Munich Machine - Munich Machine (1977)
Munich Machine 1977

Munich Machine - Munich Machine (1977)

Electronic Disco

Munich Machine『Munich Machine』(1977)

Munich Machineの『Munich Machine』は、1977年にCasablancaから出たディスコ・プロジェクトの初期作で、Giorgio Moroderを中心に据えた“ミュンヘン・サウンド”の流れをそのままアルバム単位でまとめた作品だ。Moroder、Pete Bellotteを軸に、Mats Björklund、Keith Forsey、Chris Bennettらが参加しており、制作の中心がはっきりしている。プロジェクト名の通り、バンドというよりはスタジオ・ワークの成果物に近い。

この時期のMoroderは、すでにディスコのフォーマットを機械的な反復と電子音で更新し始めていた。『Munich Machine』でもその方向性が明確で、ビートは整然としていて、ベースラインは前に出る。そこに歌ものの感触を残したメロディやコーラスが重なる。1977年という年を考えると、ディスコの快楽性を保ちながら、よりシンセサイザー寄りの感覚へ踏み込んだ内容になっている。

作品の位置づけ

このアルバムは、Moroderのキャリアの中でも重要な位置にある。のちのDonna Summer作品で決定的になる電子ディスコの設計図が、この時点ですでに見えているからだ。派手なストリングスで押し切るタイプではなく、リズムの推進力と音色の組み立てで聴かせる作り。後年のユーロ・ディスコやエレクトロ寄りのダンス・ミュージックを振り返ると、ここでの試みが先にある。

同時代のディスコと比べると、Studio 54周辺の華やかな空気を持ちながら、よりヨーロッパ的な冷たさがある。Chicのようなタイトなグルーヴとも、Bee Geesのポップなディスコとも少し違う。Moroder系の作品にある、機械の精度と身体性の両立が前面に出る。

収録曲と話題性

この盤で特に知られているのが「Get on the Funk Train」だ。英チャートでは最高41位、5週チャートインしており、アルバムの外側でも反応を取った代表曲として扱われている。続く「A Whiter Shade of Pale」も英チャートで最高42位まで入り、プロジェクトが単発で終わらなかったことを示している。

リリース時の評価については、当時のディスコ専門メディアで好意的な反応が見られる。強いディスコ曲が複数ある、という受け止め方が残っており、少なくとも同時代のダンス・ミュージックの文脈では無視されていない。ヒットの規模だけで測る盤ではなく、制作思想そのものが注目されたタイプのアルバムだ。

サウンド面の特徴

実際に聴くと、音の置き方がかなり整理されている。過剰に装飾せず、リズムの反復で引っ張る場面が多い。そこに軽い高揚感のあるボーカルやフレーズが入るため、冷静な構造とダンスの熱が同居する。ジャケットのロボット的なイメージも、この内容とずれていない。機械的なビートと人間的な歌の感触、その対比がアルバム全体の軸になっている。

B面がメガミックスという点も、この時代のディスコ盤らしい構成だ。曲単位で聴かせるだけでなく、フロアでの連続性を意識した作りで、クラブ文化との距離が近い。スタジオ作品でありながら、現場の流れを意識した編集感覚がある。

Casablanca盤について

このUS盤はCasablancaのNBLP 7058。レーベル表記は1977年以降のCasablanca Record and FilmWorks期にあたり、リリースノートにも「Manufactured and Distributed by Casablanca Record and FilmWorks, Inc.」とある。カサブランカはこの時期、KissやDonna Summer、Village Peopleなどを抱え、ディスコ・レーベルとして存在感を強めていた。その中でMunich Machineは、アメリカ市場に向けてヨーロッパの制作感覚を持ち込んだ一枚として見やすい。

録音はミュンヘンのMusicLand Studios。ここはMoroder関連の重要拠点で、当時のヨーロッパ産ディスコの音作りを支えたスタジオでもある。アルバムのクレジットにある制作陣と場所を見ても、作品の性格はかなり明確だ。

まとめ

『Munich Machine』は、大ヒット盤として語られるより、Moroderがディスコを電子化していく過程の中で押さえておきたい一枚だ。チャート実績のある「Get on the Funk Train」を含みつつ、アルバム全体ではフロア志向と実験性が並走する。1977年のディスコを、そのままではなく次の段階へ進める途中の記録として聴ける作品である。

トラックリスト

  1. A Get On The Funk Train 15:45
  2. B1 Love To Love You, Baby 2:32
  3. B2 Trouble-Maker 2:48
  4. B3 Try Me, I Know We Can Make It 3:28
  5. B4 I Wanna Funk With You Tonite 3:26
  6. B5 Spring Affair 2:24
  7. B6 Love To Love You, Baby 1:32

動画プレイリスト

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