Pink Floyd - Live In Atlanta 1987 (A Momentary Lapse Of Reason Tour Vol.1) (2018)
Pink Floyd 2018

Pink Floyd - Live In Atlanta 1987 (A Momentary Lapse Of Reason Tour Vol.1) (2018)

Rock Prog Rock

Pink Floyd『Live In Atlanta 1987 (A Momentary Lapse Of Reason Tour Vol.1)』について

Pink Floydの『Live In Atlanta 1987 (A Momentary Lapse Of Reason Tour Vol.1)』は、1987年の『A Momentary Lapse of Reason』ツアー中に行われたアトランタ公演を収めたライヴ作品で、2018年に初出、2019年にこの盤が流通したタイトルだ。リリース国はチリ、レーベルはPlaza Independencia S.R.L.。Pink Floydの公式ディスコグラフィとは別系統の流通盤として扱われることが多いが、内容面では1980年代後半のバンドの再始動期を切り取った記録として重要な位置にある。

1987年という時期のPink Floyd

1987年のPink Floydは、ロジャー・ウォーターズ脱退後の体制で動いていた時期にあたる。中心はデヴィッド・ギルモア、ニック・メイスン、リチャード・ライトの3人で、バンドとしての再編が進んだタイミングでもある。1980年代後半のPink Floydは、70年代の長大な組曲やコンセプト志向を引きずりつつも、当時の大規模アリーナ向けの音作りを前面に出していた。

『A Momentary Lapse of Reason』自体は1987年のスタジオ作で、代表曲としては「Learning to Fly」や「On the Turning Away」がよく知られている。このライヴ盤でも、その時期の楽曲がセットの軸になっているはずの作品で、バンドが新しい形で活動を立て直していく過程を追う資料性が強い。Pink Floydのライヴは、同時代のイエスやジェネシスの大掛かりなステージと並べて語られることが多いが、この時期のPink Floydは特に音響、照明、映像演出の規模で存在感を保っていた。

アトランタ公演の記録として

この作品は、1987年ツアーのアトランタ公演を記録したものとして案内されている。ツアーは当初の宣伝的な短期公演から拡大し、1989年まで続く大規模なものになった。つまり本作は、その長いツアーの初期を捉えた一枚でもある。後年の『Delicate Sound of Thunder』のような公式ライヴ盤と比べると、こちらはツアー初期の空気を伝える性格が強い。演奏の配置や楽曲の並びを追うことで、アルバム発表直後のバンドがどのようにライヴ用の形へ楽曲を組み替えていたかが見えてくる。

Pink Floydのライヴ記録は、しばしば完成度の高い演出と引き換えに、スタジオ盤とは違う緊張感をどう出すかが論点になる。このアトランタ公演も、そうした文脈の中で聴かれることが多い。ギルモアのギター、ライトのキーボード、メイスンの堅いリズムが前に出る構成で、ウォーターズ在籍期とは違うバランスのPink Floyd像がはっきりする。

2018年初出、2019年盤としての位置づけ

本作は2018年に初めてまとまった形で登場し、2019年にこの盤が出ている。盤のリリース年と作品の初出年がずれているため、ここでは2018年の作品として扱うのが自然だ。2019年盤はその後の流通形態にあたる。オリジナルの1980年代公式ライヴ盤とは違い、こちらはツアーの特定公演を切り出した構成で、当時のセットの流れをより直接的に追える点が特徴になる。

また、Pink Floydは『The Wall』以降、ライヴ作品が単なる記録ではなく、時代ごとのバンド像を整理する役目も担ってきた。このアトランタ公演も同じで、1980年代後半のPink Floydがどのように再出発したかを示す素材として読むと意味が大きい。70年代の実験性をそのまま引き継ぐというより、巨大会場向けのサウンド設計と、楽曲をしっかり演奏することに重心を置いた時期の記録だ。

まとめ

『Live In Atlanta 1987 (A Momentary Lapse Of Reason Tour Vol.1)』は、Pink Floydの転換期を映したライヴ記録である。ウォーターズ脱退後の体制、1987年ツアーの初期、公演記録としての資料性、そして『A Momentary Lapse of Reason』期の楽曲が持つ当時の輪郭。そうした要素がまとまった一枚で、Pink Floydのディスコグラフィの中でも、再始動期の空気を確認するための作品として見ておきたい。

トラックリスト

  1. A1 On The Turning Away
  2. A2 One Of These Days
  3. A3 Time
  4. A4 On The Run
  5. B1 Wish You Were Here
  6. B2 Us And Them
  7. B3 Comfortably Numb

動画プレイリスト

公開: 2026年8月
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