド、ザ・ビーズ(The Bees)のフロントマンであるポール・バトラー(Paul Butler)。ワイト島にあるバトラーの自宅スタジオにヴィンテージ機材とアナログ・テープを持ち込み、デジタル全盛の時代にあえて時間をかけた親密なセッションが敢行された。

キワヌカの深みのあるスモーキーな歌声とフィンガーピッキング・ギターを中心に、フルート、ヴィブラフォン、ホーン・セクション、そして柔らかなパーカッションが幾重にも重なり合うサウンドは、古き良きアナログ盤の質感を湛えながらも、みずみずしい現代的な息吹を宿している。

ヴィンテージ・ソウルと英米フォークの幸福な交差点

本作に流れる音楽的バックボーンは、ビル・ウィザース、テリー・キャリアー、マーヴィン・ゲイ、オーティス・レディングといった1960〜70年代のソウル・レジェンドへの深い敬愛と、ボブ・ディランやニック・ドレイクに通じる内省的なフォーク/シンガーソングライターの精神である。

オープニングを飾る「Tell Me A Tale」は、たなびくフルートと弾むパーカッションが精神の高揚を誘うスピリチュアル・ソウルの大名曲。爪弾かれるアコースティック・ギターと慈愛に満ちたメロディが心に染み入る「I'm Getting Ready」や「I'll Get Along」、そして孤独の淵から静かに希望を照らし出すタイトル曲「Home Again」など、全編にわたって飾らない誠実な祈りと歌心が溢れている。

後世への広がりと現代のマスターピースへの助走

同年のマーキュリー賞にノミネートされた本作の成功により、マイケル・キワヌカは一躍新世代ソウル・ミュージックを牽引するフロントランナーとしての評価を確立した。ここでのオーガニックなソングライティングの探求は、デンジャー・マウスを迎えてサイケデリック・ソウルへと飛躍を遂げた次作『Love & Hate』(2016年、全英1位)、そしてマーキュリー賞を受賞した大傑作『Kiwanuka』(2019年)へと続く輝かしい黄金期への確固たる原点となった。2010年代の英国ルーツ・ミュージックを象徴する不朽の名盤である。

トラックリスト

  1. A1 Tell Me A Tale 4:09
  2. A2 I'm Getting Ready 2:21
  3. A3 I'll Get Along 3:26
  4. A4 Rest 3:50
  5. A5 Home Again 3:29
  6. B1 Bones 3:45
  7. B2 Always Waiting 4:30
  8. B3 I Won't Lie 4:01
  9. B4 Any Day Will Do Fine 3:37
  10. B5 Worry Walks Beside Me 4:57

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Michael Kiwanuka

Michael Kiwanuka

Michael Kiwanuka(マイケル・キワヌーカ)は、1987年5月3日にロンドン北部のマスウェル・ヒルで生まれたイギリスのシンガー・ソングライター、ギタリ...

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