Funkadelic - Tales Of Kidd Funkadelic (1976)
Funkadelic 1976

Funkadelic - Tales Of Kidd Funkadelic (1976)

Funk / Soul P.Funk

Funkadelic『Tales Of Kidd Funkadelic』

1976年9月21日、デトロイトの名門レーベルWestbound Recordsから出たFunkadelicの通算8作目のスタジオ・アルバム。バンドがWestboundに残した最後のスタジオ作でもある。タイトルの「Kidd Funkadelic」は、前任のギタリストEddie Hazelの後任として17歳で加入した若き天才Michael Hamptonのニックネームに由来する。

制作背景・エピソード

この作品は、George Clinton率いるP-Funk軍団がメジャーのWarner Bros.へ移籍していた時期に、契約消化のためにWestbound側がコンパイルした一枚だ。同年にWarnerから出た『Hardcore Jollies』と同じセッションから、デトロイトのUnited SoundとハリウッドのHollywood Soundで録音された素材やアウトテイクを組み込んでいる。演奏陣の中心にはMichael Hampton、Bernie Worrell、Bootsy Collinsらが揃い、13分弱に及ぶ大曲「Tales Of Kidd Funkadelic (Opusdelite Years)」ではMichael Hamptonの縦横無尽なサイケデリック・ギターソロとBernie Worrellのシンセサイザーが前面に出る。ジャケットと見開きの強烈なアートワーク、手書きのライナーノーツは奇才Pedro Bellが担当した。

収録曲の「Undisco Kidd」は、当時流行し始めていたディスコ・ブームを「アンディスコ(解体)する」というP-Funk流のアイロニーが込められたヘヴィ・ファンクで、シングルとしてもカットされた。A面2曲目の「Let's Take It to the People」は、のちにA Tribe Called Questが『The Low End Theory』収録の「Everything Is Fair」でサンプリングしたことでも知られる。

時代の文脈

1976年はParliamentの『Mothership Connection』が大ヒットし、P-Funkがアメリカのポップカルチャーを席巻していた絶頂期にあたる。本作には、初期Westbound時代の泥臭く混沌としたアシッド・ロックの質感と、メジャー移籍後の洗練された大所帯ファンクへと向かう過渡期の熱気が生々しく同居している。

なお、当時のWestbound Recordsは20th Century-Fox Record Corp.経由で流通しており、本盤にもその表記が見られる。インディアナ州Terre Hauteプレス(ランアウトに「T」のエッチング)のUSオリジナル盤(W-227)は、過渡期ならではの貴重な記録としても価値を持つ。

後世への影響とサウンドの魅力

レーベル主導のアウトテイク集という出自でありながら、Michael Hamptonのファズを効かせた鋭利なギターと、Bernie Worrellのスペーシーな鍵盤、そして重厚なベースラインが織りなすサウンドは、初期ファンカデリックのヘヴィ・ロック遺伝子を濃厚に残している。

「Let's Take It to the People」のタイトなファンク・ビートをはじめ、「Take Your Dead Ass Home!」や「Undisco Kidd」のうねるベースライン、そしてタイトルトラックの長尺ソロは、90年代のウェストコーストG-Funk勢をはじめ、後世のヒップホップ/ファンクの文脈で繰り返し参照された。

チャート面では、BillboardのSoul LPsで14位、Top LPs & Tapesで103位を記録。「Undisco Kidd」はHot Soul Singlesで30位まで上がった。Westbound時代の掉尾を飾る作品として、USオリジナル盤はPedro Bellのアートワークも含めて現在もアナログ市場で根強い人気を誇っている。

トラックリスト

  1. A1 Butt-To-Buttresuscitation 3:53
  2. A2 Let's Take It To The People 1:50
  3. A3 Undisco Kidd 6:34
  4. A4 Take Your Dead Ass Home! (Say Som'n Nasty) 7:18
  5. B1 I'm Never Gonna Tell It 3:41
  6. B2 Tales Of Kidd Funkadelic (Opusdelite Years) 12:56
  7. B3 How Do Yeaw View You? 3:39

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

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