Parliament - GloryHallaStoopid (Pin The Tale On The Funky) (1979)
Parliament 1979

Parliament - GloryHallaStoopid (Pin The Tale On The Funky) (1979)

Funk / Soul P.Funk

Parliament『GloryHallaStoopid (Pin The Tale On The Funky)』(1979)

ジョージ・クリントン率いるParliamentが1979年にCasablancaから発表した8作目のスタジオ・アルバムが、この『GloryHallaStoopid (Pin The Tale On The Funky)』である。P-Funkの大きな物語を引き継ぎながら、宇宙的な神話、下世話なユーモア、分厚いグルーヴをひとつにまとめた作品で、同年のファンク/ソウルの中でもかなりコンセプトの強い一枚になっている。後に続く『Trombipulation』(1980)の直前に置かれる作品でもあり、70年代後半のParliamentの流れを確認するうえで重要な位置づけにある。

作品の輪郭

本作は、ファンクが宇宙の創造原理であるかのような、いつものP-Funk神話をさらに押し広げた内容だ。曲単体で完結するというより、アルバム全体でひとつの物語を組み立てる構成が目立つ。過去作の音源を引用しながら展開していく作りも特徴で、『Mothership Connection』や『Funkentelechy vs. the Placebo Syndrome』で築かれた世界観とのつながりがはっきりしている。

録音はデトロイトのUnited Sound Systemsを中心に行われ、追加録音としてMichiganのSuperdisc、ニューヨークのPCI Studiosも使われている。マスタリングはハリウッドのAllen Zentz Studios。Parliamentらしい多層的な音作りで、ベース、シンセ、コーラス、SEが重なり合い、曲の輪郭をそのまま追うよりも、音の塊として聴く感覚が強い。

収録曲と聴きどころ

シングルとしては「Party People」「The Big Bang Theory」「Theme from the Black Hole」が切られている。中でも「Party People」は10分近い長尺で、A面の軸になる曲だ。George Clinton、Bootsy Collins、Garry Shiderの共作で、ライブ感のある掛け合いと、ディスコ寄りのテンポ感が前面に出る。BillboardのR&Bチャートでは39位まで上昇している。

実際に耳を通すと、Parliamentの中でもかなり“動きの多い”アルバムだと感じる。ベースのうねりは保ちながら、リズムはまっすぐ押す場面が増え、シンセの処理もより派手に飛び出してくる。いわゆる70年代中盤の泥臭いファンクより、クラブ向けの推進力が強い。とはいえ、単純にディスコへ寄っただけではなく、歌詞や展開の端々にP-Funk特有のねじれが残っている。

「The Big Bang Theory」や「Theme from the Black Hole」では、宇宙、誕生、ブラックホールといったモチーフがそのまま題材になり、Parliamentが一貫して扱ってきた“宇宙ファンク”の文法が続く。派手な題名に対して、演奏は意外に細かく、リフの切り替えやコーラスの差し込みで曲を引っ張る作り。音の密度の高さが、この時期のParliamentらしさをよく示している。

当時の評価と時代背景

1979年は、ファンクがディスコやニューウェイヴと隣り合いながら変化していた時期でもある。Parliamentもその空気の中にあり、本作は純粋なファンクの延長だけでは語れない。P-Funk一派の中核であるGeorge Clinton、Bootsy Collins、Bernie Worrell、Fred Wesley、Maceo Parkerらの名前が並ぶ一方で、作品全体には70年代後半らしい洗練されたビート感がある。

評価は一枚岩ではない。賛否が割れた作品として扱われることが多く、70年代中盤の傑作群と並べると少し位置が下がるという見方もある。とはいえ、Parliamentの作品群の中では、神話的な設定、引用の多さ、ディスコ以後のファンクのあり方を一枚のアルバムに詰め込んだ記録として見やすい。バンドの表現が、単純な“踊れる音楽”に収まっていないこともよくわかる。

オリジナル盤の仕様

1979年USオリジナルのCasablanca盤は、見開きジャケット仕様で、漫画が印刷されたシートが付属する。Parliamentのアルバムらしく、音だけでなくビジュアル面も含めてひとつの作品になっている。Casablancaのロゴやレーベル面も、この時代のUS盤らしい雰囲気をそのまま残している。

まとめ

『GloryHallaStoopid (Pin The Tale On The Funky)』は、Parliamentの宇宙的なファンク世界を1979年の感覚で更新したアルバムだ。派手な仕掛け、長尺曲、引用の多さ、そして分厚いリズム・セクション。P-Funkの魅力がそのまま詰まっている一方で、時代の変化もはっきり映っている。Parliamentのディスコグラフィーを追うとき、この作品は70年代の終盤におけるグループの立ち位置を示す一枚として押さえておきたい。

トラックリスト

  1. A1 (GloryHallaStoopid) Pin The Tale On The Funky 4:53
  2. A2 Party People 9:59
  3. A3 The Big Bang Theory 7:00
  4. B1 The Freeze (Sizzaleenmean) 9:00
  5. B2 Colour Me Funky 4:50
  6. B3 Theme From The Black Hole 4:35
  7. B4 May We Bang You? 4:45

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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