Red Hot Chili Peppers - Unlimited Love (2022)
Red Hot Chili Peppers 2022

Red Hot Chili Peppers - Unlimited Love (2022)

Rock Funk / Soul Funk Alternative Rock Rock & Roll

Red Hot Chili Peppers『Unlimited Love』レビュー

『Unlimited Love』は、Red Hot Chili Peppersが2022年に発表した12作目のスタジオ・アルバム。Anthony Kiedis、Flea、Chad Smith、John Fruscianteの4人がそろった編成で制作された作品で、バンドの長い歴史の中でも重要な位置を占める1枚だ。John Fruscianteの復帰作として注目を集めたこともあり、単なる新作以上に、バンドの再始動を印象づけるアルバムとして受け止められている。

John Frusciante復帰後の再出発

2019年末、Josh Klinghofferに代わってJohn Fruscianteがバンドに復帰した。Fruscianteにとっては約10年ぶりの再合流で、彼自身も「ずっとロックを書いていなかった」と不安を口にしていたという。制作前には初期3作の曲を一緒に演奏し直し、メンバー同士の感覚を取り戻していったそうだ。長く離れていたギタリストが戻っただけでなく、バンドの内部の呼吸をもう一度合わせ直したうえで作られたアルバム、という背景がある。

プロデューサーはRick Rubin。Red Hot Chili Peppersとは長い付き合いで、再結集したメンバーを見て涙が出たというエピソードも残っている。Rubinのもとで仕上げられた作品として見ると、本作は過去の延長線上にありながら、4人の現在地をそのまま記録したアルバムでもある。

制作とサウンドの輪郭

録音は2020年11月から2021年8月にかけて、マリブのShangri-Laスタジオで行われた。セッションでは約100曲もの新曲が録音され、その中から本作と、同年10月発表の次作『Return of the Dream Canteen』の2枚分が選ばれている。つまり『Unlimited Love』は、膨大な素材を前にしたうえで組み立てられた作品で、収録曲の幅も自然と広い。

演奏面では、Fleaのベースが全編を支え、Fruscianteのギターは曲ごとに表情を変える。さらにシンセサイザー、メロトロン、アコースティック・ギターまで入り、従来のファンク・ロックの骨格に、少し広い音の層が加わっている。Anthony Kiedisの歌は、ラップ的な運びとメロディの両方を行き来し、Chad Smithのドラムがその流れを強く保っている。

代表曲とアルバムの動き

先行シングル「Black Summer」は、本作を代表する曲として広く知られた。ミュージック・ビデオも話題になり、2022年のMTV Video Music Awardsでは最優秀ロック賞を受賞している。曲の立ち上がりは軽やかだが、Frusciante復帰後のバンドが持つ緊張感と、リズム隊の推進力がはっきり出ている。

アルバム全体では、ファンク、オルタナティヴ・ロック、ロックンロールの要素が並行して進む。Red Hot Chili Peppersが1980年代から積み重ねてきた、L.A.発のミクスチャー感覚の現在形として聴ける内容だ。初期の荒さをそのまま引きずるのではなく、熟成した演奏でまとめている点が、この時期のバンドらしい。

チャート成績と評価

『Unlimited Love』は米国と英国を含む16か国でアルバム・チャート初登場1位を記録した。全米1位は『Stadium Arcadium』以来16年ぶり。初週の米国売上はアルバム換算で9万7500ユニット、そのうちアナログ盤が3万8500枚を占めた。2022年時点でも、レコードとしての存在感がかなり大きかった作品だ。

評価面では、Metacriticで71点、「おおむね好評」とされた。再結集したバンドのエネルギーを評価する声がある一方で、全17曲・約73分という長さをやや冗長と見る意見もあった。実際、曲数の多さはこのアルバムの特徴で、1枚の中で複数の流れが並走している感覚がある。

この盤について

ここで取り上げているのは、2022年のスタンダードなブラック2枚組LP。『Unlimited Love』はカラー盤や限定盤が非常に多く出た作品だが、このプレスはもっとも基本的な仕様にあたる。アルバムの内容を素直に受け取るなら、まずこの黒盤の形がいちばん分かりやすい。

Red Hot Chili Peppersにとって本作は、Frusciante復帰という大きな節目を、そのまま作品に落とし込んだ1枚。過去の代表作を知っているほど、4人の音が再び噛み合う瞬間が見えやすい。ファンク・ロックのバンドとしての持ち味を保ちながら、2022年の時点での演奏と制作の感覚をきちんと残したアルバムである。

トラックリスト

  1. A1 Black Summer 3:53
  2. A2 Here Ever After 3:50
  3. A3 Aquatic Mouth Dance 4:21
  4. A4 Not The One 4:26
  5. B1 Poster Child 5:19
  6. B2 The Great Apes 5:02
  7. B3 It's Only Natural 5:34
  8. B4 She's A Lover 3:41
  9. C1 These Are The Ways 3:56
  10. C2 Whatchu Thinkin' 3:41
  11. C3 Bastards Of Light 3:39
  12. C4 White Braids & Pillow Chair 3:41
  13. C5 One Way Traffic 4:11
  14. D1 Veronica 4:29
  15. D2 Let 'Em Cry 4:23
  16. D3 The Heavy Wing 5:32
  17. D4 Tangelo 3:38

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

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Red Hot Chili Peppersは、1982年にアメリカ・ロサンゼルスで結成されたロック・バンドだ。ファンクとオルタナティブ・ロックを軸に、ベース、ギター...

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